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~温泉語~『二日目サバゲーナイトフィーバー篇』

~温泉語~『二日目サバゲーナイトフィーバー篇』




優太
「ん・・・。んーーー。朝か?」



カーテン越しに微かな日の光を浴びて優太は目を覚ました。
携帯を取って時間を確認するとまだ五時半だった。


優太
「流石に起きるには早いな・・・。二度寝でも・・・。」



と思い、もう一度布団を被ると左手に何か柔らかい物が当たった。
何事かと確認すると隣に唯が寝ていた。
そう言えば昨晩は何か色々あってこんな感じに収まったなーーー。
と思い出しながら優太は自分の手が何に当たっているのかを確認した。
ま、普通に二の腕だったが・・・。
だが優太の視線はスグに違う物に向いた。
唯の浴衣の胸元がかなりはだけてしまっていたのだ。
かろうじて布がかかってはいるものの、少し動いたらズレて見えてしまいそうだった。
ていうか本当につけてなかったんだ~とか場違いなことを考えてしまう自分がやっぱり情けないなー。と思った。



「う・・・ん。ユウちゃ~~ん・・・むにゃむにゃ。。」



唯は人の気も知らないで寝言を言いながらもぞもぞと動いている。
その拍子に胸元がさらに少しはだけた。
もう次に動いたら見えそうなくらい際どい状態になってしまっていた。
完全に目の保養・・・いや、毒だと思った優太は何気ない動作で軽く着付けを直した。
ちょっと指が胸に触れてしまい、それなりにドキドキした。
そしてコレ以上ココに居ると体が持たないと判断した優太は布団から出た。


優太
「朝風呂でも入ってくるか~~。」



優太は部屋を出て『湯混の間』に向かうことにした。
朝風呂はあんまり好きじゃないが、折角の温泉旅館なんだからそれくらいはしないとと思ったのもあるが、とりあえずこの部屋から出たかった。
部屋の前にあった岩はどうやら唯が寝てるので消えたようだ。
だったら唯が寝た後に隣から布団借りてればよかったのかーと考えるものの、もう今更だったため途中で考えるのは止めた。




朝早いからか脱衣所には誰の着替えも置かれていなかった。
温泉に入ってみても一人も見当たらない。
どうやら貸切状態という奴じゃないか?
と思った優太は手早く体を洗うと温泉に飛び込んだ。
所謂ルパンダイブと言う奴だ。


優太
「ぷはっ!あーー、極楽だな~。何か昨夜より温泉の温度が上がってるし。やっぱりアレはワザとあの温度に設定されてるんだなーー。色々と長く楽しめるように・・・。うん、色々と・・・。」



確認すると昨夜は開放状態だった温泉の真ん中には仕切りが出ていた。
どうやら本当に通常時は仕切られているのが当たり前らしい。


優太
「良く考えると昨夜は蓮や奏や瑠依と一緒だったからゆっくり入れなかったからなーー。何かやっとまともに疲れがとれていく気がするーーー。。」



温泉の縁に背中を預けながら昨夜のことを思い出した。
でも何故だか思い出されるのは蓮の裸だったり、唯の胸の感触だったりと完全に思春期の少年の様な単純な思考が頭を支配した。
その煩悩と言うか邪まな妄想を打ち払うように優太は頭を強く振るった。
すると、脱衣所の戸が開く音が聞こえた。
優太はそっちを一目確認して、その事態に驚愕した。
そこに居たのは・・・




かすみ
「ふぁぁぁあああ。」

すみれ
「かすみ、朝からそんな大欠伸なんてだらしないわよ。ふぁあああ。」

かすみ
「すみれちゃんだって私ほどじゃないけど凄い欠伸だよーー?」

すみれ
「昨夜は例のアレを手配してたから寝るの遅かったのよ。」

かすみ
「私は速攻で寝たけどね!!」

すみれ
「アンタが寝オチさえしなければ私だってスグ寝れる予定だったのだけど?」

かすみ
「あははは・・・ごめんなさーい。」

すみれ
「まったく・・・。あら?」

かすみ
「どうしたの、すみれちゃん。」

すみれ
「いやね、『湯混の間』の暖簾が男女逆になってるのよ。」

かすみ
「あれ~?本当だーー。木村さんてば変え忘れたんだーー。」

すみれ
「まったく。しょうがないですね。間違われても困るので変えておきますか。」

かすみ
「あ、そうだ。すみれちゃん、仕事前にひとっ風呂入れば目が覚めるんじゃないかな?」

すみれ
「それもそうだろうけど・・・。」

かすみ
「五時も過ぎてるからお湯の温度も通常に戻ってるだろうし・・・ねぇねぇ、入ろうよーーー。ちょっとだけ!ね?」

すみれ
「・・・はぁ。まったくしょうがないわね。少しだけよ。」

かすみ
「やたーーー!」





優太
「・・・。」

すみれ
「・・・。」

かすみ
「・・・。」

優太
「(え?なに、コレって一体どういう話の成り行き??どうしてアイツらが平然と男湯に入ってくるの??全然全く事態が把握できないんですが・・・。)」

かすみ
「えーーと・・・何でユウタ君が女湯にいるのかな~?」

優太
「え?ここって男湯じゃないの?オレちゃんと暖簾は確認したぜ?」

すみれ
「(ははーーん。そういう話ですか。バッチリ把握できました。)」

かすみ
「(ど、どういうことなのかな?すみれちゃん!?)」

すみれ
「(見たまんまの意味でしょう。ユウタさんは暖簾のシステムを知らないんだからこうなるのはしょうがないことよ。)」

かすみ
「(あ、そうか。じゃあユウタ君、男湯だと勘違いして女湯に入っちゃったのか!)」

すみれ
「そうです。つまり・・・。」

かすみ
「つまり?」

すみれ
「親睦深め放題って話です!!!」

かすみ
「なるほどーーーーーーー!!!」

優太
「ちょ!!何でタオル取るの!!?つか待て何でこっちに突っ込んでくるの!!」

すみれ
「まさか朝からユウタさんとご一緒できるなんて・・・すみれは幸せ者です!」



何か気付いたときにはすみれが右側に寄り添ってきており、目にも止まらぬ速さで右腕に抱きついてきた。
やらわかい二つのものに優太の右腕が挟まれた。


優太
「ちょ、すみれ!!待てって・・・!!」

かすみ
「何かなユウタ君照れてるのかな~?大丈夫だよ~、私達が全部手取り足取り教えてあげるからね~~。。」



今度は左腕にかすみが抱きついてきた。
こっちはこっちで、すみれほどじゃないがやらわかいアレが腕に張り付いてくる。
系四つくらいのやらわか物体に挟まれつつ、優太は何もできずにただドギマギとしかできなかった。


すみれ
「ユウタさんの腕・・・細いですけど、思ったよりがっちりしてるんですね。」

かすみ
「本当だ~~。でもよくこんな細腕で大型の魔獣と平然と戦えるよねーー。」

すみれ
「それだけユウタさんが強い殿方だということでしょう?」

かすみ
「そうだねーー。ユウタ君、まずは何しようか~?」



二人は絶対離すまいとかなりの力で腕を拘束してきている。
お陰で考えようによっては夢見心地のような感触が両腕を挟んでくれてるんだが・・・。
優太的にはそんなに楽しんでられる状況でもなかった。
こういう展開で進むとほぼ確実に誰かが来てボコられるオチが見えているからだ。
ここが女湯ならなおのことその確立が高い。
優太は必死にこのやらわか天国×2から抜け出す方法を考えていた。
が・・・。
体が金縛りにあったかのように動いてくれない上に、頭も両腕に走るやらわか感触×2に思考が鈍りまくって全く働いてくれない。


優太
「(な、何かキッカケがあれば・・・!一瞬でもコイツらの気が逸れればこの状況から脱せるハズだ!!何か・・・奇跡が起こればぁぁぁあああああああああああああ!!)」



優太の願いが届いたのか、それともただの偶然なのか。
ソレは起こった。
再度脱衣所の戸が開いたのだ。
優太含め、すみれ、かすみも流石にその音に目がいった。
瞬間的にだが、拘束していた二人の腕が緩んだ気がした。


優太
「(い、今だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!)」



優太は通常考えられない反応速度で足に魔力を練り込む。
それを一気に解き放ち、走り出した。
一瞬、音速を超えた。
そしてそのまま開いた戸目掛けて駆け抜けた。
何かが腕に引っかかった気がしたがそんなの気にせず優太は脱衣所にある自分の籠を持ってスグサマ女湯を出て隣の男湯へ駆け込んだ。
籠を脱衣所に放り投げ、温泉に飛び込む。。


優太
「ぷはっ!!!あーーーーーーーーーー、助かった・・・。これもきっと日頃の行いが良いからだな!!どうにか抜けられたぞ・・・。」


「ほう・・・それは良かったな・・・。」

優太
「ああ、全くだぜ・・・。で・・・。」


「何だよ・・・。」

優太
「何で今度はお前が居るんだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」


「な、何でって・・・お前が私の手を取って無理矢理・・・。こ、こんな所に連れ込んでどうしようって言うんだ・・・。ま、まさか私の体目当てとかそういうのじゃないだろうな!!?」

優太
「どうもしねぇよ!!!はぁ・・・でもま、お前ならいいや~~。別に・・・。。」


「なっ!!そ、それは・・・その、どういう意味でだ?も、もしや私のことを・・・」

優太
「どういうって・・・。別にお前に欲情したりはしないって言う・・・」



次の瞬間、人間の体から聞こえてはいけない様な音が旅館中に轟いた。
それと同時に、人間が上げてるとは思えない絶叫も合わせて聞こえたらしい。。





「何だよまったく、あの野郎・・・人が素直になってやれば付け上がりやがって・・・!!」

愛依
「どうしたのカナちゃん。寝起きでも悪かったの?」


「別に、何でもないよ。」


「それより何でまた優太さんはこんなにダメージを受けてるんですか?」

千草
「クレイモア地雷でも踏んだんじゃないの~?」

由紀
「ああ、うん。多分そうだろうね。」

鳳仙
「ダンナ~、大丈夫~?生きてる~~?」

優太
「もう、生きるのが辛い・・・。」

平山
「まさか・・・ハカセ昨夜はそんなに激しくお楽しみだったのか!!?」

由紀
「は?何の話??」

優太
「何でも無い!!!別に何も無い!!!!オレはもう何一つ隠してない!!!!!!」

平山
「そ、そうだったね!!オレも夢と現実がゴッチャになってたよ!!!」

優太
「そうだぜジョリ!!お前もせっかちさんだなーーー!!そんなこと言ってオレをさらに地獄の淵に追いやろうとするなよーーーーー!!!」

愛依
「あれ、そういえばおねいちゃんは?昨日の夜から姿が見えないんだけど・・・。」

優太
「さあ、オレは知らないけど・・・。(い、言えない。昨夜はオレの部屋に居ました何て!!言ったが最後、さっきより酷い目にあうのは目に見えてるぜ!!)」


「ふぁぁぁああああ。みんな~おはよーーーう。」

愛依
「あ、おねいちゃん。昨日の夜はどこに居たの?」


「え~?うーーーん、そういえば何で私もあそこに居たのか分からないんだけど・・・何かユウちゃんの部屋に居たよ。」



ビシッ!!!と言う何かにヒビが入る音がした。


優太
「な、な~にをおっしゃてるんだ唯ーーー。あそこはオレの部屋じゃないぞ・・・。どっちかって言うとジョリの部屋だぞーー。」


「でも私が寝てた布団・・・って言っても一つしかなかったんだけど、それにユウちゃんのニオイがついてたし・・・何か浴衣も一回着付けしなおしたような後があるんだよねーー。脱いだ記憶とか無いし、何でだろ??」



ブチッ!!!と誰かの頭の血管が切れる音がした。
それと同時に優太の右肩に手が置かれた・・・。
何故かもの凄い力で握りこんできており、払うに払えない。
そして何より・・・背後から半端無い殺気が飛んできて動けなかった・・・。


由紀
「優太~~~。ちょっと話があるんだけどいいかな~~?できれば二人で話がしたいんだけど・・・。」

優太
「えーーーーっと・・・アレだ。今は朝食中だし・・・。」

由紀
「大丈夫だよ~?スグ終わるからーーー。」

優太
「い、いや・・・でもさーーー、オレにも都合と言うものが・・・。」

由紀
「つべこべ言ってねぇで来いっつってんだよ。」

優太
「ぐっ!!格なるうえは・・・!」



優太の輪郭が一瞬ぼやけたと思うと次の瞬間には完全にそこから消えていた。
他の連中は「またか。」と言うような冷めた目で優太の居た場所を眺めていた。


由紀
「野郎・・・『次元跳躍』しやがった・・・。だけどつめが甘いなーーー。私の魔力使ってるんだから、どこに飛んだか何てスグ分かる!!!」



由紀の輪郭もぼけて、どこかへ消えた。
そして何か分からないが悲鳴なのか絶叫なのかそういう類の声とガラスが割れる音がしたのは同時だった。



「みんな朝から元気だね~~。」


「ねえさん。大丈夫ですか?ユータに何か変なことされたんでしょ?」


「え~?特に何されたとか覚えてないけど・・・ユウちゃんと楽しい時間を過ごしたのは覚えてるんだ~。お陰であったかあったか~だったよ~。。」


「・・・。」

千草
「・・・。」

愛依
「・・・。」

鳳仙
「ダンナ・・・死なないでね。」



何はともあれ、二日目の朝が来た。
一名ほど、朝がこなそうな奴が居たが・・・。
それでも朝日は昇る。
本日も快晴、絶好のサバゲー日和だ。
開催は夜だけど・・・。






優太
「と、言うわけで・・・今夜・・・サバゲーを・・・することに・・・ぐふぅ!!!」

由紀
「ゆ、優太!大丈夫!?もう、だから無茶しないでって言ったのに!!」

鳳仙
「え、それを由紀が言うの??」


「全くしょうがないですね、優太さんは・・・。そんな一日に何度も怪我をされていては私の身が持ちませんよ・・・。」

優太
「すまん、蓮。」


「ふぅ。別にいいですけど・・・。こっちに来てください。治癒術をかけて差し上げますから。」

優太
「うーーん。」


「それではまずここに頭を乗せてください。」

優太
「は?何で膝の上に??」


「いいから黙って言うとうりにすればいいんです!」



怪我人を労わってるとは思えないような力で無理矢理にも膝に頭を押し付けられた。
何だかほのかに良いにおいとかがして多少ドギマギカした。
蓮は優太の額に手を当てるとゆっくりと自分の魔力を流し込んだ。
蓮の魔力が全身をめぐり、体を内側から癒してくれる。
ものの数秒で体から痛みが消え、楽になった。


優太
「ありがとな、蓮。大分楽になった。」


「そうですか。それはよかったです。」

由紀
「膝枕する必要性はどれくらいあったの?」


「そうですね・・・優太さんの性的興奮を誘発して、体中の血流をよくして魔力のめぐりをよくするためにはコレがベストかな~と思いまして。」

由紀
「ふ~~ん・・・。(羨ましい・・・。はぁ。)」

優太
「兎に角・・・何か成り行きで依頼を受けることになった!」

千草
「それが『サバゲー』ってわけ?」

優太
「そうだ。」


「チーちゃん、サバゲーってなに??」

千草
「サバイバルゲームの略よ。簡単に言うとエアガン・・・おもちゃの銃で撃ち合いっこしてフラグとかを取り合うゲームかな。」

鳳仙
「でもオレ達そんなの持って無いじゃん。」

すみれ
「それなら問題ありません。」


「すみれちゃん!?どうしてココに?」

すみれ
「細かいことは省きますが、ここは私達のギルド『華々の冠』の経営する旅館の一つなんです。」


「へぇ~。そうだったんだーーー。」

由紀
「問題無いってどういう意味?銃を貸してくれるの?」

すみれ
「そうです。昨夜のうちに手配しておきました。」

優太
「おお、準備がいいな。」

すみれ
「とりあえず今頃は女将が確認してくれてると思うのでみなさん『天元の間』へお越しください。」





女将
「やっぱ銃っていったらガバよねーーーー。このフォルム、この艶、.45ACP弾見ると興奮しすぎてもう夜も眠れなかったよ。」

優太
「ああ・・・うん。そう。」

女将
「さあ、私のコレクションの中から好きなのを持っていきな!!そして『温泉大好き団』をぶっ潰してやろうじゃないか!!あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっはははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!」

すみれ
「女将さん、完全に悪役みたいですよ・・・。」

優太
「と言っても・・・。何を基準に選べばいいんだか、普通は分からなくね?つか、サバゲーのルールだってまともに聞いてないから・・・なおの事簡単に選べねぇよ。」

女将
「今回のサバゲーは殲滅戦だよ。だから単純に弾数で選ぶのが利口だと思うがね。」

優太
「ふーーん、で、ドレが弾数多いんだよ。」

女将
「適当にここらのアサルトライフルでも持ってれば問題無いと思うぞ。」

優太
「そうだな。じゃあ、特に拘らない奴はここらの●製の電動ガンにしとけ。」

千草
「私はやっぱり長物でいくぜ。」

優太
「何だ、千草はスナイパーでもやるのか?まあ、ソッチの方が安定していいと思うけどな。」

千草
「SVDが無いからVSRで我慢するか・・・。」

女将
「ドラグノフを所望とは・・・ア●アの影響かい?」

千草
「言われると思ったーーーーーーーーー!!でも違うんだなーー。前々からドラグノフ縛りで・・・。」

優太
「長いので却下。」

鳳仙
「そういえばサバゲーって肉弾戦はありなの?」

女将
「サバイバルナイフとか銃剣があるくらいだから問題無いと思うけど・・・。あまりオススメしないよ。」

鳳仙
「護身用に一丁は持つけど、基本的に肉弾戦オンリーでいいや。ダンナ、後で体慣らし付き合ってよ。」

優太
「いいぜ。」

由紀
「私こういうの使ったこと無いんだけど大丈夫かな・・・。」

千草
「調度裏が山なんだしみんなで試射も兼ねて練習に行こうぜーー!」


「それはいいね!お弁当持っていこうよーー。」


「トマト持っていっていいかな!?」

千草
「あー、お前等・・・遠足かなんかと勘違いしてないか・・・。」

優太
「別にいいんじゃねぇーーの?元はただの旅行だったんだし。」

かすみ
「じゃあ、私とすみれちゃんでお弁当作ってあげるよ!!」

すみれ
「そうね。みなさんのお弁当は私達に任せてもらいましょうか。」

優太
「マジでいいの?じゃあ、頼むよ。」

由紀
「あ、私も手伝う!」

愛依
「それなら私も手伝います!!」


「本格的にピクニック気分ですね・・・。」

千草
「もう何にでもなれーーーだよ。」

女将
「随分悩んでるんだね、優太。」

優太
「ああ・・・肉弾戦ありならオレもハンドガン一丁でいいかな・・・。」

女将
「なら・・・コレ何てどうだい?」

優太
「え、ガバメントか?」

女将
「私がカスタムした特製ガバメントさ。威力が飛躍的に上がってるし、飛距離も半端無いよ。それとエボニー&アイボリー並みの速射機構も備えてる。」

優太
「おいおい、完全にそれ銃刀法違反に触発するじゃねーか・・・。」

女将
「さらにコイツの凄いところはもう一つ。『フルバースト機構』にある。」

優太
「なにその中二臭いネーミング・・・。」

女将
「試してみるといい。セーフティーを一番下まで下げて、スライド引っ張って・・・。」



言われるままにしてみる。
セーフティーが何故かもう一段階下がった。
そしてスライドを一杯に引き、離す。
ガチャン!!!ともの凄く重い音が響く。


優太
「おいおい、何かスゲェ音したぞ大丈夫かコレ・・・。」

女将
「あそこの松の樹狙っていいよ。折れてもいいから。」

優太
「折れる?バカ言うな・・・いくらなんでもエアガン如きであんな太い松の木が折れる訳無いだろ・・・。」



ガバメントを構え、狙いを定める。
リアサイトを使って大体の狙いをつけて引き金を引く。


ドババババババババババババババババババ!!!!!!!!!!!!!


爆音と共に一瞬のうちに25発のBB弾が射出された。
だがそれが見えた奴は一人も居なかった。
気付いた時には松の樹が狙った所から二つに折れて倒れた。
それと同時に優太の右手もあまりの衝撃に耐えられずビリビリと痺れていた。


女将
「見たかい。コレが秒速183発撃ち出す超カスタム『フルバースト機構』さ。」

優太
「ふざけんなーーーーーーーー!!!テメェ、最初に言えよ衝撃が凄いって!!危うく腕がイカれる所だったわ!!!」

女将
「いや、折っても良いって言ったじゃん。」

優太
「分かるかーーーーーーーーー!!!松が折れる前にオレの腕が折れる所だよ!!!つか、何だよこのふざけたカスタム!!何かガバメントから湯気出ちゃってるんですけど!!」

女将
「そりゃあ秒速183発だからね~。基本は普通のエアコッキングガンだからそりゃあ無茶させたら湯気の一つも吹くよ。」

優太
「いや、普通のエアガンだったら一発でも撃ったら粉砕すると思うんですが・・・。」

女将
「一応魔術的補強を加えてあるからね。それでも連続使用はできない。一回使ったら十分は冷却時間が必要になる。」

優太
「竜撃砲かっつーの・・・。」

千草
「ちなみに竜撃砲は二分です。。」

優太
「そうだったっけ?」

女将
「無理に二回連続で使えばそれこそ銃が粉砕するよ。使い所は見極めることだね。」

優太
「いやいや、流石に生身の人間相手に使える代物じゃないんですが・・・。」

女将
「いや・・・。使わないとならない相手ってのも居るかもしれないからね。」

優太
「はぁ?まあいいや。それより、こんなふざけたカスタムは実銃でやれよ。何でエアガンでやる必要があるんだ・・・。」

女将
「そこにロマンがあるからさね!!」

優太
「うん、良く分かんね・・・。」





「試射するなら専用の施設を貸してやる。」と女将に言われ、優太達は裏手の山を登っていた。
途中、熊に遭遇したり、スズメバチに追いかけられながらもどうにかその施設に辿り着いた。
大分開けた場所で、大量のターゲットがそこら中に設置してある。
小屋のような物まであり、中には弾、ガス、オイル、変えの銃等々が備え付けてある。
むしろコレだけの物揃えるのにどれだけの資金つぎ込んだんだろうか・・・。
考えるだけでちょっと気分が盛り下がった・・・。


優太
「女将の野郎・・・どんだけガンオタだったんだ・・・。」

千草
「いや~流石の私も資金力の差に驚きを隠せないなーーー。コレが世界一のシェアを持つギルドの力か・・・。」

由紀
「それに比べてウチのギルドは有名なのにお金が無いよね・・・。」

鳳仙
「しょうがないよ・・・。何か気付いたら毎回毎回貰いそびれてるんだから・・・。」


「私から父に頼んで再度報酬を要求してみましょうか?」

優太
「いや・・・何かそれは情けないから却下で・・・。」


「あー、でも何かここに来るだけで大分疲れちゃったね。少し休憩しようよ。」

愛依
「確かにちょっとココに来るまでの山道は結構ハードだったかも・・・。」


「私は干からびる寸前なんだが・・・。」

愛依
「ぎゃあああああああああああああああ!!!カナちゃんがミイラになってるーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」


「だ、大丈夫だ~~~。と、トマトがあれば・・・。」

瑠依
「ほら、奏。トマト。」


「・・・。」

愛依
「カナちゃん。トマトだよ。」


「ありがとう愛依ーーーー。」


「分かりやすいね。」

瑠依
「奏は私のことが嫌いなんだーーー。私はこんなにも奏を愛してるのに!!」


「気持ち悪いこと言ってんじゃねぇよ!!!私は別にお前に興味無いっつーの!!私が好きなのは愛依とユー・・・!!」

愛依
「え、ユー・・・何?」


「ユー・・・クリウッド・ヘルサイズってメッチャカワイイと思わなイカ!!?」

千草鳳仙
「「(スゲェ苦しい回避だーーー!!!)」」
優太
「やっぱ奏もそう思うか!!」


「あ、ああ。もう私はユー一筋と言っても過言では無いって言う感じかな!!!」

鳳仙
「何か見てて凄く痛いな・・・。」

千草
「いやいや、アレはアレでカワイイじゃん。」


「ええい!!休んでる暇は無い!!私は練習する!!」

愛依
「あ、私も一緒にやるよーー。」

千草
「とりあえず私は不慣れな連中の指導をするよ。」

鳳仙
「じゃあダンナ、オレと実戦も踏まえた稽古しよう!」

優太
「ああいいぜ。オレも体を慣らしとかないとならないからな。昨日みたくスグバテるのは勘弁だし。」

鳳仙
「よーーし、じゃあ向こうでやろう!!」

優太
「おう。」







優太
「ルールはどうする?無制限か?」

鳳仙
「ダンナ相手に無制限でやったらオレが持たないよ!!」

優太
「それもそうかもな。じゃあ、オレは『龍皇氣』も『銀河力』も使わないでやる。使うのはオレの魔力とコイツらだけでいくぜ。」



そう言うと優太は腰に下げた小さなポーチから長さ80cm弱の長い棒を取り出した。
それは黒く光る鞘に収まった日本刀だった。
まず間違いなく言えるのは・・・この主人公、中二すぎる。


優太
「黙って描写できないのかこの野郎!!日本刀使ってる奴ら全員中二って言ったらジャ●プ作品のキャラクターの何割が中二になるんだよ!!!」

鳳仙
「ダンナ・・・もう天の声にツッコむの止めようよ・・・流石にそのネタ使いすぎだよ。」

優太
「ソレはそうなんだが・・・たまに釘刺さないと絶対調子に乗るパターンだと思うねオレは・・・。」



取り出した日本刀を左腰の専用のホルダーに差し込み、ポケットからさきほど女将から借りたガバメントを取り出し、右手に握りつつ臨戦態勢をとる。
ソレを受けて、鳳仙も両手に専用のグローブをはめて身構える。


優太
「・・・。」

鳳仙
「・・・。」



二人の間に緊張が走った。
そして二人の姿が同時に消えた。
次の瞬間・・・


ドガッ!!!!!!!


二人は元居た位置から数歩進んだ距離で激突していた。
お互いに魔力で肉体を強化しているため、瞬間的な速さは通常の人間を遥かに凌ぐ。
その速度でぶつかったことで大気が震え、周囲に微細な衝撃波が走った。
その衝撃波だけで地面が抉れて飛んだ。


優太
「鳳仙、少し見ない間に結構速くなったじゃないかよ・・・。」

鳳仙
「まあ、体作りは欠かさないからね!!」



先に仕掛けたのは鳳仙だった。
鳳仙は右手を少し後方に引き、若干の溜めを加えてからそれを正面に放った。


鳳仙
「おおっ!!!!」



優太はそれを見てから右に避ける。
そして右手に持つガバメントのトリガーを引く。
女将特製カスタムガバメントの速射はかなりの速度だった。
ていうか完全に機構自体が改良されているようだ。
通常、このエアコッキングガバメントは一発撃つたびにスライドを自分で引かなければ撃てない。
だがこのガバメントはその機構を『引き金を引くだけでスライドが自動的にブローバックする』ように変更改造されてる・・・。
しかもかなり滑らかに。
まあ、どういう原理なのかはサッパリだが・・・。
確かにこれはエボニー&アイボリーを彷彿とさせる速射力だ。


鳳仙
「ぐっ!!」



ほぼ零距離からの連射に鳳仙も回避は間に合わない。
辛うじて寸前に障壁を張るが、悪魔で瞬間的に出したにすぎずほとんど衝撃を殺せなかった。


ドドドドドド!!!!!!


鳳仙
「ぐぶっ!!?」



BB弾とは思えない衝撃が脇腹を打った。
その衝撃で多少姿勢を崩される。
そこへさらに優太は無遠慮に狙ってくる。
ガバメントを口に咥え、空いた右手で日本刀『黒龍』を抜いた。
『黒龍』はその名が示すとおり刀身が完全に黒で塗りつぶされたイラストさん大助かりなデザインをしている。
これは模擬戦なので瞬時に峰が下に来るように持ち直す。
それを鳳仙の足目掛けて左から右へ振りぬく。


鳳仙
「う、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」



が、その足払いは空を切った。
鳳仙は瞬間的に崩れた態勢のまま跳んだのだ。
しかし結局は変な姿勢から跳んだため着地には失敗し、尻餅をついた。
優太は左手に『黒龍』を持ち替え、右手にガバメントを握ると狙いもまともにつけずに連射する。
必然的に狙いは甘く、鳳仙には一発も当たることは無かった。
鳳仙はスグサマ立ち上がると身構えて特攻をかけてきた。
右、左、下、下、上、左。
かなり変則的なジャブの雨を薄皮一枚くらいの感覚で優太は避わしきる。
全て避わしきってから左手に持っていた『黒龍』を下から上に振り上げた。


ゴッ!!


鳳仙
「がっ!!??」



鳳仙の顎へまともに『黒龍』の腹が食い込む。
この一撃により、鳳仙の体は多少打ち上がった。
それだけで鳳仙は脳が揺れ、視界がブレているのが分かった。


優太
「鳳仙。悪いがコレで一本な。」



それだけ言うと、鳳仙の腹にガバメントを向け、トリガーを容赦無く連続で引く。


ドドドドドドドドドド!!!


残っていた十数発のBB弾を鳩尾に至近距離から撃ち込まれた鳳仙は何故か水平に数mほど飛び、そのまま倒れた。


優太
「・・・。あれ?鳳仙?」



反応が無い。
まるで屍のようだ・・・。


優太
「はぁ!!?鳳仙!どうした!!大丈夫か!!」

鳳仙
「ん・・・!」

優太
「お、起きたか?」

鳳仙
「あ・・・れ?オレ、どうしたの?」

優太
「いや・・・ソレに対しては謝る。ごめん。」

鳳仙
「え、何が?」

優太
「多分・・・こう言うことだろう。」



優太はガバメントを構えると、100mは先にあるだろうと言う的目掛けてトリガーを引いた。
すると・・・


ガッァァアアン!!!!!
パァン!!


と金属が凹むような音と、BB弾が砕ける音が同時に聞こえた。


鳳仙
「ダンナ・・・コレって?」

優太
「やっぱりか・・・。威力向上とかってレベルじゃねぇ・・・。すまん。オレは自分の獲物の威力を把握もしないでお前に向けちまった。」

鳳仙
「な、なーーーんだ!!ビックリした!!BB弾くらいで気絶するなんておかしいと思ったんだよ。」

優太
「その・・・大丈夫か鳳仙・・・。」

鳳仙
「全然大丈夫だよ!!むしろ安心した!」

優太
「はぁ?」

鳳仙
「ダンナにはそれくらいのじゃないと割に合わないよ!むしろオレが甘かった・・・。ダンナにあれだけのハンデつけられてるから勝てるとかちょっと夢見ちゃってさ・・・。」

優太
「鳳仙・・・本当に悪い。こんな凶器を平然とお前に向けて無慈悲に撃っちまった・・・。それがスゲェ許せねぇよオレは・・・。」

鳳仙
「い、いいんだよダンナ!!別にオレは何とも無いし・・・。」

優太
「兎に角、蓮に一度診てもらおう!もしかしたら内出血とか酷いかもしれないし・・・!」

鳳仙
「いくらなんでも心配しすぎだよ!!」

優太
「だってお前・・・100m先の鉄板を凹ませる威力だぞ!障壁があったってほとんど意味無かっただろうが!!」

鳳仙
「元々そんな柔な鍛え方してないよ!!」

優太
「・・・でも蓮には診てもらえ?オレが心配なんだよ・・・。」

鳳仙
「だ、ダンナ・・・。う、うん。そこまで言うなら・・・ちょっと行って来る。」

優太
「ああ、そうしてくれ。」

鳳仙
「じゃ、じゃあね!!」



鳳仙は誰が見ても分かるくらい耳まで真っ赤にしながら蓮を探しに行った。
それと同時に千草がコッチに向かって走ってきた。


千草
「ん?どったの鳳仙の奴あんなに真っ赤になって・・・。」

優太
「ああ・・・。オレがちょっと無茶苦茶しちゃってさ・・・。」

千草
「ふ~~ん。まあアレだけ動けるなら問題無いと思うけど・・・。」

優太
「それより何か用か?」

千草
「用ってほどじゃないんだけど・・・。」

優太
「何だ?」

千草
「今回の件だけど妙に話がスムーズって言うのかな・・・。引っかかるんだよ、裏がありそうな気がして。」

優太
「裏ぁ?」

千草
「ちょっと考えると色々とトントン拍子すぎるんだよね。少し警戒した方がいいかもよ?」

優太
「・・・ま、杞憂だと思うぜ。」

千草
「だといいけど。」

由紀
「おーーい!!二人ともーーーー!!」

優太
「何だーー!?」

由紀
「もう、正午だからお昼がてら休憩しよう!」

優太
「おう!!千草、その話はみんなには言うなよ。余計な心配かけるだけだから・・・。」

千草
「そだね。ま、私も怪しいなって思ってるだけだから・・・。今は黙っておくよ。」





優太
「鳳仙、結局大丈夫なのか?」

鳳仙
「うん、全然問題無いよ!!」


「確かに生身の人間だったら確実に内出血だらけになってたでしょうね。でも鳳仙さんは筋肉がありますから、それが防弾チョッキならぬ防弾筋肉になって怪我を最低限に抑えたようです。」

優太
「そうか。ならよかったよ。鳳仙が筋肉馬鹿で・・・。ほら、鳳仙ドンドン食えよ。」

鳳仙
「うん。って、ダンナも食べてよ!オレに盛ってばかりじゃなくてさ!!ていうか筋肉馬鹿ってどういう意味なのかな?」

優太
「この唐揚げ美味いなーーーーーーーーーーーーー!!!」

鳳仙
「無視ですか・・・。」

由紀
「優太どうしたのイキナリ鳳仙に優しくなって・・・。」

優太
「ああ、もうちょっとで鳳仙を傷物にするところだったからさ・・・。」

由紀
「テメェ・・・二人で何してるかと思えば・・・!!!!」

優太
「ちょっ!!違う!!模擬戦闘してたんだよ!!で、鳳仙に酷い怪我させそうになったから責任を感じてだな・・・・!!!」

由紀
「え、そなの?なーーんだ。早く言ってよ。」

優太
「日に日にコイツの暴力の度合いがバイオレンスになっていってるが大丈夫か・・・?」

由紀
「問題無いと思うよ~。」

優太
「大アリだと思う。」


「何かエアガンなんて子供の遊びだと思ってたけどやってみると結構楽しいものだな。」

愛依
「そうだね~。私も的に当たると面白かった。」


「全然的に当たらないんだけどどうしてかな・・・。」

千草
「ま、まあ人には得て不得手があるもんだって。気を落とすなユイチー・・・。午後もう少し私が見てあげるから頑張ろう。」


「うん・・・そうするーー。」

優太
「オレも、もう少しコイツに慣れようと思う。」

千草
「そうだね。何はともあれ自分の獲物の性能くらいは把握した方がいいよ。」

優太
「ああ、もう鳳仙みたいな犠牲者を出さないためにも気合入れて午後は性能実験をするつもりだ。」

鳳仙
「まるでオレが死んだみたいな言い草なのは何故でしょう・・・。」

優太
「兎に角、各自もう少し自分の銃を使い込んで慣れろ!!もう時間はそう無いからな。」







千草
「まだ下にぶれるな・・・。スコープを調整するべきか、HOPを強くするべきか・・・。」


「チーちゃん。マガジンってどれだっけ?」

千草
「ユイチーが右手に持ってる奴。」


「おお、これかーーー!!えっとコレをココにつけて・・・。」

千草
「しっかり奥までグッと差し込むんだよーー。奥が一番敏k・・・って言うのは幻想でしたすんません。。」


「何の話?」

千草
「いや、あんま変なこと吹き込むとまたユウ君にどやされるから聞かんといて。」


「じゃあいいやーー。んしょ・・・。」

千草
「アサルトライフルで精密射撃する必要とか無いから気軽にやるんだよ。数撃ちゃ当たる理論でおk。」


「でもあまり弾も無駄遣いできないよーーー。」

千草
「弾何て腐るほど支給されるから大丈夫だ、問題無い。。」


「そっかーー。じゃあ迷ったらフルオートで乱射してても問題無いのかーーー!!」

千草
「誤って味方に当てないようにねーー。」






「攻めと受けだったら私は受けで良いと思うんですよ。」

由紀
「え・・・、攻めと『守り』だよね?」


「すみません。噛みました。」

由紀
「どこをどう噛んだら守りと受けを間違うんだ・・・。」


「由紀さんはSっぽいですから攻めですかね。」

由紀
「結局そういう話だったんじゃんかよーーーーー!!!別に私Sじゃないもん!!」


「普段の感じから言ってどう考えても・・・。」

由紀
「ほら、誘い受けってのがあるじゃん。あれあれ。。」


「それ・・・違うんじゃないですか?」

由紀
「同義語って奴だよ!!」


「中学生からやり直した方がいいですよ・・・国語能力的な意味で。」





愛依
「カナちゃんは銃の扱いが上手だねーー。どこかでやったことでもあるの?」


「んーー?ああ、まだ一人で賞金稼ぎしてたころに拳銃は良く使ってたんだ。」

愛依
「へぇーー。でも今はほとんどナイフしか使ってないけど何で?」


「いや、単純にあっちの方が軽いし・・・。拳銃って意外と重いからさ、一丁持ち歩くだけでも私の仕事柄上邪魔になりがちだから・・・。」

瑠依
「じゃーあ、私にも手取り足取り銃の扱い教えて欲しいなーーーーーー!!ついでに奏とくんずほぐれつーーーできて一石二鳥だぜ!!!」


「シャーラップ!!お前などお呼びで無いわーーーーーー!!愛依に戻れーーーーーーーーー!!!!」

瑠依
「でも戦闘になったら基本やるのは私だから私がちゃんとできないと自分の身も守れないなーー。この体は一応愛依の体だしなーーー困ったなーーー。。」


「て、テメェ・・・愛依の体を人質に取るなんて卑怯だぞ・・・!!」

瑠依
「人質何て人聞きの悪い。私達は二人で一人なんだから人質も何も無いんだよーー。」


「く、クソ・・・仕方ない、な。教えてやる。」

瑠依
「それでこそ私の奏だーーー!!奏ーーー!愛してるーーーー!!」


「ふぎゃーーーーーーーーーーー!!!寄るなーーーーーーーーーーーー!!教えてはやるが半径10m以内に近付くなーーーーーーーーーー!!!」





鳳仙
「ダンナーーー。」

優太
「何だーー。」

鳳仙
「弾がチャンバーって所に詰まったから取ろうと思って分解したら元に戻せなくなっちゃった・・・。」

優太
「諦めて他の使え・・・。」

鳳仙
「えーーー。この銃小さくて取り回しもいいから気に入ったところだったんだけど・・・。」

優太
「同じの探せばあるんじゃなイカ?小屋にさ。」

鳳仙
「えーー。」

優太
「・・・。」

鳳仙
「えーーー。。」

優太
「・・。」

鳳仙
「ダンナーーーー。」

優太
「・。」

鳳仙
「直して。。」

優太
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ。」





女将
「このルールでやろうってかい?」

すみれ
「はい。それが飲めないなら今回の話は無しだと・・・。」

女将
「ふーーむ、しょうがないね・・・でもコレだと相当時間がかかりそうだね・・・。」

かすみ
「その点は問題無いと思いまーす。お客さんはユウタ君の一行と『温泉大好き団』の方達だけですから」

女将
「確かにお客様に迷惑かけるようなことはなさそうだけど・・・。一層のことイベント形式にしてみるのはどうだい?」

すみれ
「イベント、ですか?」

女将
「ああそうさ。景品とかも用意してさ。」

かすみ
「なるほど、自然とお客も巻き込もうって作戦ですね!!」

女将
「そうさ。こっちの人数も増えるし、悪いことは無いよ。それに・・・アレを覚醒させるには一人でも多くの『温泉力』の使い手が必要になるからね。」

すみれ
「分かりました。では、イベントを開催する手筈は整えておきます。」

女将
「頼んだよ。ふふ、これでまた私達の世界制覇の夢に一歩近付くよ・・・ふふふ、はーーーーーーーーーーーーーーーーーーっははははははははははっはははっはっははははははは!!!!!!!!!!!!!」

すみれかすみ
「「完全に悪役向きだこの人・・・。」」




優太
「さて・・・。そろそろ下山するか。」

鳳仙
「そうだねーー。夜からってことだから早めに帰って少し休もうよ・・・。」

由紀
「汗も結構かいちゃったから早く温泉はいりたい・・・。」


「じゃあ、みんなで洗いっこしようよ!!」

瑠依
「ユイねえ良いこと言った!!奏~隅々まで洗ってあげるからね~~。グヘヘ。。」


「止めろ!!絶対お前の前後には入らないからな!!!」

千草
「結局正確な調整は出来なかったな~~。ま、ちょっと上を狙うようにすれば大丈夫か。」


「早く下りましょう。他の皆さんも流石に帰りが遅いと心配するかもしれませんし。」

優太
「よし!んじゃあ、かなり描写が曖昧で何やってたか全然分からないけど・・・。調整完了ってことで・・・帰るか!!」





大野
「オレって忘れられてたのかな・・・。」

須田
「何だ、イキナリ・・・。」

大野
「第一話以降まるで出番が貰えず、正直何のために登場したのか分からないキャラナンバー1じゃないのかオレ・・・。」

尾崎
「そんなこと無いって!!そんなこと言ったらオレ達男キャラ全員居る意味半分以上無くね?って話に・・・。」

須田
「尾崎、どったの?」

尾崎
「これだ・・・。」

大野
「はぁ?」

尾崎
「これこそ、モブ脱却のチャンス!!!」

須田
「え?今夜八時より、本旅館全面を利用したサバイバルゲームの開催を・・・って、コレがどうかしたの?」

尾崎
「商品!!商品!!!」

大野
「え?優勝したチームには・・・本旅館の誇る秘湯への招待券??」

尾崎
「コレを手に入れて、千草ちゃんを誘うしかない!!そして二人はーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

大野
「おいおい・・・。完全に妄想トリガーがフルバーストしちゃってるよ・・・須田っちどうし・・・」

須田
「尾崎!!やろうぜーーーーーーーーーーー!!!オレも燃えてきたーーーーーーーーーーーー!!!」

大野
「ええーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!???????」

尾崎
「ふふふ、須田っちの目的はオレと同じ・・・分かってるぜ。目標は蓮ちゃんだろう?」

須田
「ははは、尾崎・・・こういう時は何も言わないものだぜ。」

大野
「何を意気投合してるんだこの二人は・・・。」

雄大
「どうしたんだよ、うるせぇぞ。」

大野
「いや、二人してこれ見た途端に興奮しちゃってさ。」

雄大
「サバイバルゲーム・・・商品・・・。秘湯、招待券・・・。」

大野
「まったく、色んな意味で男らしいけど何かオチが見えてるって言うか・・・。」

雄大
「尾崎!須田っち!!オレもやるぜーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

大野
「(本能のままに生きる奴がまだ居たよ・・・。)」

川鍋
「僕も加わっていいかな・・・。」

大野
「鍋ちゃんまでーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!??」

尾崎
「おおぅ!!来い来い!!!そして勝利を手にして、女の子達と夢の混浴タイムを勝ち取ろうぜーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」

雄大川鍋須田
「「「おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
大野
「馬鹿だ・・・馬鹿ばっかりだ・・・。」

駿一
「BB弾って当たったら気持ちいいかな!?お、オレもやろうかな!!」

大野
「もう好きにしろよ・・・。」







カポーーーン。。




優太
「ああ・・・この男だらけの空気、良い・・・。」

平山
「は、ハカセ何言ってるの!?」

駿一
「ついにハカセもオレと同じ境地に辿り着いたってことかな!!?」

優太
「違ぇよばぁか・・・。ああ、でも男だらけってのがこんなに落ち着くなんてオレは始めての体験だねマジで・・・。」

尾崎
「まるで女の子と混浴したらエライ目にあったかのようなことを言うな・・・。」

優太
「遠からず近からずーーー。」

雄大
「梓に手ぇ出してねぇだろうなぁぁあああああああああああああ!!!!?」

優太
「人の彼女に手ぇ出すかぁぁあああああああああああ!!オレはNTRとか大っ嫌いだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

板垣
「ハカセ、そういういかがわしい単語をひょいひょい使うなよ・・・。もっとこう、ランドセル最高!!とかにしろよ・・・。」

優太
「黙れロリコンオヤジ・・・。」

板垣
「ばっ!!違っげぇよ!!!オレはランドセルって言うアイテムが好きなだけで・・・!!」

優太
「小学生が好きってことじゃん・・・。」

川鍋
「僕はやっぱり家庭的で面倒見の良い人が良いと思うけどね。」

大野
「絶滅危惧種だね。」

川鍋
「割りと居るものだよ・・・。」

平山
「別にオレはそういうの今の所興味無いしなーーー。」

尾崎
「高二の夏だったか・・・ジョリ氏の携帯のピクチャ内に巨乳のグラビアアイドルフォルダーが隠しであって・・・。」

平山
「根も葉もないこと言うなっつーーーの!!!」

尾崎
「その中に何か知ってる顔が一人・・・。」

平山
「ひ、人違いだろ!!!!」

優太
「何だジョリも結局は巨乳好きなのか・・・。」

板垣
「ぺたん娘最高・・・。」

優太
「テメェは黙ってろ・・・。」

平山
「ち、違うんだ!!別にそういうのじゃなくて・・・!!」

優太
「別にいいじゃねぇか・・・そういう性癖があっても・・・。」

平山
「そういう変に悟ったような物言い止めてくれないかな!!?」

大野
「そういうハカセはどうなのさ。」

雄大
「お、それは気になるな!!」

板垣
「実はお前もロリコンなんだろ?そういうねんどろいどぺろぺろしてるって噂聞いたぞ?」

優太
「ぺろぺろしてない!!好きな女のタイプ・・・ねぇ。分かんねぇや。」

尾崎
「そういう逃げってよくないぞーーー!!」

優太
「逃げてねぇよ・・・。マジで分かんねぇんだよ。オレ、そういうの考えてきたことほとんど無いから。」

須田
「そうだ!!質問に答えてく感じにすればハカセの性癖が浮き彫りになるんじゃないかな?」

尾崎
「おっ!!それだ!よし、まずは・・・。」

雄大
「小さいのと大きいのどっちが好きですか?」

優太
「何のサイズだよ・・・。」

雄大
「妄想に任せるよ。」

優太
「身長なら少し低いくらいがいいかな・・・。胸なら手に収まるくらいで十分だろ・・・。」

雄大
「誰くらいのが一番いいの?」

優太
「触ったことねぇんだから分かるか。」

全員
「「「「「「「「無いの!!!!??」」」」」」」」

優太
「どう反応していいのオレは・・・。」

平山
「ハカセのことだからふとしたキッカケでボインタッチ何てお手のものだと思ってたよ。」

優太
「あんなの触ったうちに入れられるか・・・。」

全員
「「「「「「「「あるんじゃんかよ!!!!!!!!!!」」」」」」」」

優太
「事故で少し触れただけだぞ・・・サイズまで特定できねぇから普通・・・。」

尾崎
「だ、誰のが一番大きかった・・・はぁはぁ・・・!!」

優太
「どんだけ興奮してるんだよ!!!って言いたいところだが・・・逆の立場なら確かに興奮するな・・・。」

須田
「ど、どうなんだ!!ハカセーーーーーーーーーーー!!!誰が一番大きいんだーーーーーー!!」

優太
「逆に聞くが、誰が一番大きいと思う?」

雄大
「・・・服の上から見てもダントツで鳳仙か?」

尾崎
「いや、ここは千草ちゃんをプッシュするぜ!!」

板垣
「ふん、あんな肉の塊の何がいいんだか・・・。」

優太
「オレも実際は知らないけど・・・。多分、鳳仙、千草、愛依、蓮、由紀、唯、奏の順かな・・・。ああ、でも正直蓮以下は奏以外ほとんど微妙な違いしかないんだよなーー。」

全員
「「「「「「「「お前詳しすぎだろ!!!!」」」」」」」」

須田
「しかし愛依ちゃんってそんなに大きかったのか・・・。」

川鍋
「着痩せする性質なんだよ。きっと。」

大野
「てか完全におっぱい談義になってるけど大丈夫か?」

尾崎
「馬鹿野郎!!!!おっぱいは男のロマンなんだよぉおおおおおおおおおおお!!!!!」

大野
「いや、分からないでも無いけどそんな熱く語られると引くわ・・・。」

駿一
「キツイ娘と優しい娘だったらどっちがいい!!?オレはキツイ娘だあああああああああああああああああダントツでーーーーーーーーーーーー!!!」

大野
「路線を戻してくれたのは助かったけど勝手にエクスタシーモードになるのは止めてくれ・・・。」

優太
「そりゃあ優しい方がいいけど・・・周りに純粋に優しい奴って居ないから高望みのしすぎだぜ・・・。」

尾崎
「同時に何人までさばける自信がありますか!!?」

優太
「どう考えても二人までだろ・・・。三人以上何てどうやんの?」

須田
「そういうの見て参考にすれば?」

優太
「いや・・・普通に考えろ。そういうことをしたら確実に人生真っ暗になるぞ。」

全員
「「「「「「「「ですよねーーーーーーーーーー。。」」」」」」」」





カポーーーーーーン。。




由紀
「何か向こうは向こうで賑やかだね~。何かおっぱいおっぱいとか、その他いかがわしいワードが終始聞こえてくる気がするけど・・・。」

千草
「いいじゃん、みんな男なんだからさーー。それより、混ざりたいのか~?転姦されるだけだと思うよーー。」

由紀
「あ、アイツらにそんな度胸があるとは思わないけどね!」


「まわすって何?」

愛依
「お、おねえちゃんは知らなくても大丈夫だよ~~。」


「???」


「でもこうやって大人数で入るのも悪くないかも・・・。」


「昔はメチャクチャ恥ずかしがってたくせに・・・ぷぷぷ。。」


「む、昔は昔だろ!!」


「そう言えばみなさんと一緒に入るのは初めてですね。」


「まあクラスが全然違ったから修学旅行とかでもお風呂は違う時間だったものね。」


「私達はまず学年が違うし・・・。」


「別に私達は同じクラスだから問題無いだろ。」

瑠依
「そうそう!!今年はまた一緒にお風呂に入れるよおお!!私的にはまさに天国なんだが!!」


「モノホンの天国へ送ってやろうか・・・。」

瑠依
「キャッホウ!!そいつは流石に勘弁だぜ!!!」

千草
「しかしこれだけ女の子が集まって何もしないのって何か申し訳なくなイカ?」


「と、言いますと?」

千草
「おっぱい談義でもするか。」

由紀
「女の子同士で!!?誰が喜ぶのよ!!」

千草
「いやいやそういうニーズが多い世の中だから・・・。」

由紀
「ああ・・・世界ってかなり穢れてるんだね。」

鳳仙
「そういうのはもういいよーー。昨日したばかりじゃん・・・。」

千草
「いやいや・・・昨日とは違うことが一つあるぞ鳳仙・・・。」

鳳仙
「何だよ・・・。」

千草
「私達以外にもたくさんの女の子が居るじゃなイカーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!ここはサービスサービスするところなの!!決定事項なの!!」

鳳仙
「サービスならお前一人でやってろよ・・・。オレは別に興味な・・・」

千草
「いやしかし・・・コレだけの数を集めても鳳仙を超えるサイズの持ち主は現れなかったな・・・。」


「うちの澪もかなりの物だと自負してきたが・・・負けたぜ。」

鳳仙
「「勝手に比べるなぁぁぁぁああああああああああああ!!!!!!!!」」

「やっぱり男の人って大きい方が好きなのかな~?」

千草
「一般的にはそういう人の方が多いかもしれないが・・・小さいのしか愛せない異常性癖の人も居るから心配しなくても大丈夫よ!!特に奏っちゃんと梓ちゃん!!」


「「せ、成長途中なんだよ!!これから大きくなるの!!!」」

「そういえばまた愛依は大きくなったんじゃないの~?」

愛依
「えぇっ!!?イキナリ何言い出すのおねいちゃん!!」


「まあ私が責任を持って管理してますので!!」

愛依
「そこは自信持っていうところじゃないよね!!て言うか管理ってどういう意味かな!!?」


「そりゃあ普段からスキンシップを装って愛依のおっぱいをモミモミすることだが・・・。」

愛依
「べ、別に私はそういうの頼んでないんだけどな~~。」


「いいんだよーーー!!私がしたいんだよーーーーーーー!!愛依ーーーーーーーーー!!!」

愛依
「いやぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!!!!」


「何してるんだか・・・。」


「じゃあ、あずにゃんのは私が管理しようかなーー。」


「はぁああああ!!?何言い出してるんですかイキナリ!!」


「いやいや・・・何かこう『あずにゃんをかまえーーー。。』と言う天の声を受信しただけだよ~~。」


「変な毒電波受信しないでくださいよ!!!」


「問答無用ーーーーーー!!あっっずにゃーーーーーーーーーーーーーーん!!!」


「ニャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」


「こ、コレはコレでありかもしれないわね・・・。梓ちゃんあんなに喜んで・・・じゅるり。。」

千草
「お、ムギムギ分かってるね~~。あ、それとよだれ垂れそうだから。」

由紀
「あのさ、蓮ちゃんって何かしてるの?」


「何かって何ですか?」

由紀
「いや・・・何でお菓子食べて本読んでるだけなのにそんなに凹凸が激しいのかと・・・。」


「いやいや、ほとんど由紀さんと変わらないじゃないですか・・・。違っても数cmくらいだと思いますよ?」

由紀
「数cmの違いってのが重要なんだよ!!」


「こういうのって求めてる人の所には来ないものなんですよね・・・。」

由紀
「そういうこと言うの止めてーーーーーーーー!!何か努力してる自分が馬鹿みたいだからーーーーーー!!」


「でも、そうですね~。やっぱり適度な運動とかしてれば自然と・・・。」

由紀
「いやいやそれは完全にダイエットとかの話だから・・・。」

鳳仙
「オレも特に何もしてないな~。」


「強いて言うなら牛乳は毎日欠かさずに飲みますね。」

鳳仙
「そう言えばオレも朝の牛乳に始まり、寝る前にホットミルクで閉めるな。」

由紀
「結局、『乳』製品が勝利の鍵ってことか!!?」

鳳仙
「「いや、違うと思う。。」」
由紀
「ですよねーー。」





優太
「は?何でお前等が今夜のサバゲーのこと知ってるんだ?」

尾崎
「え、ハカセは知ってたの!?」

優太
「まあな。」

須田
「商品のことも!?」

優太
「商品?そんなのでるのか??」

尾崎
「うん。何かそんなの出るらしいよ!」

優太
「ふーーん。どうせティッシュとかってオチじゃないのか?」

須田
「違うよ!!混浴券だよ!!!」

優太
「はぁ~?」

尾崎
「ば、それは言っちゃダメだろ須田っち!!」

優太
「って・・・混浴なんて七時半から自動的になるんだから適当にその時間にでも入ればいいじゃないかよ。」

尾崎須田
「「そんな度胸がオレ達にあると思うなーーーーーーーーーーー!!!!」」
優太
「いやいや、そんな胸を張られて言われても・・・。つか、その原理でいくとどの道誘えないだろ・・・。」

雄大尾崎川鍋須田
「「「「あっ!!!!!!」」」」
優太
「考えてなかったのか・・・・・。つか、雄大に鍋ちゃんまで・・・。」

雄大
「う、うっせぇな!!別に少しくらい夢見たっていいだろ!!」

川鍋
「べ、別に下心があったわけじゃないんだ!!単なる知的好奇心がだね・・・!!」

優太
「はいはい・・・。ま、それなら話が早いや。お前等全員オレのチームに入れよ。そうしたら、オレが変わりに話を通してやっても・・・」

雄大尾崎川鍋須田
「「「「是非ともお願い申し上げます!!!!!」」」」
優太
「おいちょっと待て雄大・・・お前は自分で頼めよ・・・。」

雄大
「はぁっ!!?無茶言わんといて!!」

優太
「オレに誘われて梓が来ると思うか?つか、来たらどうするんだ・・・。」

雄大
「とりあえずハカセをボコボコに・・・。」

優太
「百害あって一理無しかよ!!!!なおの事嫌だよ!!!」

平山
「へぇー。何か面白そうなイベントがあるんだな。オレもやろうかな・・・。」

尾崎
「正直に目的は鳳仙氏との混浴と言っちゃえよ。。」

平山
「お前等と一緒にするなーーーーーーーーーー!!!でもちょっぴり入りたいかもーーーーーーーー!!!オレはどうすればいいんだーーーーーーーーーーー!!!!!」

優太
「参加すればいいと思うよ。」

平山
「ま、ハカセにそこまで言われちゃあ参加しない手は無いな!!目指せ混浴!!!」

優太
「お前も結局ソレが目的なんじゃないかよ・・・。」

大野
「しゃーない・・・オレも一人で部屋待機も暇だし、参加するか。」

駿一
「ハカセハカセ!!BB弾って当たると痛いの!!?痛いんならやっぱりオレも・・・」

優太
「自分で試して見やがれ・・・。」



優太はどこから取り出したのかガバメントを右手に握ると、情け容赦の無い連速射をかなりの至近距離から駿一の体にまんべんなく撃ち込んであげた。。


駿一
「あ、あああああああああああああああああああああああ!!!!!!!スゲェ痛いぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!でも気持ちぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!オレも出るーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

優太
「流石は駿一・・・打たれ強さだけなら多分人類最強かもしれない・・・・・。」

尾崎
「おっしゃーーーーーーーー!!テンション上がってきたところで作戦たてに行こうぜ!!!」

優太
「作戦か・・・確かにそういうのも必要かもしれない。よし、風呂上がったらオレの部屋で作戦会議だ!!」



千草
『その会議私達も出るかんねーーーーーーーーーー!!!!』



優太
「おぅ!!待ってる!」

大野
「て言うか、このレベルの声音で向こう側に聞こえてたってことはほとんど全部筒抜けなんじゃね?」

全員
「「「「「「「「あ・・・・・・・・・。」」」」」」」」

優太
「千草ーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」



千草
『何ーーーーーーーーー!!?』



優太
「ぶっちゃけどこまで聞こえてたーーーーーーー!!?」



千草
『ユウ君達が男だって分かったーーーーーーーーー!!!』



優太
「筒抜けでした。。」

尾崎
「オレの人生終わったーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

優太
「ま、アイツらはこの程度で白い目を向けてくるような連中じゃないから多分大丈夫だと思うぞーー。」



千草
『そだぞーーーーーーーーーーーー!!気にするなーーーーーーーー!!男だったらデッケェ夢の一つみるのは当たり前だーーーーーーー!!!』



尾崎
「流石はマイエンジェル!!!心の広さはパンドラの箱のようだ!!!」

大野
「いやいや例えがまったく分からねぇから・・・。」

雄大
「そういえば銃はどうするんだ?」

須田
「チラシの下に貸し出してくれるって書いてあったよ。」

尾崎
「今更だけどさ・・・銃使い慣れてる人ーーー。」



『・・・・・・・・。』


尾崎
「先行きが不安だ・・・。」

優太
「そんなの始まる前から分かってたことだろ・・・。」

大野
「本当にこんなグダグダで大丈夫か?」

優太
「大丈夫だ、問題無い!!オレを誰だと思ってやがる!!」

平山
「いや、ハカセ一人だけ凄くてもしょうがないんだけど・・・。」

優太
「ですよねーーーー。。」







優太
「このおにぎりも鰹だった・・・。梅干はどこにあるんだーーーーーーーーー!!!!!」


「あれ・・・また梅干だ・・・。」

愛依
「あ、おにいちゃん。カナちゃんが梅干だったみたいだよ。交換してもらえば?」


「え゛え゛っ!!!!!?でもコレ口つけ・・・!!」

優太
「マジでか!?奏!是非交換してください!!」


「え・・・あ、うん。」

優太
「わーーい。やっぱおにぎりは梅干だよねーーー!!」


「・・・(あの野郎、私が口つけてる物を平然と食ってやがる・・・何か反応は無いのか・・・。)」

愛依
「良かったねカナちゃん。」


「別に・・・。ユータはなんともなさそうだぞ。て言うかこのネタ二回目だけど大丈夫か?」

愛依
「問題無いよ。ほら、一円に笑うものは一円に泣くって言うじゃない?何事も積み重ねが大事だとエライ人は言いたいんだよ~。」


「これ本当に積み重ねた先に何か実を結ぶのか・・・?」

すみれ
「皆さん、申し訳ありません。今夜のイベントの準備に手間取ってしまい夕食がこんな物になってしまい。」

雄大
「いえいえ、美味しいから問題無いですよ。」

大野
「確かにコレはいいものだ。」


「おふくろの味って奴ですね。」

由紀
「実は私も作るの手伝いました!!」

優太
「ああ、だから見慣れたようなおにぎりが混ざってたのか・・・。」

由紀
「え、分かるの?」

優太
「当たり前だろ。お前の握ったのくらいは分かるつもりさ。例えば・・・コレは由紀が握った奴だな。」

由紀
「う、うん。そうだよ。」

優太
「うん。美味い。やっぱりお前の料理が一番だよ。」

由紀
「優太・・・ありがと。」

優太
「(ふぅ・・・たまにこうやって機嫌を取っとけば暴走しないでくれるからな。ここは稼いでおこう。)」

由紀
「まだあるから一杯食べてね。と言うか食べさせてあげようか?はい、あーーん。」

優太
「おい、なにその流れ・・・コレは流石に予想の斜め上を・・・」

由紀
「はいはい、黙って食べましょうねーー。」

川鍋
「(へぇーー、コレが由紀さんの作ったヤツねーー。よく分かるものだな・・・。)」

鳳仙
「それよりダンナ、作戦会議って言ってたけど・・・。」

優太
「ふぁ?あーー、そうふぁばったな!」

由紀
「もう、優太ってば・・・飲み込んでから話せばいいのに・・・。」

優太
「お前が詰め込んできたんだろうが!!!」

由紀
「だって・・・優太との触れ合いが最近暴力的なことしかなかったから私も寂しかったんだもん!!」

優太
「そうやって自覚してるなら頼むから次回以降は暴力の加減をしてください。」

鳳仙
「そういえば詳しいルールについて何も聞いてないけど・・・。」

すみれ
「あ、それは私から説明します。」

優太
「何だルール決まったのか?」

すみれ
「ええ。先方からの要望で・・・今回は『殲滅戦』なんですが、ライフ制にしたいそうです。」

尾崎
「ライフって・・・体力値みたいなのがあるってこと?」

すみれ
「はい。こちらで用意させてもらいましたこの腕章をつけて貰えばその中央にライフが表示されます。」


「なるほど。これでチーム分けもするわけですか。」

すみれ
「そうです。私達のチームは青、相手が赤です。」

鳳仙
「えっと、こうかな?あ、出てきた。『20322』?エラク半端な数字だな。」

尾崎
「オレは『2442』だ。」


「私は『3701』・・・。みんなバラバラなんだね。どうして?」

すみれ
「それはその人の潜在的な能力を総合して数字が算出されるんです。なのでその数値が高い人ほど強い潜在能力を持ってるってことになります。」

由紀
「じゃあ優太が一番高くなるんじゃないの?」

優太
「そうなるのか?」


「優太さんはどう考えても一番この中で特異能力持ちすぎですから・・・。」

優太
「そんなものかね~。『58021』だ。」

鳳仙
「オレと二倍以上の差!!?そ、そんなに高い壁があったなんて・・・。」

すみれ
「平均すると常人なら3000前後が普通ですね。5000を超えると普通やや上、10000を超えるとかなりの実力者の証ですから気にしなくても大丈夫だと思いますよ。と言うか20000超えの人はそうそう居るものでは・・・。」

駿一
「『99999』?あれ、カンストしたよ?」

すみれ
「えーーーーっと・・・何の冗談ですか?」

駿一
「いや、本当にコレ以上上がらないんだよ。」

すみれ
「ま、まあ上限は『99999』なので当たり前ですが・・・コレは一体・・・。」

優太
「きっと駿一の打たれ強さから叩き出された数字だ!!コイツの打たれ強さはこの中の誰よりも強いってことだ!!」

鳳仙
「お、オレは駿一以下・・・・。」


「ほぅ、HEN★TAIクソ虫野郎だと思ってたが・・・やる時はやるんだな。」

駿一
「あっはーーーーーーーーーーー!!何かなじられたーーーーーー!!!コイツは快感だーーーーーーーー!!!」


「どうしようもないですね・・・。」

優太
「とりあえずシステムは理解した。すみれ、ルール説明続けてくれ。」

すみれ
「あ、はい。ライフ制と言うことなので基本的に一発当たって死んだりはしません。ライフの続く限りはゲームへ参加することができます。」

千草
「考えようによってはメンドウな話だね。通常、一発でケリがつくところをまともに戦闘しないとならないんでしょ?」

すみれ
「そうなります。ライフはさっき説明したとおりその人の潜在能力によって算出されるので、強い人はそれなりにライフが多いことになります。なのでそれだけ手強いということになります。」

優太
「じゃあ適当にやっても弱い奴が強い奴に勝つにはそれなりの戦術が要求される訳か・・・どう考えてもそんなことは初心者には無理だからチーム分けも考えないととならないな。」

雄大
「チーム?」

優太
「いやさ、一人一人で動くよりある程度複数人で動いた方が効率いいかな~とか思ったんだけど・・・。このルールじゃあこのチーム分けは必須だ。戦力分散が上手くいかないとまず弱いところから瞬殺される。」

千草
「そうだね。なによりこっちは初心者ばかりだし、頭数が少ないんだ。一人でも欠けたら命取りかも・・・。」

須田
「そういえば敵さんはどれくらい居るの?」

優太
「雑魚含めて千人くらいだったな。」

すみれ
「ええ、それくらいはいますね。」

大野
「デバックしなさすぎじゃないのいくらなんでも!!バグだらけじゃん!!!」

優太
「クソゲーオブザイヤーにでも投稿するか?」

すみれ
「まあそんな冗談はさておきですね、このライフですが回復することもできます。」


「さらにメンドウなことになりましたね。良さそうに見えて全然プラスに働いていないですよそのルール。向こうも回復できるってことですからね。」

すみれ
「ご安心を。回復できる場所と言うのが限られています。」

優太
「ふーーん。まあどこでも回復できたら話しにならないからな・・・。」

すみれ
「さらに回復ポイントにはもう一つ重要な取り決めがあります。それは一度取った回復ポイントを全部取られた時点で敗北になってしまうと言うことです。」

鳳仙
「何で?」

すみれ
「単に『殲滅戦』にすると時間がかかってしまうので、その配慮だと思います。」

由紀
「へぇ~。じゃあ回復ポイントはできるだけ最初に多く取っといた方が良いんだ。ポイントになる場所は決まってるの?」

すみれ
「私達もまだその回復ポイントがどこになるかは分かりません。開始前にくじとかで決めるとか言ってましたが・・・。」

優太
「そういえばスタート地点みたいなのは決まってるのか?」

すみれ
「私達はここからです。敵も自分の部屋からスタートになります。」

優太
「じゃあくじで相手のスタート付近にポイントが寄らないことを祈るしかないか・・・。」

すみれ
「それも含めて運任せですね。」

由紀
「弾の補給はどうしたらいいいのかな?」

すみれ
「基本的には回復ポイントに設置されますし、時間になればこの部屋にも設置されます。なので弾の補給は回復ポイントやこの陣地で自分で補給してもらう形になります。」

由紀
「ふーーん。じゃあなおの事回復ポイントの先行奪取は重要だね。」

すみれ
「他にも細々とルールはあるんですが言っておかなければならないルールは以上ですね。」


「そういえばライフが尽きた奴はどうすればいいんだ?」

すみれ
「基本的にライフが0になるとソレを知らせるブザーが鳴ります。そうしたらスタート地点か自軍の回復ポイントのいづれか近い方に自分から戻ってもらいます。」

千草
「ゾンビ対策って奴ね。」

すみれ
「そうです。この音が鳴った時点でその人はゲーム終了。所定の場所に戻れば音が鳴り終わり、腕章が自動的に外れます。後は適当に仲間を応援するしかないですね。」

鳳仙
「回復はありだけど、復活はできないんだ。」

すみれ
「そのルールをアリにすると決着がつきませんからね。」

優太
「それはそうだな・・・。そういえば無線機みたいなのは貸し出ししてくれるの?携帯だとメンドウだし・・・。」

すみれ
「それは問題ありませんよ。誰でも使えるような簡単無線機をお貸しします。無線機ごとの番号が振られてますからその番号を押してもらえば繋がりますよ。」

優太
「おお、確かに簡単そう。でも誰が何番だか覚えないとならないのがメンドウだな・・・。」

すみれ
「そこら辺は頑張ってください。」

優太
「よし、じゃあルールも理解したところでチーム分けでもするか!」





優太
「じゃあまず回復ポイント奪取斑から、鳳仙をリーダーに板垣、おっちゃん、ジョリの第一斑と、奏をリーダーに雄大、梓、律の第二班。合計二斑な。」

千草
「奏っちゃんのチームが凄く不安なんですが!」

優太
「いや、問題無い。雄大が一人で張り切ってくれるさ!!」

雄大
「そんな期待されても困るんだけど!!!」


「先輩、よろしくお願いします。」

雄大
「おお!!任せておけ!!オレの背後に立った奴は瞬殺してやるぜ!!」


「おーおー、頼もしいこって。」


「梓、心配するな。私もお前を守るつもりだから。」


「うん。期待してるね。」

鳳仙
「ダンナ。コッチのチーム走るの遅そうなのが一名居るんだけど。」

板垣
「ほら、ジョリ言われてっぞ!!」

平山
「確実にお前のことだろ!!!」

優太
「大丈夫だ。みんなちゃんと体力だけならある奴だから!!」

鳳仙
「うーーん。まあダンナがそう言うならやってみるよ。」

大野
「ジョリ、頑張って守ってやらないとな!!」

平山
「むしろ守られちゃったりしてな!!」

鳳仙
「おいおい、ちゃんと頑張ってくれよなーーー。」

優太
「よし、次!諜報斑。まあ、敵の情報を入手したり敵を影から撃破したり、仲間のサポートをするのが主な役回りだな・・・。千草をリーダーに、愛依、尾崎、須田の第三班」

千草
「まあ何とかするか・・・隠密って言うなら奏っちゃんが欲しかったな・・・。」

尾崎
「オレが頑張るから!!」

千草
「うーーん、まあ期待してた。」

尾崎
「何故過去形!!?」

優太
「次に遊撃斑。主に敵と交戦する斑な。状況に応じて他の斑をサポートしたりもする。女将をリーダーに、すみれ、かすみ、木村さんの第四班。オレをリーダーに、駿一との第五班。」

駿一
「あれ、何でオレとハカセの斑だけ二人?」

優太
「いや、お前を有効活用するには他に人が居ると・・・。」

駿一
「何だか分からないけど興奮するぜ!!!」

優太
「ああ、多分終わる前にお前は悶え死ぬかもしれないな・・・。」

駿一
「い、一体どんなことしてくれるんですかぁぁぁぁああああああ!!」

優太
「後のお楽しみでーーす。」

尾崎
「つか、木村さんて誰だ?」

優太
「気にするな。オレも何で参加してんだか分かんねぇんだから・・・。」

尾崎
「そうかーー。でも会うのが楽しみだなーーー。」

優太
「最後に救護班。基本的に他の斑に補給物資を届けたり、回復ポイントに在住して仲間のサポートをする。蓮をリーダーに、由紀、唯、澪、ムギ、鍋ちゃんの第六班。」


「分かりました。連絡頂ければどんな所でも即配達させていただきます。」


「何だかもの凄く不安なんだけど・・・ていうか私参加しなくちゃダメなの!?何か勝手に参加するみたいな空気になってるけど・・・。」


「やってるうちに楽しくなるよーーー。私も的に当たると面白いなーって思ったし。」


「いや、当てるのはいいけど・・・当たるのは・・・痛いのやだな・・・。」

川鍋
「由紀さん。始まる前に少し使い方教えて欲しいんだけど・・・。」

由紀
「とりあえずセーフティーを解除して・・・。」

川鍋
「ふんふん。」

由紀
「スライドを引いて、後は目標に向かって撃つ。」



ボン!!


駿一
「くっはぁぁっぁあああああああああああんん!!!!」

川鍋
「駿一君、嬉しそうだね。」

由紀
「ほら、川鍋君もやってみなよ。駿一君になら何発撃ち込んでも大丈夫だから!」

川鍋
「そうだね。じゃあ遠慮なく・・・。」

尾崎
「あ、じゃあオレも。」

須田
「オレも。」

大野
「よし、オレも。」

雄大
「平成のゴルゴを目指して・・・。」

平山
「えーーと、このトリガーを引けばいいんだな。」

板垣
「この人数で撃ったら流石に駿一死ぬんじゃね?」

雄大大野尾崎川鍋須田平山
「「「「「「大丈夫だ、問題無い。」」」」」」


ボボボボボボボボボオボボボボボッボボボボボボボボボボボボボ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


駿一
「あばあばばあばあばあばばばばばばばばばあああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!ここは・・・ここは・・・・!!天国ですかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!???

優太
「いや、全然違うからね。て言うかオチが前回と被ってるんだけど大丈夫か?それとこの『大丈夫か?』も定番化しすぎだと思うんだけど・・・。」

すみれ
「全部含めて『問題無い』です。ユウタさんは色んなお友達がいらっしゃるんですね。」

優太
「駿一を友達かって言われるとたまに違いますって言いたくなるけどな。」

すみれ
「その気持ち、何だかもの凄くよく分かります。」





雪徒
エアガンは無抵抗の人に向けて絶対撃っちゃダメだぞ!!て言うか抵抗してきても人に向けるのはサバゲーとかそういう一部の状況を除いてやっちゃならんよ!!例え相手がドMのHEN★TAIさんでもな!!まあこんな事言わなくてもみんなは現実と空想の区別くらいついてるだろうから問題無いと思うけどね。じゃ、また次回!!」







優太
「いいか。最後にもう一回確認するぞ・・・。HP(回復ポイント)が決まった時点で行動を開始する。近場のHP目指してHP奪還斑の二班と救護斑で特攻をかけて、まずそこをオレ達の物にする。コレが第一の目標。」

鳳仙
「後はどれだけ近場にHPが配置されるか・・・。」

優太
「そうだな。でも、それは始まってからじゃないと分からない。だからそこら辺は考えなくていい。」

千草
「そんで遊撃斑と諜報斑で敵をひきつけるんだよね?」

優太
「そうだ。敵をHPに近づけないためにな。」

由紀
「そう言えば女将さん達は?」

優太
「何か開始の合図をするから最初は別行動だ。」



ザザッ・・・ザーーーーーーーーーー


女将
『あーーー、あーーー。本日も晴天なりーーー、マイテス、マイテス!!』

優太
「おっ、始まった。」

女将
『今、HPが決まった。手元の案内を見な。』


「はいはい、みんなコレに注目だよ~~。」

女将
『まず、「厨房」。』

由紀
「遠っ!!!離れじゃん・・・。でも相手からも遠いな。調度真ん中辺りだね。」

優太
「他のを聞いてからココを取るか決めよう。」

女将
『次に・・・「トラブリュ~の間」。』

尾崎
「最近ダークネス始まったよね!!」

千草
「あれ、面白いよね!!」

尾崎千草
「「エロくて!!!」」
優太
「そんなどうでもいいネタは置いとけ~~。ココは結構近いぞ。コレは取りに行こう。」

鳳仙
「分かった。」


「ん。」

女将
『次に・・・「親鸞の間」。』

雄大
「これまた離れ・・・。真ん中だ・・・。」

優太
「コレは最後に決めよう。」

女将
『最後に、「明星の間」。』

愛依
「あーー、コレは敵側だね。」

優太
「最後ってことはHPは全部で四つ。その内二つが離れ・・・。」

平山
「どうするの?ハカセ。」

優太
「よし・・・。HPは多い方がいいに決まってるんだ。離れのは全部オレ達が取るぞ。」

川鍋
「でも、敵も同じことを考えるんじゃないかな?」

優太
「なら、離れに行く道をしばらく死守すればいいんだ。遊撃斑は離れに繋がる二つの渡り廊下を死守。諜報斑はHP奪取斑と救護班の援護。コレで最初は行くぞ!」

女将
『HPが決まったところで・・・そろそろ始めたいと思う。』

鳳仙
「お、始まるみたいだよ。」

優太
「みんな、弾はちゃんと込めたか?マガジン持ったか?ローダーに変えの弾入ってるんだろうな?」

全員
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「大丈夫だ、問題無い!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

優太
「よし、気持ち悪いくらいピッタリハモってくれたところで行くとするか・・・。」

女将
『さてさて・・・みな、自分の中に眠る闘争本能を抑えるのがやっとだと思う・・・。』

優太
「いやいや、それはお前だけだろ・・・。」

鳳仙
「うおおおおおお!!!燃えてきたぜーーーーーーーー!!!」

優太
「ココにも馬鹿が居たーーーーーー。」

女将
『もうここまで来たら言葉は要らないね・・・自分の本能が赴くままに敵を倒して倒して倒しまくれ!!!!!!最後に立ってた奴が勝者だ!!!』

雄大
「何だか年甲斐もなく興奮してきたぜ・・・。」

尾崎
「雄大も?実はオレもなんだ。」

駿一
「痛いの痛いの・・・飛び込んでおいでーーーーーーーーーー!!!!」

雄大尾崎
「「いや、お前それは違う興奮だと思う。」」
女将
『それじゃあ・・・行くよ!!今宵は存分に楽しもうじゃないか!オペレーション・・・スターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーート!!!!!!!!!

優太
「アイツ完全にコレが言いたかっただけだーーーーーーーーー!!」

鳳仙
「ダンナ!!そんなことより、号令!」

優太
「え、ああ。ちょっと腰を砕かれたが、やることは変わらない!みんな、教えてやろうぜ。どこの誰に喧嘩を売ったのかをな!!!」

全員
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

優太
「よし、行くぞ・・・!まずはHPを取りに行く!!オレに続け!!!」





???
「おい、オレの出番はまだか?」

??
「勘弁してください。貴方がこんな序盤から暴れたら相手が可哀想だ。」

???
「そうですね。まずは雑魚に様子を見させましょう。それから強い奴とだけ戦えばいいと思いますがね。」

???
「そうは言うが・・・感じるんだ。」

??
「何をですか?」

???
「今までに会ったことの無いようなタイプの闘気・・・コイツは楽しいサバゲーになりそうだな。」


「まぁたガバルさんの悪ぃ癖が出たぜぇ?どうするよ・・・。」

??
「構うな。私達は私達でやればいいさ。」

ガバル
「今日は久しぶりにコイツらが使えそうだ・・・。ふふふ、まさかこんな東の国でここまで凄い闘気の持ち主に巡り会えるとは・・・オレもついてるな。」





優太
「おい、聞こえるか女将。」

女将
『ああ、ばっちりさ。』

優太
「離れのHP奪取の鍵はオレ達が敵をどれだけ足止めできるかにかかってる。暴れるぞ・・・。」

女将
『言われなくても分かってるよ。』

優太
「頼むぜ。」

駿一
「ハカセ、離れにもやっぱ敵が居たみたいだけど・・・どうにかなるレベルだから気にするなだって。」

優太
「そうか。・・・っと、追いでなすったみたいだぜ。」



廊下の左右から足音が聞こえる・・・。
一人二人じゃない。明らかに十人単位だ。
しかし気配を殺さない辺り、雑魚だということは予想がついた。


優太
「女将。最後に一つ聞きたい。」

女将
『なんだい?』

優太
「『魔術』の使用は可か?」

女将
『基本的に何でもありさ。でも、一般人も居るからそこら辺は注意するようにって相手には言ってある。』

優太
「そうか。じゃあ、オレ達は何も考えなくていいな。」

女将
『ま、相手は全員魔法界の奴らだからね。』

優太
「じゃあ、切るぞ。何かあったらそのつど連絡する。」

女将
『分かった。武運を祈る。』

優太
「ああ、そっちもな。」



優太は無線を切ってポケットにしまうと左手にガバメントを握る。
そしてセーフティーを外すとソレを廊下の左側へ向ける。
逆に右手に『黒龍』を握ると、それは廊下の右側に向けた。


優太
「駿一。準備はいいな。」

駿一
「いつでも当たる準備はできてます!!」

優太
「そっちの準備じゃないんだが・・・。ま、いいや。始めるか・・・まずは、ここを死守する!!!!駿一!!お前は左側だ!!!オレが右を受け持つ!!」



その言葉を合図に、左手のガバメントからBB弾が乱射される。
狙いはつけていないが壁や天井を跳ね回り、敵に四方八方から弾が襲い掛かった。
右手の『黒龍』を振りかぶり、上から下に振り抜く。
すると刀身から黒い真空の刃が出現し、敵の軍勢に向かって飛んでいった。
それだけで脱落を知らせる腕章のブザー音が旅館中にいくつも響き渡った。


優太
「何だ、あの程度で脱落かよ。こりゃあ、雑魚は大したこと無いかもな。」

駿一
「ハカセが張った弾幕のお陰で左の敵も警戒してるから狙い放題だ!!でも・・・オレは攻めるより攻められる方が良いんだけどな~~。」

優太
「あとで好きなだけそういう状況にしてやるから今は黙って左側の敵を迎え撃て!!」

駿一
「マジですか!!!頑張ります!」

優太
「さぁて・・・ここを通りたければ、オレ達を越えていくんだな!!!」



優太はガバメントから空になったマガジンを外し、代えのマガジンに入れ替える。
それを向けただけで敵は怖気づいてその場に踏みとどったり、後ずさる者も居る。
さっきの一撃で完全に戦意を失ってしまったようだ。


優太
「おいおい、来てくれないと張り合いが無いぜ・・・。ま、来ないならコッチから行くまでだがな。」

雑魚
「ひっ!!こ、ここは諦める!!後退!後退だ!!!」



それだけ言うと左右に展開していた雑魚の団体は一目散に逃げ出した。


優太
「あり?おいおい、スゲェ逃げ腰だな・・・。張り合いねぇーーー。」

駿一
「ハカセ、どうするの?」

優太
「どうするって・・・。まあ、HPを奪取するまではここを死守しないとならないからな。」

駿一
「ああ・・・オレの快楽天国が遠のく・・・。」

優太
「お前はそれから離れろ・・・。しかし、ここから後退していったってことは・・・もしかしたら女将の所に全部行っちまったかもな・・・。」



そう考えていると突如無線が鳴った。
優太は無線をポケットから取り出して、適当にボタンを押してコールに応じる。


優太
「どちらさん?」

女将
『私だ。コッチに来た奴らは全員片付けたよ。』

優太
「マジで?」

女将
『今回の雑魚は歯応え無いね。ほとんど数発当てたら死ぬよ・・・。どんな人選してきたんだか。』

優太
「そうなのか?まあ、いいや。もしかしたらオレの方の敵もそっち行くと思うからそっちもよろしく!!」

女将
『ああ?なら逆に私の方の奴もソッチに行くと思うけど・・・。』

優太
「えぇ?こっちは敵が完全にビビって逃げてったんだよ。」

女将
『はぁ?こっちも敵が完全にビビッて逃げてったよ?』

優太
「・・・・。」

女将
『・・・・。』

優太
「これって・・・どうなるんだ?」

女将
『さあ・・・。』





??
「どうやら敵に押されているようだ・・・。」


「何だぁ?やけに弱腰の野郎が多いんだなぁ・・・。」

ガバル
「それだけの強者が向こうに居ると言うことか・・・。(それに向こうには草壁も居る。これは早期に動いた方が得策かもしれん・・・別に頼まれた仕事もあるしな。)」

???
「どうします?私達も動きますか?」

??
「いや、ここはもう少し待機しよう。敵は多分、スグにもココに攻めてくる。その隙を衝こう。」

???
「なるほど・・・一気に勝負を決めに来るってことだおな?」

??
「素人が考えそうなことだ。その隙を衝いて敵のHPを全て奪取すればいい。」


「ひゃひゃひゃ!!それに今回はガバルさんも居るしな・・・楽勝だと思うぜぇ。」

ガバル
「いや、最後まで気を抜くな・・・。戦場で勝つのは必ずしも強者とは限らない・・・。」

??
「ごもっともです。では、我々はしばらく待機と言うことでよろしいか?」

ガバル
「(さて・・・。どう動いたものか・・・。)」







鳳仙
「よし!!『親鸞の間』、取ったどおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

平山
「何かかなりあっさりと取れたね。」

板垣
「そうだな。もう少し戦闘があるものだと思ったが・・・。」

大野
「何だかんだで千草ちゃん達、諜報斑が遠距離から掃除してくれたからね。」

鳳仙
「じゃ、ダンナに報告しなくちゃ。ジョリ、頼む。」

平山
「オーケー!」





優太
「オレだ。」

平山
『ハカセ?「親鸞の間」を取ったよ!』

優太
「そうか!じゃあ、救護班をそこに置いて次の作戦に備えろ。あ、そうだ。アレの設置はちゃんとしたか?」

平山
『うん。ちゃんとハカセの言うとおりに設置したけど・・・コレって何の意味があるのさ。』

優太
「その内分かるさ。じゃ、折って連絡するからちょっと待ってろよな。」

平山
『分かったーー。』

優太
「駿一、そろそろ次の作戦に移るぞ。準備しとけ。」

駿一
「うん!!次こそ快楽天国に行けますように!!!」

優太
「お前・・・マジでソレしかないのかよ・・・。」






「『トマト』取ったどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


「奏・・・目的変わってない?」


「梓は分かってないな・・・戦場において食料ってのは生死を分かつ重要な・・・」


「いや、長そうだからその話は置いといて・・・。優太先輩に報告しなくていいの?」


「おっと・・・トマトのことで頭が一杯でそのことをスッカリ忘れてたわ~。」


「もう完全に目的変わっちゃってるよね。『厨房』奪取よりトマトの方が大事になっちゃってるよね。」





優太
「オレだ。」


『ユータか?やったぞ、トマトの確保に成功した!!』

優太
「奏・・・お前の目的はトマトを補給することなのかよ?!違うだろ!ちゃんと目的達成しような!」


『それなら問題無くやっといた。トマトのついでに。』

優太
「もういいよ・・・。トマトでも何でも好きにしろよ・・・。」


『言われなくても既に冷蔵庫内のトマトは全て頂いた!!!』

優太
「後で弁償させられないかが凄く心配だ・・・。ま、ソレは置いといて・・・じゃあ、奏達はそのまま巡回しつつ敵を排除しまくれ。」


『んーー。分かった。』

優太
「何かあったら報告しろよ。」


『んー。』

優太
「さて・・・。おーーい、ジョリーー聞こえるか?」

平山
『聞こえてるよーー。』

優太
「ジョリ達はオレと合流して敵の本陣付近を潰しに行くぞ。」

平山
『大丈夫かな。流石に大群に突っ込んでいくのは厳しいんじゃ・・・。』

優太
「大丈夫だ。オレに策がある。」

平山
『・・・分かった。じゃあ、そっちに行くから少し待ってて。』

優太
「おう。駿一、ジョリ達が来たら天国だぞ!!」

駿一
ヒィィィハアアアアアアアアアアアアアアアア!!!キターーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

優太
「よし、コレなら問題無さそうだ。後は・・・、本陣付近に強い奴がどれだけ居残ってるのかだな・・・。」





女将
「どうやら離れのHPは抑えたようだよ。」

かすみ
「流石に手際がいいですなーー。」

すみれ
「私達はどうしましょう?」

女将
「そうさね。とりあえず・・・様子見がてら敵陣視察でもしてこようか。すみれとかすみは私に付いて来な。」

すみれかすみ
「「はい。」」
女将
「木村、アンタはアイツらを助けてやりな。多分、苦戦すると思うからね。」

木村
「はい。お任せください。この木村拓郎、命に代えても優太さん達を守って見せます。」

女将
「その意気込みやよし。だが、死んだらそこまでさ。勇猛と無謀は違うからね。そこら辺はよく考えな。」

木村
「はっ!!」

女将
「さて、行こうか。全ては計画成就のために、ってね。」





ババババババババババババババッババババババッバ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




優太
「流石に相手の陣地ともなると敵の数が半端無いな!!」

鳳仙
「コレは流石に強行突破は無理そうだよ!一ミリでもこの布団バリケードから出たらライフが持ってかれる!!」

板垣
「ど、どうすんだよハカセ!!」

優太
「まあ落ち着け。オレも馬鹿じゃない。ちゃんと考えてあるさ。」

大野
「だからその考えってのを早く聞かせてくれよ!!このバリケードだって何時越えてくるか分からないんだぞ!」

優太
「こんな時のための駿一君だ!!!行けーーーーーーーーーー駿一ーーーーーーーーーーー!!!」

駿一
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

平山
「む、無茶だ駿一!!この弾幕に突っ込んだら、いくらお前のライフが多くてもジリ貧確定だ!!」

駿一
「大丈夫!!何故ならオレは・・・!!!HEN★TAIだからーーーーーーーーーーーーーーーたたたたたたたったったった!!!!!!痛いーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!でも、超気持ちいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

板垣
「な、何だコレは!!駿一のライフが・・・!!」

大野
「減ったそばから回復していくだとおぅ!!?」

優太
「やっぱりな。駿一は文字通りHEN★TAI。痛いことは痛いからライフが一時減る。だが、駿一的には『痛み=快感』。つまり痛いと感じるより早く快感が脊髄反射で全身を駆け巡ることによりライフが回復するんだ!!!著しいスピードで!!」

平山
「な、何だってーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

優太
「名付けて・・・『S.I(駿一)フィールド』!!!」

大野
「何かどっかの●ンダ●が持ってそうなバリア名だな・・・。」

優太
「よし、敵が精神的に引き始めたぞ!!一気に切り込む!『超銀河飛燕真空刃』!!!」



優太が『黒龍』を縦に振り下ろすと、先ほどの物より遥かに巨大な真空の刃が形成され駿一を巻き込むようにして敵に突っ込んでいった。
駿一の快楽の悲鳴と共に何十にも及ぶブザーの音が鳴り響く。


鳳仙
「何かメチャクチャ駿一巻き込んだけど大丈夫なのかな・・・。」

優太
「大丈夫だろ。多分・・・。」

平山
「命の保障が曖昧だ!!!」

女将
「おっ、やってるね。」

板垣
「女将さん!?」

優太
「調度いい所に、今から敵陣に残ってる奴らを掃討しちゃおうと思うんだ。一緒に行くか?」

女将
「そうだね。それはかなり面白そうだ。喜んで参加させてもらうよ。」

優太
「よっしゃ!!じゃあ、特攻だーーーーーーーーーーーー!!!!!」

女将
「(すみれ、指数の方は?)」

すみれ
「(着実に上昇しています。みなさん、かなりの『温泉力』ですから・・・。)」

女将
「(そうかい。これは結構早い段階で覚醒するかもね・・・。)」






「え、もう一度お願いできますか?」

千草
『だからソッチにデカイ闘気纏った奴が近付いてる!ヤヴァイよ!目的は多分・・・。』


「大丈夫です。ある意味優太さんの読みどうりですから。」

千草
『でもムギムギと二人で大丈夫?ユウ君が無線切ってるみたいで出てくれないからどうしたらいいか分かんないしな・・・。』


「優太さんならこう言うと思いますよ。『人に聞く前にまず自分で考えろ。それで何も思い浮かばないならオレに言え。どうにかしてやるから。』と。」

千草
『つまりは任せるってことかな?』


「そうでしょう。私達のことを信頼してくれてるから出る台詞だと思います。」

千草
『信頼、ねぇ・・・。ま、しゃーなしだ。スグに私達がフォローに行くからそれまで持ち応えて。』


「了解です。首を長くしまくってお待ちしています。」

千草
『早く来いってことね・・・。』






「ん?」


「どしたの?」


「いや・・・。気のせいだ。多分。」


「??」


「(・・・何だ?今、視線を感じた?しかし気配は無い・・・。気のせい、なのか?)」



ビーーーーーーーーーーーー!!!!ビーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!


突如、律の腕章から脱落を意味するブザーが鳴った。
あまりにも唐突の出来事に一同あっけに取られる。



「え?」


「わ、私??え、何で・・・どうして??」



何が起きたのか訳が分からなかったが奏は感じた、危機が迫っていることを。
そしてソレはかなり早く明確なものに変わった。
奏は梓の胸に浮かび上がる・・・正確には胸を狙っている赤いレーザー光に気が付いたのだ。



「梓!!伏せろ!!!」


「え、えぇっ!!?」



奏は梓を無理矢理その場に押し倒す。
その瞬間、梓の胸の位置にあった障子の紙が弾で撃ち抜かれた。



「スナイパーか・・・!!急いで部屋の中に入るぞ!!」



奏達は身を低くしながら急いで手近な部屋に入って障子を閉めた。
その間、数発の射撃があったものの部屋の中に入ってからは全く攻撃してこない。
どうやら無駄に撃ってはこないようで、銃撃はそれ以降止まった。



「梓、大丈夫か?怪我とかしてないか?むしろトマト食べるか?」


「いや、別に何とも無いよ。トマトも遠慮しとくわ。」


「何だ。美味しいのに。」

雄大
「それより・・・コレからどうする?」


「スナイパー相手じゃあ、分が悪いからな・・・下手するとココで全滅するかも。」


「え?本気で言ってるの?」


「ああ。アイツらは言わば我慢強さの塊。コッチが動くまで全く動いてはこないと思う。動けば瞬時に狙われて瞬殺されるのがオチだな。」

雄大
「どうにかできないのか?」


「どうにかする方法が無い訳じゃないけど・・・。相手も馬鹿じゃないだろうしな・・・。」


「具体的にどうしたらいいの?」


「簡単な話、相手がどこに居るかが分かれば接近戦に持ち込むのが定石・・・。でも、さっきレーザーサイト何て位置がバレる恐れがあるようなのを平然と使うくらいだから・・・見つからない自信があるのかも・・・。」

雄大
「確かに・・・目で追ったわけじゃないけど何処にも人影らしき物、見当たらなかった。それとも暗くて見えなかっただけなのか・・・?」


「いや、私は夜目が利くんだが・・・見えなかった。レーザーの出何処付近に人影はまるで・・・。」


「み、見えないだけでそこに居るんだとすればその場所目掛けて攻撃してみるのは?」


「いや・・・レーザーが囮の可能性もある。それだった場合、どこか違う場所から狙われてアウトだ・・・。つまり、今はどうにも出来そうに無いってのが現状だ・・・。」

雄大
「だからってずっとココに隠れててもしょうがないんじゃ・・・。」


「それもそうなんだよな~~。うーーむ。どうするか・・・。」

千草
『私がどうにかしようか?』



突如、無線から声がかけられる。
奏はポケットから無線機を取り出して相手に応じた。



「ん?その声・・・チグサか?」

千草
『実はレンチーの所に行く途中で出くわせてね。私ならあのスナイパーを簡単にあぶり出せるよ。』


「あの少ない時間でもう場所の特定をしたのか?」

千草
『いや、そりゃ無理だったけどさ・・・。もう一度撃ってくれれば確実に特定できるね。。私を誰だと思ってるんだい?太陽系の彼方すら狙い撃つ千草さんだぜ?』


「誰かが囮になれと?」

千草
『一発でいいんだ。いけないかな?』


「・・・しょうがないな。本当に一発でイケるんだろうな?」

千草
『問題無いよーー。何度も言わせんなよぃ。私を誰だと思ってるの?』


「ふん。分かった。やってやろうじゃないか。しくじったらトマト一ヵ月分で!!」

千草
『地味に小遣い大打撃の危機!!?コイツは真面目にやらないとな・・・。』


「じゃあ、やるぞ。」

千草
『うん。いつでもどうぞ・・・。』


「分かった。なら、3,2,1で行くぞ。3・・・」

千草
『2・・・』


「1・・・!!!」



奏は勢いよく障子を開け放つ。
するとスグサマ視界に赤いレーザー光が飛び込んでくる・・・そして瞬時に奏の胸元を狙う。
部屋を出ると速攻で障子を閉め、横跳びでBB弾を避わしきる。
が、スグにレーザー光は奏を追いかけてくる。
それはかなり正確に胸元を狙ってきていた。
横跳びから態勢を立て直し、隣の部屋への数mを全速力で駆け抜ける。
たった数mが何十mにも感じると言う表現があるが、まさにそんな感じだった。
隣の部屋の障子を開け、中に転がり込むまでに5、6発の射撃をうけた。
一発も当たらなかったが。



「はぁはぁ・・・何かコレだけのことなのにスゲェ疲れた・・・。おい、チグサ。ちゃんと見えたんだろうな?」

千草
『うん。余裕も余裕、大余裕。レーザー何て分かりやすいの使ってくれたお陰で探す以前の問題だったね。』


「そっか。あ・・・千草。トドメは刺すなよ?」

千草
『え?うん。それくらいはいいけど・・・。』


「思えば梓の時も胸、私の時も胸胸胸!!!どんだけHEN★TAI野郎だ・・・私に喧嘩売ったことを後悔させてやる!!!」

千草
『なにはともあれ・・・ここから・・・』


「反撃開始だ・・・。」





???
「(うっひょおおおおおおおおおおおお!!!!まさかこんな東の国であんな素晴らしいおっぱいに出逢えるなんて・・・これこそ、『運命石の扉』の選択か!!?)」

??
『ムッチ。そちらの状況は?』

ムッチ
「ガリか・・・。問題無いよ。僕チンのステルスを見破れる奴はこの世になんて存在しないからね・・・。そう、女湯を覗くために研磨に研磨を重ねた僕チンの完全ステルスを!!!」

ガリ
『ふん、そんなくだらんことを考えているからお前はいつも最後の最後でミスをするんだ。』

ムッチ
「だ~~か~~ら、僕のステルスは無敵だから・・・」



バカン!!!!


ムッチ
「え?」



何故かムッチの左側にある瓦が一枚砕けた。
油断していたためどこから飛んできたのか分からなかったが・・・


ガリ
『何だ?何か割れる音がしたが・・・。』

ムッチ
「ま、まぐれ当たりだお。問題無いお!!」


「ほう。そんな所に居たのか・・・。」

ムッチ
「!!?」

ガリ
『言わんこっちゃない・・・。死に物狂いで逃げて来いよ。じゃあな。』

ムッチ
「(い、いや・・・待て落ち着け!!落ち着くんだ僕チン!!だってありえないだろ!僕チンのステルスは完全に気配、体臭、体温、声音とありとあらゆる物をシャットアウトして風景に同化することができるんだお!!だからレーザーサイトを使おうが僕チンの姿が見えるわけが・・・)」


「チグサ・・・私からは全然見えないからもう一度撃ってくれないか?」

ムッチ
「(ば、馬鹿め!!まぐれが二度も・・・)」



ビシッ!!!


ムッチ
がああああああああああああああああああああ!!!!?


「ん、そこか?うーーむ、見えないけどそこに居るらしいな・・・。試してみるか。」



奏は電動ガンを構えると声が聞こえた辺りを適当に撃ってみた。
悲鳴と一緒にBB弾が当たる小気味良い音が響く。


ムッチ
ぬはああああああああああああああああ!!!ば、馬鹿なあああああああああああああああああああああ!!ぼ、僕チンのステルスが何故!!絶対見えるわけが無いのに!!!!!」

千草
「まあ・・・私の魔眼の前に見えない、見通せないものがこの世にあるわけ無いってハ・ナ・シかな。」

ムッチ
「き、キサマかあああああああああああああ!!このデカチチ女がああああああああああああああああああああああああ!!!!!失せろ!!デカイのに何か興味なんて無いんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

千草
「見ろ奏っちゃん、コレが貧乳好きの異常性癖者だよ。」


「やっぱりそうか・・・な~んか怪しいと思ったんだよな・・・。異常なまでに胸を狙ってきやがるから。」

ムッチ
「胸チラ、ブラチラを狙うのは男のロマンだお!!貧乳限定で!!!」

千草
「こんなんでも名前有りだから敵の主力メンバーの一人か・・・。」


「とりあえず・・・一角折れたって感じだな。」

ムッチ
「や、止めるお!!ゆ、許してくれお!!僕チンも無理矢理参加させられたんだお!!」

千草
「知るか・・・。」


「右に同じく・・・沈め。HEN★TAI・・・。」

ムッチ
「せ、せめて貧乳ロリっ娘のキミにトドメを・・・!!」


「だぁれがグレイトマスターワールドオブナンバーワン貧乳(21)×2っ娘かーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

千草
「いやいや・・・そこまで言ってないし・・・。」







優太
「さて・・・。かなりの数がここに残ってたんだな・・・。どれくらい片付いた?」

かすみ
「えーーと・・・。あ、凄いね。もう996人くらいは倒したみたいだよ。」

鳳仙
「尺の問題なのか・・・もう残り4人?」

すみれ
「まあ雑魚がホントに雑魚でしたから・・・。」

女将
「でも、残りの4人は一筋縄じゃいかないかもしれないよ?何せ、いくらなんでも雑魚の歯応えが無さすぎるからね。」

優太
「そうだな。とりあえずここに残っているのは対した奴らじゃなかった。ってことは多分・・・予定どうり、向こうに行ってくれたんだな。」

平山
「向こう・・・オレ達のHPか。」

女将
「へぇー、どういう話だい?」

優太
「もう少ししたら分かるさ・・・。それより、ついでだから女将達は近くにあるコイツらのHP奪取してくれるか?多分、そこに主力の一人が居ると思う。」

女将
「分かった。暇つぶしに私達が取って来てやるよ。アンタ達もちゃんとやるんだよ。」

優太
「任せとけ。」

板垣
「とりあえず、敵の主力は予定どうりオレ達のHP目指してくれてるわけだろ?」

優太
「多分な。じゃあ、各自予定のポイントに向かってくれ。コレで終わらせるぞ。」






「はい?」

千草
『ご~めん。予定より遅れそうだ~。途中で奏っちゃん達の危機を救ってたから!!』


「そうですか。来るのが遅いと思ってたので何してるのかと思いましたよ・・・。」

千草
『既に愛依ちゃんとかを先行させておいたけどまだ着いてないよね?』


「そうですね。まだ来てくれてません。」

千草
『私もできるだけ急ぐよ。じゃ、頑張って!!』


「はい。では・・・。」


「今はどういう状況なの?ちゃんと上手く運んでるのかな?」


「概ね順調らしいです。あとは・・・あら、噂をすれば何とやら、ですね・・・。」



部屋の前に気配を感じる。
今の今まで全く感じなかったはずの気配を・・・。
それだけで普通の相手では無いと言うことが分かった。
蓮も紬も自分の銃のセーフティーを外す。
そして銃をドアの方へ向けると・・・相手からアクションがあった。
何と相手はドアを蹴破って来たのだ。
バキャ!!と、金具が外れる音が部屋中に響くのと、バタン!!という音と共に木製のドアが室内に向けて倒れてくるのはほぼ同時だった。
そこには細身の男が一人立っていた。
男はそのまま部屋に何の遠慮もなく侵入してくる。
特に銃に警戒することもなく。



「女性の部屋にノックも無しに入るなんてマナーがなってませんね。」

ガリ
「ん?こりゃ失礼。まさかこんな可愛いお嬢さん達が居るとは知らなかったものでね・・・。やり直そうか?」



細身の男はそのままさっき蹴破ったドアを持ち上げ、元あった場所に戻そうとした。



「いえ・・・結構です。むしろ、よく来てくださいましたね。こんな敵の陣地近くまで・・・。歓迎します。」

ガリ
「手荒い歓迎は勘弁被る。そうなるとオレもそれ相応の対処をしなければならなくなるのでな。それに、女性に手をあげるのはオレの主義に反する。できれば穏便に運びたいんだが・・・。」


「なるほど・・・分かりました。では、そちらの言い分を聞きましょう。」

ガリ
「ここを明け渡してくれないか?」


「お断りします。」

ガリ
「即答かい。仕方ないな・・・それじゃあ、少し痛い目にあってもらうことに・・・」


「いえ、貴方には即刻お引取り願います。」

ガリ
「ふむ・・・どうやって?悪いが、君達程度の力で私をどうこうすることは不可能だと思うが・・・?」


「この部屋に入った時点で貴方の負けは決まっています。それでは、よい旅を・・・。」

ガリ
「ふ。何を言い出すかと思えば・・・」



次の瞬間何故かガリの視界が歪んだ。
それは立ち眩みにも似た現象だった。
視界が歪むと同時に自分の体が何度も上下左右に反転を繰り返しているようにさえ感じた。
そして気付いた時、もうガリは全く別の場所に立っていたのだ・・・。
さっきまでは部屋の中に居たはずだったが、何故か今は離れと本館の間にある中庭に立っていた。


ガリ
「これは・・・?」

鳳仙
「アンタも運が悪いな。まさかオレに当たるなんて・・・。」

ガリ
「・・・もしやコレが噂に聞く『テレポート』って奴かな?」

鳳仙
「それを教えてやる必要性は無いね。知ったところでもうお前はその情報を有効活用できないんだから・・・。」

ガリ
「ふむ・・・女性に手をあげるのは私の主義に反するが・・・手を出してくる者には誰であれ手は抜かないのも私の主義だ。悪いが私も急いでいるのでね・・・五分で終わらせてもらうよ。」

鳳仙
「オーケー。五分後にお前を沈めればいいんだな・・・。」

ガリ
「私はもう少し礼儀を弁えたさっきのお嬢さんの方が好みなんだが・・・。」

鳳仙
「いや、アンタの好みなんて知らないよ・・・。」

ガリ
「ごもっともだ。」





???
「う、ん?私は何故にこんなところに・・・?確か敵のHPを奪うために『親鸞の間』へ行ったはずだったが・・・」


「おお、本当に飛んできた・・・。ユータの考えた作戦にしては結構順調に推移してるみたいだな。」

???
「お嬢さんはどちら様かな?」


「人に名前を尋ねるときはまず自分から名乗るものだと思うが?」

???
「これは失礼した。私はポッチと言う者だ。お嬢さんは?」


「悪党に名乗る名は持ってないぜ!!」

ポッチ
「ほぅ・・・コレは一本取られたな。」


「どうでもいいがこの状況でよくそんな涼しそうな顔ができるな・・・。」

ポッチ
「残念ながらキミのようなお嬢さんと対峙したところで危機感は全く感じないのだが・・・。」


「人を見た目で判断してると絶対痛い目みるぞ?」

ポッチ
「ほほぅ・・・それは興味深い話だ。お嬢さんが私に恐怖を与えてくれるとでも言うのかい?」


「ああ。そう言う訳だからお前を恐怖のどん底に落としてやることにした。私もなめられたまま終わるのは癪なんでな。」

ポッチ
「それは楽しみだね。お手柔らかに頼むよ小さなお嬢さん。」


「誰がミニマムランキング万年一位お嬢さんかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

ポッチ
「いや、そこまでは言ってないんだが・・・。」





女将
「よし、ここからはアンタ達だけで行ってきな。」

かすみ
「えぇーーーーーーーーーーー!!?何でですかーーーーーーーー!?」

すみれ
「かすみ。コレも予定どうりでしょ?女将はこれから『天元の間』で覚醒を待つって予定だったじゃない。」

かすみ
「あ、そうか。分かりました女将さん!!私とすみれちゃんでしっかりと『温泉力』を稼いできますね!!」

女将
「ああ。期待してるよ。」

すみれ
「さ、かすみ。行くわよ。あの突き当たりの部屋が『明星の間』。あそこを落とせば私達の・・・」



バンっ!!!という扉の開く音が廊下に響くと同時に部屋の中から一つの影が飛び出してきた。
その影はすみれとかすみを確認すると両手に握っていた銃のトリガーを引いた。


バババババババババババババババババババババババババババ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


すみれとかすみはスグサマ身を屈めると手近の曲がり角まで全速力で後退して身を隠した。
流石に何発か食らってしまったらしく多少ライフが減少していた。


かすみ
「い、イキナリでびっくりしたーーーーーー!!」

すみれ
「かすみ。驚いてる暇は無いわ。来るわよ!走って!!」



凄まじい速度でさっきの黒い影が曲がり角まで一気に駆け抜けてきた。
すみれもかすみもそのまま廊下を真っ直ぐ走って逃げるしかできない。
連射力が違いすぎた。
二人の手持ちは女将特製カスタムガンだが、二人ともそれを十分に使いこなすことはできていない。
優太と使っている系統は同じだが、このタイプは結局引き金を自分で一回一回引かなければ連射できない。
逆に相手のはフルオート機能が付いた電動ガンだ。しかも両手に一つづつ。


すみれ
「勝てる訳無いわね。」

かすみ
「だからって逃げてどうなるのさーーーーーーーーーーーーー!!!!」

すみれ
「私にも考えがあるわ。でも・・・問題が一つだけ・・・。」

かすみ
「な、なにかな?」

すみれ
「さっきから地味に弾が当たってるじゃない。目的地までライフ持つかなーー、と。」

かすみ
「それは確かに問題だね!!さっきから私達のライフ地味に減ってってるもんね!!あーーーもう!どうしよう!!誰か助けてーーーー!!」

板垣
「呼ばれて飛び出て!!」

大野
「ジャジャジャジャーーーーン!!!!」

かすみ
「え!?唐突!!」

板垣
「ハカセが何かあったときにはやっぱ男手が居るだろうってことで近場で待機させてもらってたぜ!!」

大野
「オレと板垣で時間を稼ぐ!!二人はその目的の場所に急いでくれ!!」

すみれ
「助かります!!かすみ、急いで!目的地はあの曲がり角の先よ!!」

かすみ
「え?でもあそこって・・・。」



曲がり角を曲がった先にはさきほど陥落させた敵の前線部隊が倒れている。
すみれは自然な動作でその気絶している相手から使えそうな武器を物色し始めた。


すみれ
「ほら、かすみ。アンタも早く使えそうな物探しなさいよ。」

かすみ
「えーーーー。こんなことして大丈夫なのかな・・・?」

すみれ
「ここが戦場なら別段問題無いわ。どうせ終わったら返すんだから大丈夫でしょ。」

かすみ
「そういう問題なのかなーーー。ま、背に腹は変えられないか・・・。」



かすみもすみれに習って敵の懐を漁ったりしながら手頃な武器を探す。
かなりの人数がそこにうずくまっている筈だがまともな装備品はほとんど無かった。
何とか使えそうな電動ガンを一丁づつ見つけ、変えのマガジンをさらに物色し、準備を整える。


すみれ
「よし、行くわよ。」

かすみ
「うし!!実質四対一な訳だし、大丈夫だよね!!」



ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!


すみれかすみ
「「・・・・・・・・・・。」」

「くけけ、歯応えがねぇなぁぁぁあああああ!!!もっと、もっと強い奴は居ないのかよぉぉおおおおおお!!!」

すみれ
「不味いわね。何か二対一になってしまったわ。」

かすみ
「で、でも数の上ではまだ有利・・・」


「お前達は簡単に死んでくれんなよぉ?くひひ・・・。楽しみだなぁぁああ!女の啼き声を聞くのは何年ぶりだぁぁああああ!!??良い声で啼けよメス豚共ぉぉぉおおおおお!!!」

すみれ
「失礼な人ね・・・。流石に私でもプッツンきちゃったわよ。」

かすみ
「確かにムカつくねコイツ・・・でも、かなり強そうだよ・・・?」

すみれ
「強そうではあるけど、私達ならやれるわ。行くわよ、かすみ!」

かすみ
「あーーーうーーーーーーー!!私は戦闘向きじゃないんだからあんまり頼りにしないでよーーーーー!!?」

すみれ
「分かってるわよそれくらい!」

かすみ
「何か即答されると悲しい!!」

すみれ
「どっちなのよ結局・・・。」


「オレは晋!!お前等を冥土に送る男の名を胸に刻んで死んでけやぁぁあああああああああああ!!!」

すみれ
メイド?私達、仲居なんですけど・・・。」


「そっちじゃねぇぇよ!!冥土!!あの世のことだよ!!まあメイドさんは大好きだがなぁぁぁあああああ!!

すみれかすみ
「「(あ、結局好きなんだ・・・。)」」






ガリ
「ふむ・・・女にしてはかなり良い身のこなしだ・・・。」

鳳仙
「そりゃどうも!!」



鳳仙は相手の銃の連射も気にせず懐に突っ込むと相手の鳩尾目掛けて拳を真っ直ぐ突き出した。
ガリはコレをひらりと体を左に捻りながら避わし、そのまま左足を軸に回し蹴りを繰り出す。
それを鳳仙は避わすことを考えず、回し蹴りを右腕で弾くとすかさず両手で右足を掴む。


ガリ
「何っ!?」

鳳仙
「はっ!遅ぇぇええええ!!!」



掴んだ右足を背負い投げの要領で肩に掛けると、か細いガリの体は宙を舞い地面に叩きつけられた。


ガリ
「がっ!!」



顔からまともに叩きつけられたため、顔中に激痛が走る。
しかし痛みに感けている暇は無かった。
鳳仙がさらなる追撃をかけて来たからである。


鳳仙
「『二式・塵牙』!!!」

ガリ
「くっ!」



ガリは寸前でその拳を避わそうとしたが間に合わなかった。
が、おかしいことに鳳仙はその拳をガリにではなく地面に叩きつけた。
ガリは一瞬意味が分からなかったがスグにその意味に気付く。
が、時すでに遅くその攻撃をまともに受けた。
鳳仙を中心とした地面に半径6、7mくらいの大きさの赤い円が描かれる。
それと同時に地面から炎の柱が何本も噴出した。
その炎の柱は微妙に反っており、先端はかなり鋭く尖っていた。
一見すると獣の牙のようだ。
炎の牙はガリの体を数箇所貫き、体の至る所を焼いた。
そしてそのまま庭の隅にある池まですっ飛ぶとその池に落ちた。


鳳仙
「ふぅ・・・。何だ、思ったよりは楽勝だったか。」



鳳仙は軽く池の方を確認した。
しばらく待っても浮かんでこないところから見てどうやら気絶でもしたんだろうと鳳仙は考えた。
このまま放置して死なれでもしたら後味悪いどころか問題になるので鳳仙は急いで池に走った。
そして池に足を入れる・・・


ガッ!!


すると突然何かに足を掴まれた。
明らかに人の手だ。
抵抗するもかなりの力で引いてくる。
がしかし、コレは完全に相手の悪あがきだとスグに考えが及んだ。
何故なら引っ張られたところでこの池はそんなに深くは無い。
間違っても沈むことは無いからだ。


鳳仙
「テメェ・・・素直に負けを認めろ!!こんなことしたって何も・・・!」



しかしそれ以上言葉を紡ぐことはできなかった。
何故か自分の体が池に沈んでいくのが分かったからだ。
明らかに池が深くなっているとしか思えないほどドンドン体が下に沈む。


鳳仙
「な、何っ!?この池はこんなに深くなかったぞ!!どういうことだ!??」



考えているうちにいつの間にかもう胸の辺りまで体が沈んでしまっている。
もうどんなに抵抗しても上へ上がることができない。
そして鳳仙は池の中に消えた。




ポッチ
「ほほほ。どうしたのですか?逃げてばかりでは勝負になりませんぞ!」


「うっさい!!何で弾を込める暇も与えてくれないんだキサマは!!」

ポッチ
「そんなの当たり前だと思いますが・・・。」


「くそ!!電動ガンは弾込めがメンドクサイな!!こんなことならサボらずに変えのマガジンにもちゃんと弾を毎回毎回込めてればよかった!!」

ポッチ
「ほほ。追いつきましたぞ。」


「うおっ!!?」



ポッチと奏は調度、離れの屋根の上で戦っていた。
隠れる場所は無いし、足場は悪いしで奏はかなり苦戦を強いられていた。
さらに奏は今まで変えのマガジンに弾を逐一補給するのをサボっていたために今完全に弾切れの状況にあった。
さっきから逃げては込め、逃げては込めを繰り返している。
が足場の悪さもあり、全く弾が込められない。
そこまで正確な操作は要らないが戦闘中ともなると手元が狂ってしまい上手く給弾できない。
そして何度目かの鬼ごっこの末に奏はとうとう追いつかれてしまった。
相手のポッチはそれなりに歳を重ねているようで、顔を見る感じでは確実に50代後半くらいの印象をうけた。
ポッチは手に持った銃の引き金に指をかけた。
見た目はハンドガンだが、●製の電動ハンドガンである。
このポッチは遠、中距離ではアサルトライフル型の電動ガンで戦い、近距離になればこの電動ハンドガンで戦うなどして二つの武器を使いこなしていた。
奏も最初はこの電動ハンドガンをエアコッキングガンと勘違いして手痛いダメージを受けていた。
一回経験済みのため流石に今回は体が動いてくれた。
奏はその場にしゃがみこむ。
それを見たポッチはスグに狙いを下にズラした。
しかし次の瞬間に奏は左に転がった。
ポッチは引き金を引いた後だったため弾は瓦に当たり、自分に跳ね返ってきた。
跳ね返ったBB弾は右や左の頬に当たる。
調度、往復ビンタのような要領で。


ポッチ
「うっ!!小癪なマネを!!」


「へへーーん!!自分で自分の弾に当たってやんのーーー!!だっせーーーーー!!」

ポッチ
「流石におイタがすぎたね。お嬢ちゃん・・・。」



突如、ポッチの口調が変わった。
例えるならハードボイルドな感じに・・・。


ポッチ
「ママにすら殴られたことの無い私の顔にBB弾を当てるとは許せんな!!私がじきじきにお仕置きをする必要がありそうだ!!」


「いや・・・その歳でママって・・・そしてここでそのネタは無いわーー。」

ポッチ
「ぬん!!!」



ポッチはさっきの倍のスピードで屋根を駆けてくる。
奏はすんなり追いつかれてしまい、そのまま追い抜かれると行く手に立ち塞がる様にポッチが立つ。


ポッチ
「さあ、銃を握れ。鬼ごっこはお終いだ。」


「ふ、お前分かってないな。私は未だにマガジンに一発も弾を込めてないんだよ。お前がひつこく邪魔するから・・・。」

ポッチ
「なら・・・ココで私に撃ち抜かれて負けるがいい。それが、私の顔に往復ビンタを喰らわせたお嬢ちゃんの取るべき責任だ。」


「いやいや・・・完全にお前が悪いんだろうが・・・。逆恨みも良い所だぞ。」

ポッチ
「黙れ!!子供だと思って優しくしてやれば付け上がりおって!これだから最近の子供は嫌いなんだ!黙って私に撃たれていればいいのだよ!!ガキはガキらしくな!!!」



ポッチは引き金を引いた。
そして奏目掛けてBB弾が飛んでくる。
奏はその瞬間が何十秒にも感じた。
体が動こうとしてくれなかった。
何故だろうか。
それは・・・『何か』がきてくれるのを本能的に感じたからだ。


バサッ!!!


突如、奏とポッチの間に一人の男が割り込んできた。
男は左手に持った盾でポッチの銃撃を弾くと、右手に持ったショットガンをポッチに向けた。
引き金を引くと銃口から五発の弾丸が放射状に撃ち出された。
至近距離から撃ち出された弾丸はポッチの腹にめり込む。
そしてそのままポッチを水平に数m飛ばした。
文字どうり。



「あれ、お前は・・・?」

??
「大丈夫かな?小さなお嬢さん。それと、優太君じゃなくて悪かったね。」


「誰が超ミクロお嬢さんだーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!それと!べ、別にユータがきてくれるとか期待してたわけじゃないんだからな!!本当だぞ!!!」

??
「(噂に違わぬツンデレだ・・・。う~む、乙。。)いや、そんな風には言ってないが・・・えっと・・・君は確か奏君といったかな?」


「んん?何で私のこと知ってるんだ??」

??
「宿泊客の名前はちゃんと全員分覚えている。仕事だからね。それに、君は優太君の連れのようだしね。」


「???・・・ユータの、親戚か?」

木村
「ただの知り合いさ。私は木村拓郎と言う者だ。私がアイツの相手をしよう。君はその間に弾の補給をするんだ!!」


「何が何だか分かんないけど分かった!とりあえずココは一時頼む!!」



奏は屋根から飛び降りると一目散にその場を離れた。


木村
「さ、て・・・今のでライフが0にならないとは結構やるね。」

ポッチ
「ふ、鍛え方が違うからな!雑魚とは違うのだよ!雑魚とは!!」

木村
「その台詞を言ったら最後、負け惜しみを言って去る姿が目に浮かぶぞ・・・。」

ポッチ
「私をラル様と一緒にされては困るな!!」

木村
「ならソレを証明して見せるがいい。」

ポッチ
「言われんでも!!」



ポッチは瞬時に距離を詰める。
だが、それより早く木村が視界から消えていた。
そしてポッチの横に瞬間的に移動し、足を引っ掛ける。
ポッチは虚を衝かれ、一瞬判断が遅れた。
そのまま木村の足に躓いてしまった。
そこへ木村はショットガンを連射した。
どうやらこれも女将特製のカスタムガンの一つらしい。
連射能力とばら撒き性能を向上させてあるようだ。
そして威力も・・・。
背中から十五発ほど喰らい、瓦に叩きつけられた。
人間一人を数m飛ばしてしまうような弾丸を至近距離から計二十発喰らったポッチは意識が飛びかけていた。
木村はショットガンを構えるとダメ押しで残りの十発を首にお見舞いした。
調度、バトル物でよくある首に手刀を当てて気絶させる感じで。
そしてそのまま動かなくなってしまった。
息はそれなりにしてるようだから気絶したのだろう。


木村
「む。しまった。勝負がついてしまった・・・。奏君にどう説明したものか・・・。」



木村は少し考えてからある答えに行き着いた。
それはとても単純でシンプルな答え・・・


木村
「ま、なるようになるだろう。」



カスタムショットガン用に改造された専用のマガジンを取り出し、撃ちきったマガジンと取り替える。
そして木村は奏の帰りを待つために腰を下ろした。
しかし木村も気付いていなかったことが一つあった。
ポッチのライフが尽きているなら「ブザー」が鳴る。
それが鳴らないということは・・・
まだ、勝負は付いていないのだ。






すみれ
「かすみ!!まずは相手の出方を見るわ!!アンタ適当に突っ込みなさい!!」

かすみ
「初っ端からスゲェ無茶ぶりなんですけど!!」

すみれ
「え、そう?アンタなら簡単でしょ?」

かすみ
「無茶言わないでよ!!相手の使ってる銃は18禁の電動ガンだよ!?この仲居の着物、普通の着物と比べて薄いんだから!!当たったら普通に痛いんだよ!!すみれちゃんが行ってよ!!」

すみれ
「嫌よそんなの!着物が薄いのは私だって同じなのよ!!」

かすみ
「すみれちゃんには無駄にデカイメロンが二つもついてるんだからそれで防げばいいじゃん!!」

すみれ
「アンタね・・・そういうのを公衆の面前で言うのはどうかと思うんだけど・・・。て言うかメロンって・・・そんなにデカクないわよ。これでもHカップよ・・・。」

かすみ
「うっさいな!!HもIもJも関係ないよ!!何ですみれちゃんだけそんなに発育良いんだよ!!私だって同じ遺伝子継いでるはずなのにーーーーーーーーー!!」

すみれ
「知らないわよそんなこと・・・。て言うか早く行きなさいよ。相手もポカンとしちゃってるじゃない・・・。」


「ポカーーン。。」

かすみ
「知らないよ!!それに私は前線で戦えるキャラじゃないの!!むしろ後方支援型なの!!」

すみれ
「いやいや・・・私も前線型では無いかな。むしろ後ろの方に隠れてて、もう相手死ぬかな~って時に狙い撃つタイプだし。」

かすみ
「完全に良いとこ取りする気満々だよね!!私を踏み台にして勝ちを拾おうとしてるよね!確実に!!」

すみれ
「やーねー誤解よ・・・かすみ。私がそんなことする訳無いじゃない。」

かすみ
「いやいや!一行前に言ってた台詞を思い出せこの腹黒女ぁぁあああああ!!!」

すみれ
「誰が腹黒よ!!何よ私がフォローしてやんなきゃ仕事もまともにできないくせにいっつも大きな口ばかり叩いて!!」


「ポカーーン。。」

かすみ
「べっつに頼んでないもん!!すみれちゃんが勝手に私の仕事取るんじゃんかいつもいつも!!」

すみれ
「アンタがどんくさくて見てられないのよ!!」

かすみ
「なっ!!そ、そんなにハッキリ言うことないじゃん!!私だって精一杯働いてるよ!!」

すみれ
「アンタの精一杯程度は私にとっては息をするのと同じくらい簡単なことなの!!」

かすみ
「ううっ・・・!な、何だよ~・・・ちょっと先に生まれたからっていつもいつもお姉ちゃん面してさ!!」

すみれ
「アンタが頼りないのが悪いんでしょ。あーあ・・・出来の悪い妹を持つと姉はいつも大変だわ・・・。」

かすみ
「ふ、ふえっ・・・私だって・・・私だって・・・!!」


「ポカーーン。。」

すみれ
「べっ・・・!ちょ、な、泣くことは無いでしょ泣くことは・・・!」

かすみ
「だって・・・。」

すみれ
「・・・あーはいはい。私が悪かったわ。言い過ぎた。ごめん。」

かすみ
「・・・。」

すみれ
「あー・・・何て言うかほっとけ無いのよアンタは。」

かすみ
「え?」

すみれ
「アンタって昔から不器用だから何でも人より出来が悪かったでしょ?」

かすみ
「・・・別に好きで不器用に生まれたんじゃないもん。」

すみれ
「知ってるわよ。だから私が付いてるんでしょ?」

かすみ
「ふぇ?」

すみれ
「アンタが一人で出来ないことは私が一緒にやってあげるわよ。アンタ一人だとどれだけ時間掛けても終わらない時とかあるしね・・・それに・・・」

かすみ
「それに?」

すみれ
「アンタは私の妹なんだから・・・。私の後ろに居ればいいの。この完璧なお姉ちゃんと一緒なら何でも簡単なんだから。」

かすみ
「ううっ・・・お姉ちゃーーーーーーーーーーーん!!!」


「ポカーーン。。」

すみれ
「あーもう、幾つになってもかすみは甘えん坊さんなんだから・・・。」

かすみ
「えへへ。お姉ちゃん・・・。」

すみれ
「全く・・・。まだ私が付いてないとダメねしばらくは。」

かすみ
「えーー。しばらくじゃなくて・・・ずっと一緒に居ようよーー。」

すみれ
「いやいや、現実的に無理だから。だってその内誰かと結婚とかしたら自然と離れ離れじゃない。」

かすみ
「あ、それなら問題無いよ!」

すみれ
「え、何故?」

かすみ
「私もすみれちゃんも同じ人と結婚すればいいんだよ!!いわゆる一夫多妻制ってヤツ!!」

すみれ
「え、今の日本はそんな体制認められてないけど・・・。」

かすみ
「魔法界に住めば問題解決!!」

すみれ
「あ、そうか。魔法界はそういうの緩いから・・・かすみ、アンタ中々頭がキレるようになったじゃないの。」

かすみ
「ははは!何時までもダメダメなかすみちゃんじゃないのれす!!じゃあ早速未来の旦那様をゲットしに行っちゃおうぜ!!」

すみれ
「そうね。そう言えば何処に行かれたのかしら?」

かすみ
「無線で連絡取れば良いんじゃなイカな?」

すみれ
「それが一番手っ取り早いわね。え~と・・・確かこの番号だったかしら?」


「ポカーーン。。」



ジジ・・・ジジジジジジ・・・!!


すみれ
「繋がらないわねーー。お取り込み中かしら?」

かすみ
「もう少し粘ってみよ!」

優太
『オレだ・・・。』

すみれ
「あ、ユウタさんですか?」

優太
『ん?その声はすみれか・・・どうかしたのか?』

すみれ
「いえ、ちょっとお話がありまして・・・お時間よろしいでしょうか?」





優太
「話~?何だよ・・・。」

由紀
「優太~、誰から~?」

川鍋
「まあまあ由紀さん。プライベートなことかもしれないんだからココは黙って見守ろうよ。」

由紀
「えーー。もうメンドイから無線傍受でもするか・・・まさか兄さんの趣味がこんな所で役に立つとは思わなかったぜ・・・。」

川鍋
「由紀さんのお兄さんは変わった趣味を持ってるんだね・・・。」

由紀
「うん。まあ、変わった兄さんだったから・・・兄さん、元気かな。」

すみれ
『ええ、それなりに重要な話で・・・今のうちに伝えておかないとと思いまして・・・。』

優太
「はぁ?そんなに大事な話ならサバゲーの前に言えば良かったのに・・・何で今更??」

すみれ
『いえ、今さっきコッチも意志が固まりまして・・・後はユウタさんの気持ちを確認するだけなんですけど・・・。』

優太
「???」

すみれ
『私とかすみをユウタさんのお嫁さんにしてくださいませんか!!?ほら、お母・・・女将さんも言ってたじゃないですか。』

優太川鍋
「「ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」」
由紀
「はぁ?お、お嫁さん・・・?しかも・・・親、公認・・・だと・・・?」

優太
「あ、あのすみれさん・・・話が見えないって言うか・・・、完全に意味不明すぎてオレ、頭からずっこけた上に飲んでたビックルを吹きだしたんだけど・・・。」

すみれ
『あ、そうですね。確かに詳細を説明せずにこんなこと言ってしまいすみません。あのですね・・・。』

由紀
「優太ーーー。ちょっと話が・・・。」

優太
「あーーーーーー!!何かオレを呼ぶ声が外から聞こえてくるぞーーーーーーーーー!!!!!オレはもう行くから!!すみれ!話はまた今度ってことで!!!」

すみれ
『え、あ・・・。』



ブツッ!!!





すみれ
「あーあ・・・詳細を説明する前に切られたわ・・・。」

かすみ
「えーーーっ!!」

すみれ
「仕方ないわね。こうなったら直接会って話すのが一番!!行くわよかすみ!!!」

かすみ
「あーーー!!ちょっと待ってよ・・・!すみれちゃん!!」


「おーーーーーーっと!!お前等!!オレを忘れてんじゃ・・・!!」

すみれかすみ
「「邪魔だどけーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」」

「な、何ィィィィイイイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」



ドバババババババッババババババババッバババババババババババ・・・ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーィィィィィイイイイイイイ!!!!!!!!!



「う、嘘・・・オレ、かなり強そうな喋り方してたのに・・・他のヤツとは名前の付けられ方が違うからもっと捻った展開があると思ったのに・・・何でこんな瞬殺ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!????」

すみれ
「ある意味捻った展開だったわよね?」

かすみ
「うん。これはこれで他とは違う意味で浮いたね!!」

すみれかすみ
「「雑魚的な意味で!!!」」

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!そんなバナナぁぁあああああああああああああああああ!!!!!





川鍋
「福島君行っちゃったね。」

由紀
「畜生。逃げ足はかなり早いからな・・・後で絞ってやる!!」

川鍋
「あ・・・。」

由紀
「どしたの?」

川鍋
「いや・・・福島君、代えのマガジンを忘れてったみたいで・・・。」

由紀
「な~るほど・・・。じゃあコレを届けるついでに・・・ふっふっふ・・・。私、このマガジン優太に届けてくるから!ここはよろしく!!」

川鍋
「えーー。一人だとかなり心細いんですが・・・。」

由紀
「呼べば誰かが来るよ。じゃ!いってきまーーす!!」





優太
「ふぅーーー。どうにか逃げてこれたな・・・。すみれ達は一体全体何を考えてあんなこと言ってきたんだ・・・お陰でコッチはサバゲー中だというのに命の危機に陥るところだったぜ・・・。」



ピルルルルル!!ピルルルル!!!


優太
「・・・オレだ。」


『ゆ、優太か?た、大変なんだ!!』

優太
「澪?どうした・・・そんなに慌てて。」


『唯が・・・唯が・・・!!』

優太
「・・・唯がどうかしたのか?」


『私を庇って・・・唯が敵に撃たれて・・・ち、血が・・・一杯・・・。』

優太
「はぁっ!!?何で血が出るんだよ!!」


『分からない・・・。突然大きな人が来て、優太に言われて設置した機材を壊したと思ったら、銃をコッチに向けてきて・・・私、恐くて身動き取れなくて・・・気付いたら唯が私の目の前に立ってて・・・それで・・・唯の体から血がどばどば出て・・・私、私・・・!』

優太
「と、兎に角お前は無事なんだな!?今何処に居る!?」


『えっと・・・ごめん。HPはその人に取られて・・・唯を背負ってどうにか渡り廊下までは来たんだけど・・・。』

優太
「分かった。スグに行く!!オレが行くまでそこ動くな!!!」


『うん・・・。』



プツッ!!


優太
「どっちの渡り廊下だか聞きはぐったが・・・唯と澪は『親鸞の間』に居たはずだから・・・そっちに近い渡り廊下の方から当たってみるか!!」





女将
「最初から本気とは・・・アンタも変わらないね。」

ガバル
「なんとでも言え・・・オレは、ただの傭兵だ・・・任務を遂行するためなら・・・手段は選ばん。」

女将
「おもちゃの拳銃しか持ち合わせていない女の子相手でもかい?」

ガバル
「・・・・・。」

女将
「出て行っておくれよ・・・コレ以上何も話すことはないよ。」

ガバル
「あの子達は・・・元気か?」

女将
「当たり前さ。私が責任を持って育ててるんだからね・・・仲居として、しっかりやってくれてるよ。」

ガバル
「そうか。なら・・・オレはオレの仕事をしよう。草壁・・・お前から頼まれた『古代遺産』復活の依頼をな・・・。」

女将
「もう一度言っとくが・・・どんな理由があれ、私の客に手を出すことは許さないよ。ま、優太以下数名は別としても・・・それ以外はただの一般人だ。アンタが本気になったらコンマ一秒もかからないような弱者なんだよ・・・。」

ガバル
「分かった。コレ以上ミスを犯してはオレの傭兵としての名に傷が付く・・・。それだけは、約束しよう。草壁。」

女将
「・・・。」





優太
「澪!!」


「優太!!良かった・・・一人だと不安で・・・。」

優太
「ああ。もう大丈夫だ・・・。ってマジで血が出てるじゃねぇか!!」


「ううっ・・・!ゆ、ユウちゃん?」

優太
「唯、オレが付いてればもう安心だ!今からオレが蓮の所に運んでやるから・・・。」


「ごめんね・・・私がもう少ししっかりしてれば・・・。」

優太
「なに言ってるんだ。お前は澪を体張ってまで守ったんだ・・・何も恥じることはねぇ。」


「ユウちゃん・・・うん。ありが・・・っ痛!!でも、違うの・・・あの人、本当は・・・!」

優太
「唯!もういい!それ以上は喋るな!!澪。急いで『トラブリュ~の間』に戻るぞ!!早く蓮に診せないと・・・!」


「そ、そうだな!!」






「え?もう終わった??」

木村
「ああ。すまんな奏君・・・。」


「な~んだ・・・。私もやっと諦めがついて肉弾戦でやりあう決意をしてきたのに・・・無駄になったな。」

木村
「ははは。すまない。」


「まあいいんだけどさーー。それより、トマト食べるか?結構美味いぞ?」

木村
「それじゃあ、遠慮なくいただ・・・」



木村が奏の手からトマトを取ろうとした瞬間、奏の後ろに人影がうつった。
それは、倒したはずのポッチだった。
木村は自分の過ちに気付いた。
よく考えれば、ブザーは鳴っていなかった。
つまり、まだ勝負は付いていなかったということに・・・


木村
「奏君!!!」


「え?」



ズドッ!!!!
と言う何かが何かを貫く音がした・・・。
それは、ポッチの手に握られていた短槍が、木村の胸を貫いた音だった。
木村は咄嗟に奏を庇い、ポッチの一撃を自ら受け止めたのだ。
短槍が抜き去られると、栓が抜けたように血が胸から流れ出した。



「キムラ!!!」

木村
「だ、大丈夫かい?奏君・・・。」


「ば、馬鹿かお前!!何で私なんかを庇うんだ!!私は吸血鬼だ!!胸に風穴開けられたぐらいじゃあ死んだりしないのに・・・!!」

木村
「そ、そういうものだったのかい?ははは。でも、女の子に怪我をさせたとあっちゃあ・・・おじさん、他の仕事仲間に顔向けできないからね。」


「・・・キムラ!」

ポッチ
「ふん。馬鹿な奴だ・・・。黙って見ていれば、苦しまずに死ねたものを・・・。」


「なに・・・どう言う意味だ・・・。」

ポッチ
「この短槍・・・『紫蝶』には即効性の毒が塗ってある。ものの数分で体中に巡り、最初は全身の痙攣で済むが、次第に、鈍痛、吐き気、意識錯乱などなど・・・苦しむだけ苦しんで最終的に十分で死に至る・・・。もう助からんよ。この毒に血清は無い。入ったら最後・・・死ぬ運命だ。」


「・・・馬鹿か・・・を誰だと・・・。」

ポッチ
「なに?」


「馬鹿か・・・と言ったのだ。私を誰だと思ってる・・・。」



それだけ言うと奏は木村の胸の傷に噛み付いた。
ポッチからすれば意味不明な光景だった。
奏は傷口から瞬時に血を吸い出す。
口内に血液を少量溜め込み、吐き出す。
それを二、三回繰り返す。
すると木村の顔色が少しだけ良くなるのが分かった。


ポッチ
「まさか・・・毒を直接吸い出したのか?」


「こんなおっさんでも、帰りを待ってる『家族』が居るだろ・・・。だったらここでむざむざ死なせるわけにはいかない。」

ポッチ
「よく、知りもしないような相手を救う気になるな・・・。」


「昔の私なら・・・確かにそう思っただろうな・・・。でも、今は・・・あのバカの所為でちょっと考え方変わっちゃったからな。」



奏はポケットから小さなビンを取り出した。
そのビンには紅い血のような液体が入っていた。
ソレを木村の口に流し込む。
そしてその上からトマトを押し込んだ。
木村はかなり苦しそうだった。



「これでよし。さて、と・・・ポッチ・・・とか言ったか?」

ポッチ
「・・・そうだが。何かね?」


メイドさんへの挨拶を考えとけ・・・あと数分後にお前は地獄行き確定だからな。」

ポッチ
「なぜそこでメイドさんへの挨拶を考える必要性が?」


「・・・・・。あ、メイド冥土間違った!!」

ポッチ
「ふ・・・。」


「テメェ!!鼻で笑ってんじゃねぇよ!!私の本気パワーで瞬殺してやる絶対!!」

ポッチ
「できるものならやってみたまえよ・・・。」


「後で後悔しても・・・遅いんだからな!!!」







優太
「蓮!!」


「はい?ああ、優太さん・・・ってどうしたんですか?その血・・・!」

優太
「唯が敵に撃たれて出血してるんだ!!治癒頼む!!」


「撃たれた?BB弾で撃たれて出血するものなんですか?」

優太
「なわけ無いだろ!!考えたくないが・・・実銃を使ってる奴が相手に居るってことだ・・・。」


「なるほど。とりあえず・・・傷を診ます。唯さんをこちらへ。」


「唯ちゃん!大丈夫!!?ケーキあるけど食べる!?」

優太
「ムギ・・・気持ちだけで十分だ。今の唯は痛みでそんなの食べる余裕も・・・」


「け、ケーキ!?た、食べる・・・!!」

優太
「食い意地が痛みを凌駕したよ!!!何かもうお前普通に凄くね!!?」


「傷の方も大丈夫なようです。内臓は外れてますし、何よりキレイに貫通してくれてるので体内に弾丸は残ってないようですし。」

優太
「そ、そうか・・・まあ食欲あるなら問題無いよな・・・。たく、心配掛けやがってよ。」


「えへへ、でも痛いのは本当だよ?」

優太
「そりゃあそうだろうけど・・・それより、その唯達を襲った奴のことを聞かせてくれないか?少しでも情報が欲しい。」


「確か・・・隻眼の大男だったかな?」


「あと、何か全身を黒いマントで覆ってたよね。」

優太
「良かった。特徴ありまくりだ。とりあえず・・・危険人物が徘徊してるからより一層の警戒をみんなに連絡だけしとくか。」

すみれ
「ユウタさん!こんな所に居られたんですか?さっきの話の続きを直接しに参りました!!」

優太
「うおっ!!何か唐突に出現した!?その話はまた後日ってことで・・・あ、そうだ・・・そういえばお前等さ、敵の拠点を襲撃したときに最後何か四角いモニターのようなの見て敵の残数を確認してたみたいだけどアレは何だ?」

かすみ
「いやいや、そんなことは後でも・・・」

優太
「い・ま・す・ぐ・は・な・せ!!」

すみれ
「コレのことですか?」



すみれは着物の胸元から四角い物体を取り出した。
縦横20cmほどで、正直どうやってあんな薄そうな着物の中に入ってたんだろうとか考えてしまう・・・。
谷間か?魔法の谷間なのか??


優太
「コレは?」

かすみ
「簡単に言うとリアルタイムで戦況を調べられる機材だよ。」

すみれ
「まあ、私達は運営の方もやってましたからその流れで持っていたんですけど。」

優太
「この赤い丸と青い丸・・・赤が敵で、青が味方だよな?」

すみれ
「はい。それと、上に出ている数字が今の敵、味方の残存人数です。」

優太
「敵が残り3・・・あ、1人・・・2人減った。」

すみれ
「どうやら相手の主力メンバーを続々と撃破したようですね。」

優太
「なるほど・・・鳳仙と奏がどうにか勝ってくれたか(ネタバレ)・・・と言うことは・・・自動的にこの残った1人が唯を怪我させた張本人ってわけか。」

かすみ
「あ、あれ?この人、何だかコッチに向かってきてるよ?」

優太
「お、本当だ。ま、調度いい。出向く手間省けたぜ・・・コイツはオレがやる。他の連中には近くのHPか部屋に待機するように連絡しといてくれ。」


「分かりました。そこら辺は私に任せておいて下さい。」

優太
「ああ。任せた・・・。じゃ、ちょっくら行って来るわ。」


「はい、お気をつけて。」

すみれ
「ユウタさん。帰ってきたら話の続きを・・・。」

かすみ
「そうだよ!!だから勝ってくるんだよーーー!!」


「ファイトよ!優太君!」


「私達は待ってることしかできないけど・・・精一杯ここで応援してるからな!!」

優太
「よし、お前等の想いは受け取った・・・。その想い、オレがまとめてアイツにぶち込んでくるからな。」


「ユウちゃん・・・頑張ってね。あと、さっきの話だけど・・・。」

優太
「そのことなら大丈夫だ唯。ちゃんとオレが確認する。」


「うん。分かった。行ってらっしゃい、ユウちゃん。」





沈んだ先は既に池ではなかった。
どう考えても深すぎる。
幻術の一種かもしれないが鳳仙には判別がつかなかった。
もう下に引っ張られることは無くなったものの、湖面まで上がることはできそうもなかった。
湖面にはかなり強固な魔術結界が敷いてある。
ご丁寧に二重か三重構造だ。
とてもこんな水中で出せる力で破壊するのは不可能だろう。
鳳仙の持ち属性は言うまでも無く「火」。
「水」の魔力が満ちている水中では存分に能力を振るうことはできない。
相手もソレが分かっているからこんな場所に誘い込んだんだろうが・・・


ガリ
「ふふふ。水中は私のもっとも得意とするフィールドだ。キミも最後の最後で抜かったな・・・まさかああも簡単に水場に近付いてくれるとは思わなかった。」



敵の声が直接耳に響いてくる。
つまり会話は成り立つわけだ。
それに呼吸もできる。
少なくとも息ができなくて死ぬことはないらしい。



鳳仙
「まさか、こんなスゲェ魔術が使えるような奴だとは思わなかったよ。陸戦がヘボかったから魔術師としても格下なのかと・・・。」

ガリ
「勘違いするな。私が本気を出せば地上だろうが水中だろうが関係無くお前を瞬殺できたさ。」

鳳仙
「おいおい・・・負け惜しみとか見苦しいから止めろよ。自分の格を自分から下げてるって気付けよな。」

ガリ
「ふっ・・・確かにそうだな。」

鳳仙
「物分りいいな・・・。ちょっと、強ぇじゃねぇか。」

ガリ
「さっきの陸戦では悔しいが私の負けだ・・・。だが、水中戦で遅れは取らん。」

鳳仙
「凄い自信だな・・・。」

ガリ
「それはそうさ。言ったろう?水中が、私にとって・・・。」



視界からガリの姿が消える。
鳳仙は周囲を一瞥するも姿が見えない。
すると、背後から声が聞こえた。


ガリ
「もっとも得意とするフィールドだと・・・。」



ガリの拳が背中にめり込む。
水中とは思えない力だ。
鳳仙は虚を付かれたために防御も回避も間に合わず、水中を真っ直ぐ飛ばされた。


鳳仙
「がばっ!!?(な、何だこの力・・・!いくらなんでもこんな力を水中で出せるのはオカシイだろ!!)」

ガリ
「普通、水中では水の抵抗に合うため動きが鈍くなるものだ・・・肉体強化魔術を使ったところでこの抵抗を無視することはできない・・・だが!!」



ガリはまた信じられない速度で鳳仙に追いつくと無防備な鳳仙の右胸の位置に膝蹴りを決める。
鳳仙の体が膝を支点にしてくの字に曲がる。
そしてガリはそのまま鳳仙の背中目掛けて肘を打ち付ける。
調度、膝と肘が鳳仙の体を垂直に挟み込むようにして。
ベキッ!!!
と言うあばらが砕ける音が鳳仙の耳に響く。
次の瞬間、鳳仙は口から血を吐き出した。
折れたあばら骨が内臓に刺さったらしく、かなりの激痛が全身を駆け巡った。


ガリ
「私は独自の鍛錬法により、特殊な肉体強化魔術を体得した。これはありとあらゆる抵抗を受け流すことができる。そう、こんな感じでな!!」



ガリの拳が鳳仙の左の頬を打つ。
またしても水中とは思えない速度と威力だ。
鳳仙は態勢を崩されながらも、何とか持ち直す。
そしてここにきて鳳仙は反撃を試みた。
鳳仙の右手が赤く燃え上がる。
水中だと言うのにその炎は煌々と燃えあがる。
炎は一瞬にしてキャップファイヤー並の大きさまでになる。
鳳仙はその右手を振りかぶると、水の抵抗を受けながらもガリへ炎の拳を振るう。


鳳仙
『一式・紅蓮』!!!」

ガリ
「ふ・・・。」



ガリはこの攻撃を避わそうともしなかった。
むしろ打ち込んでみろと言わんばかりに両手を広げ、無防備な態勢を晒してくる。


鳳仙
「馬鹿にしてるつもりか!後で泣いても・・・知らねぇぞ!!!」

ガリ
「その一撃が私に届くのなら、な。」

鳳仙
「何っ!?」



鳳仙の「紅蓮」がガリの無防備な胸に叩きつけられる。
鳳仙は拳から伝わる直撃の感触を確かに感じた。
だが・・・。


ガリ
「終わりか?」

鳳仙
「え?」



ガリは涼しい顔を浮かべている。
全くのノーダメージだ。
さらに炎で燃えたあとも一切無い。


鳳仙
「ど、どういう・・・!!」

ガリ
「言ったろう。お前の攻撃は私に届かない。抵抗を無くすことができるなら、もう少し研ぎすませば『衝撃』すら無効化できるってことなのさ。」

鳳仙
「ま、まさか・・・オレの攻撃の衝撃全てを無効化した?」

ガリ
「そのとうりだ。ふふふ、ここまで私の魔術のタネを知ってしまった以上は生きて帰すわけにはいかない。」

鳳仙
「おいおい、ほとんど自分でネタばらししてたじゃないかよ・・・。」

ガリ
「だったとしても、知ってしまったのは事実だ。この力も、完璧では無いからな。もし・・・。」



鳳仙は聞き逃さなかった。
ガリ本人の口から出た「完璧では無い」と言う言葉を・・・。
つまり弱点があると自分から公言しているに等しい。
やっぱコイツ対した魔術師じゃないのかも・・・と考えを改める。
だが、しかし弱点があると分かっただけで実際にそれが何かは分からない。
状況は未だ、ガリが優勢だ。


ガリ
「私としたことが、かなり余計なことまで喋ってしまったな・・・。さて、秘密を知られたからには、しっかり殺さないとならない。女性を手にかけるのは私の主義に反するが・・・状況が状況だけに、致し方あるまいな。」

鳳仙
「ちょっとやそっとで曲がる主義なんて何の価値があるんだか・・・。まあいいや。黙って殺されるのはゴメンだ。もう少し、粘ってみるかな!!」

ガリ
「無駄なあがきだよ。この私の衝撃無効能力をどう殺すつもりかな!!」

鳳仙
「(考えるの苦手だけど考えろ・・・。何かヒントがあるはずだ・・・。奴の行動、言動・・・それを繋いだ先にあの能力を突破する方法がある!!)」





ポッチ
「さて・・・、奏ちゃんと言ったか?」


「私を下の名前で読んで良いのは私の『家族』と信頼に値する人物だけだ・・・。二度と口にするな。」

ポッチ
「そっちの彼は初対面なのに名前で読んでいたじゃないか?」


「どうやらユータの知り合いらしいからな。不本意だが、アイツの知り合いなら信頼しても問題無いだろう。」

ポッチ
「随分と簡単に人を信頼するのだな・・・『吸血鬼』が『人』を・・・。」


「昔、一人の馬鹿が言ったんだよ。『「人」も「吸血鬼」も関係無い。そうやって壁を作ってるのはお前等「吸血鬼」だろ』ってな。」

ポッチ
「なるほど・・・確かにそれはあるかもしれないな。」


「それにそいつはこうも言った『お前はオレの「家族」だ。オレはお前を最後まで信じてる』って・・・あの馬鹿は、真っ直ぐ私を信じてくれた。そして私を闇から救ってくれた。だから私も『人』だ『吸血鬼』だ言うのは止めた。それがどれだけ下らないことか、アイツが教えてくれたから・・・。」

ポッチ
「ふむ・・・。そうか。」


「だから、そのユータの知り合いなら私は信じよう。少なくともお前みたいな奴よりは信用できる。」

ポッチ
「さらりと酷いことを言う。」


「さらりと人を殺そうとした奴がよく言う。」

ポッチ
「ふふふ。で、キミはその私を瞬殺するらしいじゃないか・・・。どうやって?」


「お前みたいな雑魚には使いたくなかったが・・・私の本気をちょびっとだけ見せてやろう。」



そう言うと奏は背中に手を回すと、そこから柄の後ろを鎖で繋がれたナイフを出す。
片方は刀身が長く、もう片方は逆に刀身の短いナイフをそれぞれ握る。
右手に長い方を、そして左手に短い方を持つ。


ポッチ
「それで?」


「ん?コレ以上は無いぞ?流石にコレ以上は可哀想だからな・・・。」

ポッチ
「ははは!!これは愉快だ!!私の武器を見て、ナイフを選択するとは!!」


「はぁ?何が言いたいんだよ・・・。」

ポッチ
「キミと私の武器ではリーチが違いすぎるだろ・・・。瞬殺されるのはどっちかな?」


「やってみろ。すぐ分からせてやる。リーチ?そんなの関係無い。重要なのは結局の所、埋めようの無い実力さだしな~。」

ポッチ
「ほほぅ・・・小さいくせに言うではないか。」


「うっせぇ!!小っさい言うなーーーーーーーーーーーーーーー!!!もう許さん!!マジでぶっ飛ばす・・・。」

ポッチ
「月並みなことを言わせて貰うが・・・やれるものならやってみたまえよ!!」



ポッチは瞬時に奏に向かって駆ける。
そして正面から短槍を突き出す。


ボッ!!


と風を切る音と共に短槍が奏に迫る。
奏は左手のナイフを正面に構える、短槍の先端がナイフの先端とぶつかる。
そのまま突き出してきた短槍の流れに乗って、奏は短槍の下を滑るようにしてポッチの懐に潜りこむ。
ポッチには奏が一瞬消えたかのように見えた。
その隙を逃さずしゃがんだ状態で奏は両手のナイフを交差させ、片方に氣力を、もう片方に魔力を練り込む。
右手のナイフは白く透き通った輝きを纏い、左手のナイフは黒く淀んだ瘴気を纏っている。



『月闇十字』!!!」

ポッチ
「下か!!」



下からの攻撃を察したポッチは後ろに飛び奏の攻撃を避わす。
がしかし、それを読んでいた奏は武器を正面に向けて交互に振り抜く。



「そうそう私の攻撃から逃げられると思うなよ!『飛燕連空刃』!!」



刀身と同じ色の真空刃が飛び交い、ポッチを襲った。
一、二撃はどうにか避わし、三撃目を短槍で防ぐものの、四撃目は足に直撃を食らい瞬間的な移動力を絶たれた。


ポッチ
「なにっ!?」


「チャンス到来・・・!」



奏は動きの止まったポッチ目掛けて走る。
ポッチも立ち上がろうとしたが何故か足が動いてくれない。


ポッチ
「な、何故だ!何故動かん!!」


「はぁぁぁああああああああああああああああ!!!!」



ポッチは動かない足のことはもう気にしないことにした。
それより正面からくる小さな少女に注意を向ける。
奏は両手のナイフを正面に構えると、そのまま突っ込んでくる。
ポッチは短槍を構え、その突撃を防ごうとした。


ドウッ!!!


しかし、その防御も横合いから響いた銃声に阻まれた。
気付いたときには右手から短槍が吹き飛んでいた。
そして・・・。


ドッ!!!


奏のナイフがポッチの胸に突き刺さる。
そのまま力任せにポッチを空中に投げ飛ばす。
同時にナイフを腹から引き抜くと両手のナイフを交互に振り抜き、刀身から計五つの真空刃を飛ばしてポッチをさらに上空へと押し上げる。
いつの間にか旅館全体を拝めるほどの高さまで跳ね上げられた辺りで奏は片方のナイフをポッチ目掛けて投げる。
それがポッチの胸に再度刺さるとナイフに繋がれている鎖を思い切り引っ張った。
するとポッチの体が空中に固定された。
次の瞬間、奏は思い切りポッチに向かって飛ぶ。
そして右手に持ったナイフに魔力と氣力を同時に練り込む。
白く光り輝いていた刀身が黒い瘴気に纏わられると、白と黒が混ざり合い深紅の輝きへと姿を変えた。



「トドメだ!!『紅乱舞刀・破の太刀』!!!!!」



深紅色の刀身がポッチの体を両断するように振り抜かれる。
最後の防衛線である魔法障壁すら切り裂き、生身の肉体への一撃が決まった。


ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!


そしてポッチの脱落を知らせるブザーが鳴り響く。
ポッチはそのまま瓦の上に落ちてきた。


ドガシャン!!!


瓦がクッションがわりになるわけも無く衝撃が全身を駆け巡った。
障壁さえ突破され、直接生身の体を攻撃されたにも関わらず目立った外傷はほとんど無かった。



「安心しろ。峰切りだ。。」

ポッチ
「いやいや。遠慮容赦無く突き刺しまくっておいてよく言う!!」


「大丈夫!!障壁の上からだったから!」

ポッチ
「それはそうだが・・・。絵面的にはかなり殺伐とした感じだった。」


「ま、そこら辺は表現の仕方が雑だから問題無い!!」

ポッチ
「この作品って基本的に卑屈なのか、ほのぼのとしたギャグなのか分かりづらい所があるのだが・・・。」


「基本は卑屈です。。」

ポッチ
「ダメだマジでどうにかしないと・・・。ふむ・・・未だに負けた実感が湧かんな・・・。」


「いや、そこは素直に認めろよ。」

ポッチ
「そういえば最後の最後で私の槍を吹き飛ばしたのは・・・。」

木村
「ふふふ・・・私だよ。甘かったな。私もまだ脱落してはいなかったからね。」

ポッチ
「ふぅ・・・。最後の最後で油断してしまったと言う訳か。」


「このおっさんがお前にダメージを蓄積させてくれてたお陰で最後の最後、お前は足が動かなくなったしな。」

ポッチ
「なるほど・・・見えないところでダメージが肉体の許容量を超えていたか・・・歳は取りたくないものだな。」


「ま、お前も頑張った方さ。ほら、トマトでもやる。食え。」

ポッチ
「ふ・・・。まさか『吸血鬼』に施しを受ける日が来るとはな・・・。」


「私は『吸血鬼』だが、同時に一人の『人間』だ。」

ポッチ
「そうだな。そうかもしれない・・・。トマト、ありがたく頂こう。」


「ああ。さて・・・他のみんなは大丈夫かな・・・。」

木村
「優太君なら普通に大丈夫そうだったよ。。」


「別にアイツのこと何か心配して無ぇよ!!」

木村
「確かに心配しなくても優太君なら大丈夫だろうがね。」


「て言うかあとどれくらい残ってるんだろ敵・・・。私はそんなに倒してないから結構残ってるかもな・・・。」

木村
「ちょっと待ちたまえ・・・。お、もう残り二人らしいぞ。」


「マジで!!?既に998人も倒したのかよ!!ん?何だその黒いの。」

木村
「リアルタイムで戦況が知れるモニター。」


「そんなのあるのか・・・。」

木村
「お、また一人減った・・・残り一人・・・あ、この青いのは優太君だ。残った最後の一人と戦い始めたみたいだ。」


「ふーーん。で、アイツは今どこに・・・」



ドゴーーーーーーーーーーン!!!!


もの凄い爆音と振動が響いたと思うと、スグ向かいの建物の壁が吹っ飛んだ音と振動だった。
そこから知ったような顔が一人飛び出してきた。
かなり必死の形相で何かから逃げているようだが・・・。


優太
「うおおおおおおおおおおおおおおいぃぃいいいい!!!!ちょ、ちょっとたんま!!!そういうのって反則じゃないのかよ!!」

ガバル
「はははははは!!!!!戦場において卑怯もクソもあるか!!勝てばいいのだ!勝てばな!!!」

優太
「うおおおおおおおおおおおお!!!だからってコレは反則だろーーーーーーーーーー!!!」



優太は必死に逃げ回っていた。
後ろから追う大男の片手には何故かミサイルランチャーの様な物が握られていた。
どうやら本物らしく、ちゃんとミサイルが射出されていた。
それが優太目掛けて飛ぶ。
優太は間一髪でそれを振り切る。


バゴーーーーーン!!!!


自分の背後からミサイルが爆発する音が轟く。
それと同時に吹き飛んで弾け跳んだ地面の破片が背中や頭に当たった。
地味に痛い。
腕章を見るとちゃっかりダメージに入ってた。
1、2ダメージくらいだけど・・・。



「何してるんだ・・・アイツ。」

木村
「どうやら最後の一人はかなり手強そうだね。どれ、私も残りのライフの限り手伝わせてもらおうかな。」


「・・・・・・・。全く、しょうの無い奴だな。私も加勢してやるか・・・。」

木村
「素直じゃないなキミも。」


「あぁ?何か言ったーー?」

木村
「別に、何でも無いさ。さて、では行こうか。」


「言われなくても・・・。」







千草
「本当にここかい?」

平山
「ああ。そこの池に鳳仙が引きずり込まれてったんだ!!助けようと思ったんだけど・・・何だか池の中に入れないんだよ。」

千草
「そりゃそうだね。こいつはかなり高レベルの魔術結界だ・・・。少なくとも内側から壊すのはいくら鳳仙でも無理だろうね。」

平山
「じゃ、じゃあどうしたら!!」

千草
「早い話がこの結界壊しちゃえばいいんだよ。敵も多分水中戦が得意だからこんなことしてるんだろうし・・・。」

平山
「なるほど。でもどうやって壊すのさ・・・。かなり高レベルの結界なんだろ?」

千草
「大丈夫だ。コレくらいなら何の問題も無い。私の魔眼に見通せない物なんてこの世に存在しないんだから・・・。」

平山
「え、つまりどいうこと??」

千草
「結界ってのは簡単に言えば魔力を何重にも線で結んで作る物。その結んである量によって硬さとかそういうのが決まるわけなんだな。」

平山
「ふんふん。」

千草
「つまり・・・この結界を構成している要を全部壊せばこの結界自体を破壊できるってこと。その要も、もう全部見えた。」

平山
「・・・まあ、つまり何とかなるってことだね!!」

千草
「そういうこと~~~。じゃ、ちゃっちゃと済ませちゃおうか。」



千草は背中にかけていたVSRを構えるとボルトを瞬時に引いて戻す。
そしてスコープで狙いも付けずに一発、そしてボルトを引いて戻しもう一発・・・
これを十数回繰り返した。
それと同時に遠くから物が割れたり、砕けるような音が聞こえた。


平山
「え?何してるの??」

千草
「ん?要を壊してるんだよ。」

平山
「そんな適当にやってて当たってるの?」

千草
「さっきから壊れてる音がしてるでしょ?」

平山
「ま、マジで?よくそんな適当で当たるな・・・。」

千草
「適当じゃないよ。ちゃんと狙ってるよこれでも。」

平山
「へ、へぇーーー。素人には分からない話だな~~。」

千草
「よし。残り一つだけど・・・遠いな。何であんな遠い所に設置しやがったんだろ・・・メンドクサイなーーー。」

平山
「え、そんなに遠いの?」

千草
「まあ遠いって言っても10キロくらいだけどさ。」

平山
「遠すぎだよ!!そんなのおもちゃで狙えるわけ無いじゃん!!」

千草
「ははは。ジョリ君は冗談が上手いなーー。そんなの問題無いって。」

平山
「ええっ!!?だって10キロでしょ!?」

千草
「うん。まあそれくらいは楽勝楽勝。私コレでも太陽系の彼方まで狙い撃てると自負してるくらいだし・・・。」

平山
「いやいや・・・千草がスゲェ目が良いの知ってるけどさ・・・エアガンじゃあせいぜい狙えても30mくらいが限界じゃないのか?」

千草
「だから問題無いって・・・。これ貸してあげる。」

平山
「え、望遠鏡??」

千草
「あの山の滝がある所の少し下にボンヤリ光ってる所があるんだけど・・・見える?」

平山
「うん。ボンヤリとだけど・・・。」

千草
「貸してみ。ピント合わせてあげるから・・・。うん、こんな感じかな。」

平山
「あ、見えた。確かに少し光ってるね。」

千草
「あの光が数分後に消える。」

平山
「え、アレを狙うの?」

千草
「そだよーー。」

平山
「いやいや・・・流石に・・・。」

千草
「それ以上は見てから言ってね~~。よいしょ・・・。」



千草は今までの適当な姿勢を止め、VSRを肩に当てると片膝をついてスコープを覗いた。
スコープで見てもボンヤリとしか見えない。


千草
「やっぱこの安っすいスコープじゃあ無理か。ま、スコープ何て飾りだし・・・外すか。」

平山
「えぇっ!!?外して見えるの!!?」

千草
「私の場合コッチの方が良く見える。見てな・・・数秒後に目標を撃ち抜いてあげるからさ。」



そう言うと千草は銃身を動かしながら狙いを付け始めた。
どうやら本当に見えているようだ。
そのことに平山は素直に驚いていた。
今まで噂程度で千草の視力や弓道の腕は聞いていたが実際に見るのは初めてだった。
その姿は普段のふざけておちゃらけている姿からは想像もできないほど凛とした姿だ。
横目でその姿に素直に見惚れていると銃身を動かすのを止めて、ボルトを引いた。
それが戻ると同時に平山は視線を山に向ける。
次の瞬間にはパシュッ!!とVSRからBB弾が飛ぶ音がした。
そして、平山の隣をもの凄い爆風が吹き抜けた。
それはスグに光源目掛けて突き進む。
平山は確かに見た。
望遠鏡越しに、光源が消えるのを。


平山
「あ・・・。」

千草
「はい。終了・・・。じゃ、〆に結界を狙い撃つぜ!!!」



ボルトを引いて戻す。
そして、またも適当に狙っているようにしか見えないような感じで引き金を引く。


ガシャーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!


音を立てて結界が割れた。
魔力を持たない平山には見えなかったが、千草にはハッキリと見えた。


千草
「さて、後は任せるよ・・・鳳仙。」





鳳仙
「んっ!!?」

ガリ
「なに!!?結界が!!」



鳳仙とガリが水中で攻防を繰り広げている最中に水面の結界が何故か砕けた。
鳳仙には何が何だかか分からなかったがこの敵のテリトリーから脱するには絶好の好機と判断した。
そのままガリに掴みかかると鳳仙は全身を紅蓮の炎で包んだ。
ガリはこれを振り解こうとしたがそれも叶わず、鳳仙に掴まれたまま地上へ向けて引っ張られた。


鳳仙
『五式・爆星』!!!」



紅蓮の炎が全身を包み込むことを確認してから一気に足側を爆発させて上に向かって飛ぶ。
スグに池の外に出た。
結界が壊れたお陰でどうやら幻術も同時に消えたらしく、池の深さや広さは元に戻っていたようだ。
鳳仙はスグにガリを地面に投げ飛ばす。
すると受身もまともに取らずに地面に激突した。
どうやらダメージもあるようだ。


鳳仙
「はぁ、はぁ・・・。なるほど、やっぱさっきの衝撃無効化は水中限定みたいだな・・・。」

ガリ
「・・・っ!!な、何を言ってるんですか・・・?」

鳳仙
「だってそうだろ。お前、地上に出た途端に使えなくなってるぜ。」

ガリ
「イキナリだったので発動できなかったんですよ。かなり複雑な術式なのでね・・・。」

鳳仙
「ならなんでオレと最初に地上で一戦した時には使わなかったんだよ・・・。」

ガリ
「・・・それは、まだ必要無いと判断したから・・・。」

鳳仙
「いや、違うな。あんな便利な魔術を最初から使わないなんてオカシイ。使わなかったんじゃない、使えなかったんだ。条件までは分からないが・・・兎に角水中でしかその魔術は効果を発揮出来ないんだ!」

ガリ
「・・・。」

鳳仙
「どうやら図星らしいな。」

ガリ
「ふん。だが、それで勝負が決したわけではない!!まだ、私は負けてはいないんだからな!!!」

鳳仙
「そりゃそうだが・・・。でも、お前じゃもうオレに勝てねぇよ。さっきの水中でトドメを刺せなかった時点でな。」



鳳仙は突如目を瞑り、全身から力を抜く。
手や頭を下に向け、ダランとさせる。
しかし、徐々に鳳仙の全身を何かとてつもない氣力が纏い始めるのが分かった。


ガリ
「な、何だこの氣力は・・・。」

鳳仙
「見せてやる・・・。これがオレの全力全開だ!!!」



鳳仙の全身を見たことも無い氣力が覆っていた。
その異常なプレッシャーにガリは身動きが取れず、鳳仙から目が離せずに居た。
だが、いつの間にか鳳仙が目の前から消えていた。
気付いたときには右からの衝撃で地面に叩きつけられる。


ガリ
「がはっ!!!!は、はや・・・!」



地面に叩きつけられたガリの体を遠慮も無く鳳仙は蹴り飛ばす。
それだけでガリの軽い体はすっ飛び、旅館の壁にめり込んだ。


ドゴン!!!!!


絶妙な力加減で飛ばされたのか、壁に体が埋まって動かなかった。
その目の前に鳳仙が瞬間移動でもしてきたかのような速度で立ち塞がる。


ガリ
「ば、化け物め・・・。」

鳳仙
「ああ。オレもそう思う。でも、こんなオレを必要としてくれる人が居るんだ。オレはその人のために戦う。例え、化け物と言われても・・・。」



鳳仙は右手を腰の位置まで持ち上げると、手の甲を下にするようにして拳を握りこむ。


鳳仙
『獅子皇七式・灼劫烈神』!!!!!」



鳳仙は右の拳をガリの腹に直撃させる。
ガリの障壁をブチ破り、その下の体に拳がめり込む。
全身に衝撃が走るより早く、拳が爆発した。


ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!


凄まじい爆音と衝撃がガリを吹き飛ばす。
ガリは壁を衝き抜け、さらにその先の壁までも衝き抜けると旅館の外に広がる森の奥深くへ飛んでいった。
ただ、脱落を意味するブザーの音だけが何時までも響いていた。


鳳仙
「はぁ、はぁ、はぁ・・・。か、勝ったか・・・。」

平山
「鳳仙!!!」

鳳仙
「ジョリ?ああ、お前が結界を壊してくれたのか?」

千草
「いや、それは私がやったんだよ~~。ほれほれ、もっと感謝せんかぃ!!」

鳳仙
「ああ、そうなの?ありがと。」

平山
「な、何か鳳仙凄く血が出てるけど大丈夫なのか!?」

鳳仙
「ああ・・・そういえばあばら何本か折られたんだっけ・・・今更痛ぇ・・・。」

平山
「べぇーーーーーーーーーーーーー!!!それは不味いだろ!!早く蓮さんの所に・・・!!」



ドゴーーーーーーーーーーン!!!!


すぐ近くで爆音が聞こえたかと思うと、それと同時に聞き覚えのあるような声が聞こえてきた。


優太
「うおおおおおおおおおおおおおおいぃぃいいいい!!!!ちょ、ちょっとたんま!!!そういうのって反則じゃないのかよ!!」



鳳仙
「ダンナの・・・声、だ・・・。行かなきゃ・・・ダンナが・・・ピン、チだ!!」

平山
「ちょ!!流石にその体でコレ以上の無茶は不味いって!!」

鳳仙
「でも・・・!!ダンナが・・・、ダンナが!!」

千草
「まあ落ち着けよぃ鳳仙。その体で行ったってただの足手まといだよ。」

鳳仙
「うるせぇ!!!それでもオレは・・・オレはダンナを助けに行く!!!ダンナはオレの全てなんだよ!!!」

平山
「鳳仙・・・。」

千草
「鳳仙。その気持ちが嘘じゃないなら、なおのこと体を治して来な。この後の戦いにアンタの力は絶対必要になる。今はその時じゃないんだよ。」

鳳仙
「この後・・・?」

千草
「ああ。私も少し調べててね・・・どうやら女将さんが何か企んでるみたいなんだよね~~。それがどういう物かまでは分からないんだけど・・・何か一悶着ありそうなんだよ。」

鳳仙
「その時にオレが必要だって・・・?」

千草
「そ。まあ私の推測だから信憑性は低いかもだけどさ・・・。『その時』にアンタが居るのと居ないのじゃ全然違う。だから今は耐えて治療して来い。代わりに私がユウ君の援護に向かうからさ。」

鳳仙
「・・・なるほど。分かった・・・。今、オレにできることは戦うことじゃないんだな?」

千草
「そうだよ。分かったら黙ってレンチーの所に行きな。おーーい!!愛依ちゃん達!鳳仙をレンチーの所に運んでやって!!」

鳳仙
「千草・・・ダンナのこと、頼んだからな!!」

千草
「任せときなって・・・私を誰だと思ってるんだよ。」

鳳仙
「それ、ダンナのマネか?」

千草
「う~~~ん、そうみたい。な~んかユウ君が度々言うからクセになっちった。」

鳳仙
「千草・・・じゃあ、マジで頼むな!!」

千草
「あいよ。ドロ舟に乗ったつもりでいな!!」

鳳仙
「いや・・・それかなり不安なんだけど・・・。」





優太
「クソがーーーーーーーーーーーー!!!何かカッコつけて出てきたは良いがいくらなんでもアレは無い!!!」

ガバル
「そらそら!!どうした!!リーダーが逃げ腰じゃあ他の奴らが続けないぞ!!?」

優太
「ちっ!!!仕方ない・・・あんなマジ兵器相手にどこまでやれるか知らんが・・・。やぁぁぁーーーーーってやるぜ!!!!」



優太は瞬時に向きを変えるとガバル目掛けて突撃した。
ガバルはこれを受けてミサイルランチャーをマントの中にしまうと、中から大型のマシンガンを取り出した。
どう見てもエアガンでは無い。
このガバルと言う大男はどうやらモノホンの傭兵らしく、会った途端にマントからさっきまで使っていたミサイルランチャーを取り出したかと思うと室内だと言うことも構わずに撃ってきた。
出鼻を挫かれ、つい逃げ腰になっていたがよくよく考えればもっと危険な魔術だの古代兵器だの神獣だのと激戦を繰り広げてきたのだ。
こんなことでビビっていても始まらない。


優太
「そうだ!!当たらなければどうと言うことは無い!!!」

ガバル
「当たらなければな!!!」



ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!!!


実弾の雨は無差別にガバルの正面に位置する物と言う物を破砕した。
優太は『黒龍』で当たりそうな弾丸だけ弾き飛ばしながら着実にガバルとの距離を詰める。


ガバル
「やるな!!!まさか日本刀で弾丸を弾くなんて漫画みたいなことが出来る奴がまだ世の中に居るとはな!!」

優太
「そりゃあどうも!!!こんどはコッチの番だぜ!!」



ある程度の距離まで詰め寄ると、優太は女将特製ガバメントを構えると4、5発撃ち込む。


ガバル
「お前・・・その銃は・・・!」



ガバルの意識が一瞬優太のガバメントに向く、その所為かBB弾がガバルのマントに当たる。


ガバル
「この威力・・・あの頃より上がっている。まだ草壁はこんなことを・・・。」

優太
「おいおい、戦場で余所見とは余裕だな・・・。」

ガバル
「何っ!!」



優太はその一瞬の隙をつき、ガバルとの距離を一気に詰めると『黒龍』に魔力を乗せて縦に振るう。


優太
『超銀河次元斬』!!!!!」



ガバルは瞬時に危険を察して横に飛んで避ける。
『黒龍』が切り裂いた場所が真っ二つに切り裂かれていた。
どうやら空間そのものをそのまま切り裂いたようだ。
これの直撃を喰らっていたらあの空間に引きずりこまれていた。
優太は攻撃が不発に終わった途端、距離を開ける。


ガバル
「ふぅ・・・流石にリーダーと言うだけあってかなり高度な魔術戦闘ができるようだな・・・。」

優太
「そっちこそ瞬間的にこの技の危険を察するなんてスゲェな・・・。大概は一撃目にコレを使うと防御とかしてくれて次元の穴に落ちるってパターンなんだが・・・。」

ガバル
「『次元力』と『銀河力』か・・・二つの『無限力』を操るとは恐れ入る。」

優太
「『次元力』はオレの魔力じゃないけどな・・・。だから無駄遣いはできねぇ・・・ただでさえ燃費が悪いからな。」

ガバル
「なるほど・・・。だが、オレも仕事があるのだ。あまりチンタラとやってはいられない。悪いが早くキミも全力になってくれないか?」

優太
「はぁ?何で??」

ガバル
「そういう仕事だからさ・・・。『温泉力』は強い力のぶつかり合いの方が多く溢れてくる。」

優太
「『温泉力』・・・?」

ガバル
「おしゃべりはここまでだ・・・。さて、本気でやり合おうじゃないか・・・。でないと、キミは負けることになるぞ?」

優太
「エライ自信だな・・・。それって死亡フラグじゃないのか?」

ガバル
「試してみるといい。」

優太
「(とは言うものの・・・『龍皇氣』も『銀河力』も気分屋な能力だから出そうと思って全力が出せるものじゃないんだよな・・・。)」

ガバル
「オレの名はガバル。ガバル・ステネレスだ!行くぞ!!!久しぶりに血が騒ぐ!!!お前のようなLEVELの相手はそうは居ないのでな・・・!楽しませてもらうぞ!!!!」

優太
「まあ仕方ない。やれるだけやってみるか・・・。」







由紀
「ええっ!!優太が最後の一人と戦いに行った!?」


「ええ。あら、でも由紀さんは厨房の方に居たんですよね?それなら途中で優太さんと会えたハズでは?」

由紀
「それが私ココまで『次元跳躍』で飛んできたから。。」


「なるほど・・・。」

由紀
「そういえばさっきからかなり凄い音がしてるけど・・・もしかしてコレって優太とラスボスさんの?」


「そうでしょうね。どうやら相手は実銃を使うみたいで・・・唯さんがその人に撃たれたんですよ。」

由紀
「えっ!?唯、大丈夫なの!!?」


「あーーうん。蓮ちゃんが治してくれたから何とか~~。」


「まあ内臓は外れていましたし、弾も貫通してくれてたので治すのは簡単でした。でも、明日までは動かない方がいいですね。」

由紀
「優太・・・これじゃあ結構怒ってるんじゃないかな・・・。」


「優太さんがですか?いえ、勤めて冷静でしたよ。ま、内心はどうか知りませんが・・・。」

由紀
「じゃあ、早くコレ届けなくちゃ!!」


「そうした方がいいと思います。多分、スグそこの中庭のどこら辺かでやってると思います。」

由紀
「分かった!!じゃ、いってきまーーす!」



ガラッ!!


鳳仙
「れ、蓮・・・居る?」

由紀
「鳳仙!?」


「どうしたんですか?あ、もしかしなくてもケガですか?」

鳳仙
「うん。あばらが何本か折れちまってるみたいで・・・。」


「一体どんな戦い方したんですか・・・。全く・・・そこに横になってください。」

鳳仙
「うん・・・。」

由紀
「じゃ、今度こそいってきます!」


「ええ、お気をつけて。」

鳳仙
「痛ぇっ!!!」


「ふーーむ。幸い折れたあばらが内臓に深々と刺さったりはしてなさそうです。まあ、少し刺さってますが・・・。」

鳳仙
「な、治る?」


「そうですね・・・。これだと『精霊力』を使わないとなりませんね。でもま、鳳仙さんならこれくらい数分で完治しますよ。」

鳳仙
「ほ、本当!?」


「ええ。でも治療はかなり、いえ・・・ものっっっっっっっっっっっっっっっっっ凄く痛いですけど・・・。ふふふ・・・。。」

鳳仙
「え?」


「それでは始めましょうか・・・。みなさん。鳳仙さんが動かないようにしっかりと手足を固定しててくださいね~~。」

鳳仙
「え、ちょ・・・!な、何でこんなことする必要が!!?いつもみたく魔力流し込んで自然回復を図ったりとかするんじゃないの!!?」


「いえ・・・この場合は骨を『聖霊力』で直接繋いじゃった方が早いので直接療法でいきます。あ、麻酔とかは無いので気合で耐えてください。」

鳳仙
「べべべべべべべべえええええええええええ!!!!!ま、待って!!流石にそれは・・・!!」


「ほらほら、喋ってると舌噛んじゃいますよ~?このタオルでも咥えててくださいね。」

鳳仙
「ば、ばっべぇぇえええええええええ!!!」


「えい。」



聞くに堪えない叫びと言うか遠吠えが旅館中に響いたが、外の爆音に掻き消されてほとんどの人の耳には届かなかったと言う。。




優太
「で・・・『温泉力』ってのは一体何なんだよ・・・。」

ガバル
「知りたいのか?」

優太
「そう聞かれると別に聞きたいわけでもないかな。」

ガバル
「なら、無駄口叩かずに戦いに集中せんか!!!」



ガバルはマントから二つのバズーカらしき物を取り出した。
片方は「カールグスタフM2」、もう一つは「パンツァーファウスト3」と言う無反動砲だった。
左右の肩に一つづつ乗せるとガバルは二つ同時に射出した。


ガバル
「ファイヤーーーーーーーーーーーー!!!!!」



ボボッ!!!


凄まじい後方爆風が発生し、弾頭がもの凄い速度で射出された。
だが、いくら無反動だからって片手でバズーカを撃つなんて・・・と考えながら優太はジャンプすることでこの攻撃を避わした。
しかしそれを見越していたガバルは、既に両手に違う銃器を持ってコチラを狙っていた。


ババババババババババババババババババ!!!!!!!!!


M4の乱射が優太を襲う。
ジャンプしたのは流石に軽率すぎたかもしれないと後悔しつつ、優太は背中に『龍皇氣』を練り込む。
すると背中から紅い色をした何かが放射状に噴出した。
その噴射を利用して優太は地面へと急降下することでどうにか銃撃を避わしきった。
地面スレスレまで急降下し、姿勢を立て直すと共に背中の紅い噴射物体を使ってガバルへと突っ込む。
ガバメントを撃ちながら、右手に持った『黒龍』を縦に振り抜き、真空刃を作って飛ばす。
しかしガバルはこれをしゃがむことでやり過ごす。
その上を優太が通過したのを確認すると身を起こして優太の方へ向き直った。


ガバル
「ほう、何だその噴水のような物は!?」

優太
「これか?噴水じゃ無いぜ。形は歪だが一応オレの『翼』だ。」

ガバル
「ふむ。そんな形で推進力が得られるものなのか?」

優太
「見てなかったのか?ちゃんと浮いてただろ。」

ガバル
「確かに。『氣力』についてはあまり詳しく無くてな・・・。そんな使い方ができるのか。」

優太
「『氣力使い』みんながみんな使えるわけじゃないぜ。オレの『氣力』は龍の力が宿ってるからな。『龍の翼』ってところか。」

ガバル
「なるほど・・・。しかしいいのか?敵であるオレにそんな情報を教えて・・・。」

優太
「教えたところでどうにもならないって分かってるからな。」

ガバル
「鋭いな。確かにその程度の情報ではコチラも妙手が浮かばんよ。」

優太
「お前も凄いの持ってるじゃないかよ。そのマント・・・中にどれだけの銃火器を詰め込んでるんだ?」

ガバル
「これは『戦姫の羽衣』(ヴァルキリーガープ)と言って、簡単に言えばマント版四次元ポケットだ。」

優太
「つまり、中には銃火器が一杯ってわけか。」

ガバル
「そうだ。それにもう一つ、この羽衣には特殊な力があるが・・・それはまだ秘密にしておこう。」

優太
「ケチだな。」

ガバル
「お前もな・・・。」



どちらとも無く踏み込む。
タイミングもほぼ同時だったため、手に持った銃同士がぶつかったのも同時だった。
いつの間にかガバルの手に握られたのは優太が持っているのとは違う色をしたガバメントだった。
ガバルはガバメントを優太へ向け、至近距離から撃ってくる。
優太は体を屈めてスレスレを避わす。
そのまま優太もガバメントをガバルの腹にピッタリと突きつけると容赦無く引き金を引く。
が、それより早くガバルは左に飛ぶようにして回避する。
優太の弾は空を切り、射線上にあった庭木へ弾がめり込む。
ガバルは優太の背後にそのまま瞬時に回りこみ、ガバメントを撃つ。
その銃撃は何故か優太では無く空へ向けて射出された。
優太は背中の『翼』を勢いよく噴射させることでガバメントの射線を直接ズラしたのだ。
そのまま右の噴射だけ緩め、左側の噴射の勢いを上げる。
優太は右足を軸に体を回転させた。
その勢いに乗せて『黒龍』を横一閃する。
流石のガバルもこの一撃は避わせなかった。
その一撃はガバルに当たったハズだった。
しかし・・・


優太
「なに?」

ガバル
「効かんな・・・。」

優太
「ば、馬鹿な!手応えが無い・・・だと?確かに今、奴の体を切り裂いたはず・・・!」

ガバル
「コレが『戦姫の羽衣』のもう一つの効果・・・『攻撃無効化』だ。」

優太
「ま、待て!!そのネタは既に・・・!」

ガバル
「『水の抵抗を受けた攻撃のみ』を無効化するガリの魔術とは違い、オレの場合はそんな条件は一切無い。どんな状況だろうと打撃・斬撃・魔術問わずオレはその攻撃を無効化する。」

優太
「・・・。」

ガバル
「だから無駄だ。諦め・・・。」

優太
「銃撃は効くんだな。」

ガバル
「・・・。」

優太
「今、『打撃、斬撃、魔術問わず』としか言わなかった。つまり『銃撃』ならダメージになるんだろ?つか、最初にオレがBB弾撃ちこんだ時はダメージうけてたもんな。」

ガバル
「・・・・・・・・・・・・・・・。」

優太
「図星なのかよ・・・。あっけねぇ・・・開始数分で弱点解明されちゃってるよこの人。」

ガバル
「ふ、ふん。一つ教えてやろう少年・・・当たらなければどうと言うことは無い!!!」

優太
「それ・・・前回オレが言った台詞じゃねぇか・・・。」

ガバル
「へ、へーーーーん!!だったら当ててみろよ!!さっきの至近距離からの銃撃戦だって一発もお前の弾喰らわなかったぞ!」

優太
「(確かに・・・。腐ってもコイツは傭兵。潜ってきた修羅場の数が違いすぎる・・・長期戦に持ち込まれたら絶対にオレが不利だ。そういえば、結構撃ったな・・・そろそろマガジン変えとくか。)」



優太はポケットに手を伸ばす。
確か後ろのポケットに代えのマガジンを入れてあったハズ・・・が無い。
逆のポケットだったか?と思い、そっちに手を伸ばすも無い。
前のポケットを探すも入っていない。


優太
「な、何で?どこにいった・・・!?」

ガバル
「どうした?まさか・・・弾切れかーー!?」



ガバルは不敵な笑みを浮かべつつ、マントから今度は自動式小銃FALを取り出す。
それを優太に向けると引き金を引き、弾丸をばら撒く。
マガジンを探すのは諦め、優太はその弾幕を走って避ける。
そしてそのまま隅のほうにあった石の影に隠れて銃撃をやりすごした。


優太
「(ま、不味いな・・・弱点は分かったがそれを衝くための武器が使い物にならんとは・・・。)」



もう一度全身を捜してみるもそれらしい物は見つからない。


優太
「(どこかに落としたのか?いや、もしかしたらさっき由紀の所に忘れてきたかもしれない・・・。あの時は由紀から逃げるのに必死だったからな。)」

ガバル
「おいおい。いつまで隠れてるつもりだ・・・。まあ出てこないなら、吹き飛ばすまでだがな!!!」



ボシュッ!!!


優太
「この音・・・、無反動砲か・・・!!」



ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!


身を隠していた石ごと吹き飛ばされ、優太は地面を二、三度跳ねて転がった。
爆風はどうにか避わしきれたが、吹き飛んできた石の破片をモロに喰らった。
背骨の辺りから激痛が伝わってくる。
骨に異常はなさそうだが痛みで足がスグに動きそうに無かった。


ガバル
「どうやらスグには動けないようだな・・・。悪いが、ここは戦場・・・勝者こそが正しい世界だ!!!」

優太
「ぐっ!!」



ガバルは優太の目の前に立つと、その手に握ったガバメントの引き金を引いた。


ガオン!!!!!
ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!


そして、銃声と共に脱落のブザー音が響きわたった・・・。




由紀
「え、この音・・・まさかもう勝負がついちゃったのかな?」



中庭まで来た由紀は優太を探していたところでブザーの音を聴いた。
何故か変な胸騒ぎを感じつつも由紀は音のする方へ走る。
そしてその先には・・・




千草
「ん?脱落のブザー音、誰のだろ・・・?心無しかユウ君が居る方向から聞こえてくるけど・・・。」



中庭の一番端から離れの屋根を渡って優太の居るはずである中庭の中腹辺りを目指し歩いていた途中で千草はブザーの音を聴いた。


千草
「どの道、急がないとダメか・・・。」






「誰のブザー音だろ・・・?」


「もしかして勝負がついたのかな。」


「そうかもしれませんね。でもいつのまにか、すみれさんもかすみさんも居なくなってしまって状況が分からなくなってしまいましたから・・・。」

鳳仙
「だ、大丈夫・・・ダンナが・・・負けるわけが・・・痛い・・・!!!」


「ほら、じっとしてないとくっつきませんよ?ずれたらやり直さないとならないですけどいいんですか?」

鳳仙
「ヒィィイイイイイイイ!!!!それだけは勘弁して!!!」


「ユウちゃん・・・。」




女将
「すみれ、かい?」

すみれ
「はい。女将さん。」

かすみ
「私も居ますよーー!」

女将
「ご苦労だったね。どうだい、数値は?」

すみれ
「もう少しです。どうやらユウタさんと敵の大将の戦いで急激に『温泉力』が高まっています。この分ならあと数分で・・・。」

女将
「そうかい。」

かすみ
「女将さん。どうしたんですか?何か元気無いですよ?やっと夢にまで見たあの『古代遺産』が復活するかもしれないのに・・・。」

女将
「お前達・・・父親に会いたくは無いかい?」

すみれかすみ
「「え?」」
女将
「実はね・・・ここに来てるんだよ。アンタらの親父・・・つまり私の夫がね。」

すみれ
「え・・・あの、それはどういう意味ですか・・・?イキナリすぎて、何が何だか・・・」

女将
「会いたければ、中庭に行ってみな。優太と戦ってる人で無しの傭兵野郎・・・それが、アンタ達がずっと会いたがってた父親だよ。」

かすみ
「・・・!!おねえちゃん!行こう!」

すみれ
「で、でも・・・私、何を話したらいいか分からない・・・。」

かすみ
「そんなの要らないよ!!会って、それで今まで言いたかったこと全部言えばいいんだよ!!」

すみれ
「・・・。そうね。そのとうりだわ・・・。分かったわ・・・。行きましょう、かすみ。」

かすみ
「うん!!」

女将
「私も一緒に行くよ・・・。その方が、ヤツも素直に話を聞いてくれると思うしね。」

すみれ
「女将さん・・・。」

女将
「すみれ、今は母さんとお呼び。」

すみれ
「はい。お母さん!」

女将
「行くよ。二人とも、三人であのロクデナシの横っ面ぶっ飛ばしてやろうじゃないか!!」

すみれ
「おーーーーーーっ!!!」

かすみ
「ええぇっ!!?何か違く無い!!ここはもっと感動的に〆る所だよね!!なんでそんなオチになるのかな!!シリアスにいくならシリアス貫こうよ!!」

女将
「かすみ・・・一つだけ言っておくことがある・・・。」

かすみ
「な、なんでしょう・・・?」

女将
「シリアスは、疲れる。」

かすみ
「何かもう色々台無しだーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」







ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!


その音が響いたとき、色々な物が止まって見えた。
走馬灯って言うのか・・・。
思い浮かぶのはあの冬の日に・・・出逢った二人の少年少女の姿だった・・・。


優太
「木村さん!!!!!!!」

木村
「ぐはっ!!!」

ガバル
「ん?何だこのおっさんは・・・。」

木村
「私か?私はしがない雇われの掃除のおじさんさ・・・。」



バタッ!


優太
「木村さん!!しっかりしてくれ!て言うか何だこの傷・・・何か胸の辺りにもデカイ風穴開いてるぞ大丈夫なのか!?それ以前にこの傷で立ってられるって人間なんですか!!?」


「本当に馬鹿だなこのおっさん・・・。霊薬使ってるからって無茶しやがって・・・。」

優太
「奏!!?」


「よぉ。何か苦戦してるみたいだな。手、貸してやろうか?」

優太
「いや、そんなの要らないから早く木村さんを蓮の所に連れて行ってくれよ!!このままじゃ流石に死んじまう!」


「ああ。それなら大丈夫だと思う。」

優太
「何で!!?」


「さっきも言ったろう・・・霊薬を飲ませてある。時間はかかるけどちゃんと傷は癒える。その証拠に血とか流れてこないだろ?」

優太
「え?あ、本当だ・・・。」

木村
「どう?ビックリしたかな!?」

優太
「奏、このおっさん粗大ゴミ送りにしといて。」


「分かった。」

木村
「ちょ!!タンマタンマ!!!」

優太
「変な芝居うつな!!何かマジで心配しちゃったよ!!」

由紀
「優太!!!」

優太
「由紀!!調度いい所に・・・このおっさん連れて蓮の所に飛んでくれ!!」

由紀
「え?あ、ああうん。それはいいけど・・・。優太、コレ。」

優太
「マガジンか!由紀二重の意味ででかした!!」

由紀
「う、うん。」

ガバル
「・・・。ふぅ、卿が冷めたな。」

優太
「ん、ああ待っててくれたのか?悪いな。話しは終わったから相手ならできるぜ。」

ガバル
「仕切り直しだ。オレは向こうで待ってる。本当に準備ができたなら来ればいい。」

優太
「・・・そうか。じゃあ、お言葉に甘えることにするぜ。」





ガバル
「ふぅ・・・。」

女将
「相変わらず子供には弱いんだね。」

ガバル
「草壁・・・?」

女将
「アンタに会いたいっていう奴らが居てね。」

ガバル
「オレに?」

女将
「ほら、二人とも・・・。」

すみれ
「・・・。」

かすみ
「あ・・・。」

ガバル
「・・・草壁。どういう嫌がらせだ?」

女将
「別に・・・」

すみれ
「アナタが、私達のお父さんなんですか?」

ガバル
「・・・。」





女将
『本当に行くのかい?』

ガバル
『ああ。あの場所にはオレが守るべき大事な仲間達が居る。それに・・・あそこを突破されればこの街にも敵の軍勢は攻め込んでくるやもしれん。』

女将
『帰ってくるんだろうね?』

ガバル
『約束はできんな。』

女将
『全く・・・イキナリ帰ってきて、またイキナリ出て行くのかい。アンタは本当にいつも勝手な奴だよ。』

ガバル
『・・・草壁。』

女将
『なんだい?』

ガバル
『二人のことは頼む。』

女将
『・・・・・・。馬鹿だね。そんなの当たり前さ。あの二人は私が責任を持って育ててやるさ。次に会うときにはビックリするくらいの美人になってるよ。何せ、私の娘なんだからね。』

ガバル
『次・・・か。次があれば、楽しみにしている。』





かすみ
「何で黙ってるの?何で何も答えてくれないの!?」

ガバル
「オレに娘など居ない。」

女将
「・・・。」

ガバル
「もし、居たとしてもオレに父親の資格は・・・無い。」

女将
「そうかい?アンタは十分父親だったと思うよ。」

ガバル
「・・・。」

女将
「毎年毎年、二人の誕生日には贈り物を送ってくれてた。」

かすみ
「え?アレってお母さんが用意してたんじゃ・・・。」

女将
「違うよ。全部このアホが用意してくれたんだよ。そういう所のセンスは良いんだ。」

ガバル
「記憶に無いな。」

女将
「難癖をつけてくるギルドを人知れず潰して回ったり、養育費って言って毎月欠かさずお金を振り込んでくれたり、あまり褒められたことでもないがちゃんと私達を守ろうと頑張ってくれていたアンタを父親と言わずに何て呼べばいいんだろうね?」

ガバル
「・・・草壁、その話は秘密にしておく約束だったはずだ。」

女将
「それこそ記憶に無いねーー。私は私の夫とその約束をしたんだよ?アンタがこの子達を娘と認めないなら、自分を父親じゃないと言うなら・・・約束を守る必要は無いね。」

ガバル
「お前・・・全く、そういう所は昔と全然変わらない。」

女将
「褒め言葉として受け取っとくよ。」

すみれ
「その・・・私・・・」

ガバル
「ふぅ・・・上手くいかないものだな・・・。」

かすみ
「あの・・・。」

ガバル
「知らず知らずのうちに二人とも大きくなった。」

すみれかすみ
「「!」」
女将
「やれやれ・・・。」

ガバル
「しかし、今までオレはお前達を・・・」

すみれかすみ
「「お父さん!!!!」」


二人は同時にガバルへ抱きついた。
流石のガバルもこの状況は想像外だったらしくどうしていいのか分からないでいた。


女将
「黙って抱いてやればいいんだよ。本当に気がきかないね~。昔から・・・。それが、アンタが守ってきたモノだよ。」

ガバル
「・・・ふ。戦うしかできないオレにも守れるモノがあったんだな。」

女将
「戦うから守れるモノだってあるさ。」

ガバル
「そうだな。」



ガバルは二人の肩にそっと手を乗せる。
今はコレくらいしかできなかった。
だが、彼にとっては父親としてできる精一杯の抱擁だった。




由紀
「送ってきたよーー。」

優太
「おお。ご苦労さん。」

由紀
「ついでにお菓子もってきたけど食べる?」

千草
「ワーーイ調度小腹が空いてたんだよね!!ユッキー空気読めるなーーーー!!」


「私のトマトもお裾分けしてやろう。ほら、食え。」

優太
「ああ。まあ、貰っとくよ。」

由紀
「て言うか何でイキナリ小休止??」

優太
「さあな。」

千草
「何か向こうの方で感動ストーリーが展開されているようだよ。。」


「あまり他人様のプライベートを覗いてやらん方が良いと思うがなーー。」

千草
「いや、チラッと見えちゃった的な!!」

優太
「やっぱりあのガバルって奴・・・嫌な奴じゃなさそうだな。」

由紀
「え?どうして!?唯はアイツに撃たれたんだよ?いつもの優太なら真っ先にぶっ飛ばしに行くところじゃない!」

優太
「いや・・・その唯が言ってたんだけど。あの時、ガバルの奴は誰も撃つ気は無かったんじゃないかって。」


「??何の話だ??」

優太
「唯が言うにはあの時、ガバルは威嚇射撃をするつもりだったらしいんだ。」

千草
「何でそんなことをユイチーが分かるの?」

優太
「唯が言うにはガバルの奴は撃ったあとに焦ったみたいなんだよ。あまりにも一瞬の変化だったから正面から見てた唯しか分からなかったみたいだ。」

由紀
「え・・・それじゃあ・・・。」

優太
「アイツは元から攻撃するつもりで銃を撃ったわけじゃない。むしろ無傷で済ませるつもりだったみたいなんだよ。コッチが持ってるのが実銃だと分かれば戦う気も起きなくなると思ったんだろう。」

千草
「ふーーーん。それが真実だったらさ・・・ユウ君戦えるの?」


「・・・そだな。ユータ大丈夫か?」

優太
「確かに、戦う理由がオレには無いな。結局、唯は自分でドジって銃弾を受けたみたいだし・・・。でもさ、今はそんな理由は要らないかな。」

由紀
「優太・・・?」

優太
「ここは戦場でも無いし、この戦いに世界がかかってるわけでもない。これは悪魔でゲームだろ。サバイバルゲーム。それは絶対変わらないんだ。だったら、オレはオレのチームのためにガバルを倒して勝つ!そして秘湯入浴権でも何でも手に入れてこの旅行を締めくくる!それがきっと今のオレにできることだ!!」

千草
「へへへ・・・ちゃんと分かってるじゃんユウ君。」


「ヒトー??何の話か全然分かんないけどそれで良いんじゃなイカ?」

由紀
「うん。そだね。優太がそうだって思ったならきっとそれでいいんだよ。」

優太
「よし、じゃあ改めて行ってくるかな。今度は・・・勝ってくる。」




ガバル
「準備はいいのか?」

優太
「ああ。」

ガバル
「お前にもお前の譲れないモノがあるんだろうが、オレにも譲れないモノがある。それを貫くためにオレはお前と全力でぶつからないとならない。」

優太
「奇遇だな。オレもアンタと全力でやり合いたくなったところだ。もう、ちょこまかとしたのは止めようぜ。」

ガバル
「そうだな。なら、オレも最高の状態でお相手しよう。」



そう言うとガバルはマントの背部から巨大な円柱状の金属物体を出してくる。
円柱状の先端は鋭く尖っており、それが両側に三本づつガバルの背後に浮いている。
用途は全くの不明だが、ガバルの最終兵器であることは容易に想像がついた。


優太
「なるほど。それがお前の本気って訳か。」

ガバル
「ああ。『戦姫の羽衣』とこの『戦姫の六翼』(ヴァルキリーウィング)でオレはありとあらゆる戦場を生き抜いてきた。コレがオレの持てる最高の力だ。」

優太
「そうか。ソッチが本気で来るならオレも体が温まってきたところだし・・・。見せてやるよ。『龍皇』の力、そして果て無き『銀河』の無限の力をな!!!」



優太の右手に握られた『黒龍』の刀身が紅く輝き、刀身に龍の紋様が紅々と浮きでてくる。
それに連なるようにして優太の全身を紅い氣力が包み込む。
すると同時に背中から『龍の翼』が噴出する。
そして極めつけには瞳の色が黒から紅に変わった。


ガバル
「そこまで行くと確かにかなりの凄みがあるな。」

優太
「ああ。『龍皇氣』を一定以上開放すると『波動』って言うのが自然と全身から放出されちまうんだ。これで相手を少しの間動けなくしたり、魔術の効果全てを一時的に無効化することができたりもするんだぜ。」

ガバル
「それは凄いんだな。だが、オレには効かないらしいぞ?」

優太
「まあ、無意識で出てるレベルの『波動』でビビられても面白くないしな。なら、このレベルならどうだ!?」



ドンッ!!!!!


『波動』と言うだけのことはあり、ガバルは全身に走るプレッシャーに一瞬だが恐れを感じる。
一瞬だが意識を奪われ、ガバルは反応が遅れる。
いつの間にか優太はガバルのスグ目の前まで迫っていた。
そのまま優太は手に握っていたガバメントをガバルの腹に捻じ込むと、トリガーを引いた。


優太
『超銀河龍皇電磁波動砲』!!!!!!!!!!」



ドドバッ!!!!!!!!!!


腹部にガバメントからの二連射を受け、ガバルの体は数十m吹っ飛ぶ。
その衝撃はさっきのガバメントの威力を逸脱していた。
BB弾に『銀河力』と『龍皇氣』を乗せて至近距離から『電磁波動砲』を撃ったからだ。
その威力は実銃を遥かに凌ぎ、ガバルの魔法障壁と『戦姫の羽衣』を持ってしてもほとんど威力を軽減できずその全てを喰らう。
そして開放された雷魔力の余波がガバルのマントを少し焼いた。


ガバル
「がっ!!?ぐ・・・、流石にやる!だが・・・!!!」



ガバルは背後に浮かぶ『戦姫の六翼』を動かす。
円柱状の金属物体は下を向いていたが、ガバルの合図で優太の方を一斉に向く。
円柱の先端が光ったかと思うと光の線が優太目掛けて目にも止まらぬ速度で突き進んでくる。


優太
「レーザー!?いや・・・ビームか!!」



優太は右に跳んでビーム攻撃を避ける。
しかし、跳んだ先に何かが飛んできていた。
それは『戦姫の六翼』の一本だった。
どうやら直接ぶつけての攻撃もできるらしい。
優太は『黒龍』を下から上に振り上げてコレを両断する。
真っ二つに切れた『戦姫の六翼』の一本は優太の背後で爆発した。


バゴーーーーーーン!!!!


優太
「何だよそのファ●グみたいな武器は・・・。」

ガバル
「悪いがあんな兵器と一緒にされては困るな。これにはビームや突撃攻撃以外にも兵装が組み込まれている。」

優太
「どんだけ多機能なの?あれか、何でもいいから詰め込んじゃえって思考か・・・。」

ガバル
「それでも使えるなら問題無かろう!!」



マントの中から爆砕された一本の代わりを取り出し、再度合図を送る。
すると今度は先端が後ろを向き、丸い底の部分が優太の方を向く。


ガバル
「喰らえ・・・ミサイル一斉掃射!!!!!!!!!!」



バカッ!!!


一斉に底面が開いたかと思うと中から全長五cm程度の小さなミサイル群が一つの円柱から4、50発程度撃ちだされてくる。
あまりにもミニマムサイズなため威力は低いだろうと考えたが・・・スグにその考えは修正されることになった。
やはり適当にばら撒いているだけなのだろう。ミサイルの一つがあらぬ方向に飛んで行き、旅館の壁を容赦無く吹き飛ばした。


ドゴンッ!!!!!!!!


最初に追われている時に撃たれたミサイルランチャーのミサイルより遥かに大きな穴がそこに開いていた。
あんなミミズ台の小さな小さなミサイルが一発でコンクリートの壁を吹き飛ばすなんて考えられないのだが・・・
しかし実際目の前で起こってしまっていることに対してあーだこーだ言っても始まらない。
優太は正面から迫るミミズミサイルを見据える。


優太
「冗談じゃねぇ・・・!!こんなの喰らったらひとたまりも無いぜ!!」



優太は瞬時に『黒龍』を腰の鞘へ収める。
そして居合い抜きの如く『黒龍』を一気に鞘から抜き、目の前を切り裂く。
しかし優太が切ったのはミサイルでは無い。
優太の目の前の「空間」そのものだ。


クパァ!!


と、若干妄想を掻き立てそうな音と共に空間がアレな感じで裂ける。
その空間に吸い寄せられるかのようにミサイルは飲み込まれていく。
全部のミサイルを飲み込むと同時に優太は開いた空間を峰を使って元に戻す。


ガバル
「まだだ!!」

優太
「うおっ!!?」



ババババババババババッッ!!!!!


今度は先端が真上を向き、側面が優太の方を向いている。
その側面から細い管のような物が伸びており、それから弾丸が射出されていた。
初撃をどうにか後方に飛び退くことで回避する。
しかしすぐさま『戦姫の六翼』を飛ばし、今度は近距離、四方六方からの射撃攻撃を展開しようとしてくる。
優太は手近の一個を切り裂くと、その穴から包囲網を抜ける。
が、そのまま先端がこちらを向き、ビーム攻撃がくる。
しかも今回はただ真っ直ぐではなく、『戦姫の六翼』事態が上下や、左右、さらには波をうつようにと一つ一つが変則的な動きで迫ってくる。


優太
「何かイキナリ弾幕シューティングでもやってる気分になってきたぜ・・・。」



最初の上下からの攻撃は、ビーム同士の間を抜けるようにして避わし、次の左右からの攻撃は下をスライディングするかのようにして抜ける。
最後の波うちは変則的に見えて結局はビームが揺れているだけで真っ直ぐ来るのと同じなため体を右や左に振って避わしきる。
針を穴に通すような繊細な挙動で変則ビーム攻撃を避わしながら着実にガバルとの離れた距離を詰める。
しかし背後から残った五本全ての円柱が突っ込んでくる。
それを振り返り様にまとめて両断すると、その残骸はそのまま地面に落ちる。
そして一斉に爆発した。
その爆風に乗るようにして優太は背中の翼を勢いよく噴射させる。


ボッッ!!!!!!!


爆風とタイミングを合わせることにより、瞬時にガバルへと接近することに成功する。
しかし依然としてガバルは余裕そうだ。
優太が自分の目の前に立つと同時にガバルは口を開いた。


ガバル
「一撃だ。」

優太
「なに?」

ガバル
「この一撃で決められなければお前はもうオレには勝てない。お前の行動パターンはさっきので大体分かった。視界の広さや、挙動のクセ・・・次からはそれを踏まえたパターンを組む。それで終わりだ。」



満更脅しでもないだろう。
この程度のレベルの相手ならあれくらいの撃ち合いで相手のパターンを読むのも難しくない。
つまり本当にコレが実質最後のチャンスになってしまったわけだ。
しかし逆に優太も余裕そうに返す。


優太
「へぇー。いいのか?」

ガバル
「何がだ?」

優太
「こうやって会話している間に『戦姫の六翼』を展開してオレを引き剥がせばよかったって言ってるんだよ。」

ガバル
「いや。これは慢心からくるものではない。確信がある。」

優太
「どんな?メイドさんへの土産に聞いてやるぜ。」

ガバル
「オレの『戦姫の羽衣』に打撃・斬撃・魔術攻撃は一切通用しない。効くのは銃撃のみ。だが、頼みの綱の銃撃もお前の場合はそのおもちゃの銃でしか条件を満たせない。さらに言うと、さっき一回だけオレに撃ち込んだあの銃撃・・・アレは連射が効かないな?できて三連射。それ以上は魔力、氣力共に処理能力が間に合わないから撃てても撃てない。そうだろ?」

優太
「ああ。そうだな。音速の三倍の速度だから・・・二発が限界だったよ。」

ガバル
「お前のような近接戦闘型は大概の場合、遠距離攻撃の種類が極端に少ない。別に離れて戦う必要も無いからな。そう考えると必然的にアレを超える射撃攻撃をお前は持って無いと見る。」

優太
「お察しのとうり。」

ガバル
「あの程度の攻撃ではオレを倒すことはできない。できるわけが無い。さっきの一発はそりゃあ効いたが・・・もう一回撃ち込まれても耐えられる自信がある。」

優太
「へぇーー。確かにそのとうりだ。全部間違ってねぇぜ。」

ガバル
「しかし不意に落ちんのはお前のその余裕さだ・・・。」

優太
「ああ。だってそうだろ。お前は忘れてる・・・それか、あまりにも条件が重なりすぎてて分からなかっただけかもな。」

ガバル
「なに?」

優太
「最初に言ったよな。オレの『波動』は魔術的な効果を一瞬だが無効化できる。」

ガバル
「・・・何が言いたい。」

優太
「初回の『波動』を喰らった後の攻撃・・・あれ、お前自慢の『戦姫の羽衣』の効果打ち消されてたんだぜ?」

ガバル
「なにっ!?」

優太
「ま、オレもあの時は気付かなかった。でも、今はよく分かるぜ。『波動』が効いてたってことがな・・・。」



ガバルは優太の視線を追う。
調度、胸のあたりだった・・・。
その部分が少し煤けて黒くなっていた。
どうやら少し焼けているようだ。
それは紛れも無く、効果が発揮できていなかった証だった。


ガバル
「しまっ・・・!!!」



ガバルは距離を取ろうと足を動かそうとした。
が、体が全く動いてくれない。
瞬き一つすることができない。
まるで体の自由が奪われているかのようだった。


優太
「どうだ?『刻』を止められた感想は・・・。」

ガバル
「(な、なにぃっ・・・!)」

優太
「残念だったな・・・お前はもう一つ忘れてることがあるんだぜ。」

ガバル
「(・・・!!?)」

優太
「オレは『次元力』も使えるんだ。攻撃に使うだけじゃなく、数秒くらいなら『刻』を止められるんだよ。」

ガバル
「(ば、馬鹿な・・・!!)」

優太
「じゃあ、復習も終わったところで・・・改めて問題でーーす。『戦姫の羽衣』の効果も無効化された所でオレの全力攻撃を受けたらどうなるでしょうかー?」

ガバル
「(・・・!!!)」

優太
「答えは・・・自分の体で試しな!!!!!」



ドンッ!!!!


優太はガバルに向けて『波動』をぶつける。
視覚はできないが、確実に今この瞬間『戦姫の羽衣』の効果は無効化されたハズだ。
右手に握った『黒龍』を逆手に持ち、後ろに振りかぶる。
そしてそのまま下から上へ振り上げた。


優太
『超銀河龍皇砲伏絶刀星』!!!!!!!」



その一撃が『戦姫の羽衣』を切り裂く。
そしてガバルは空中に打ち上げられた。
その後を追うようにして優太も飛ぶ。


ガバル
「がはっ!!!ま、まさか本当に・・・オレの『戦姫の羽衣』が・・・!!?」

優太
「おお、これくらいスッパリ切れてればもうなにも無効化できないだろうな。」

ガバル
「!!?」

優太
「まだブザー鳴ってないからな・・・。悪いが、これで終いにする。」



いつの間にかその手に握られているのは女将特製カスタムガバメントだった。
優太はセーフティーを一番下まで下げ、スライドを一杯に引き・・・離す。


ガチャン!!!!!!!


ガバル
「ま、まさか・・・それは、『フルバースト機構』!!?か、完成していたのか!!」

優太
「??何だ知ってるのか・・・。ま、オレとしてはそんなことはどうでもいいんだけどな。」

ガバル
「草壁の奴め・・・まさかこんな隠し玉を渡しているとは・・・。オレもまだ甘かったというわけか・・・!!」

優太
「話しは後でゆっくり聞いてやるよ。今は素直に沈め。この女将特製カスタムガバメント最終兵器の前にな・・・!!」



ドババババババババババババババババババババババババババババババババババババ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


ガバルのむき出しの腹に秒速183発で撃ちだされたBB弾がぶち込まれる。
その衝撃は障壁を軽く越えて生身の体へ伝わる。
ガバルの体はそのまま地上まで吹き飛ばされ、地面に激突した。


ドガン!!!!!


ガバルを中心に地面に小さなクレーターができていた。
優太はそのスグ近くに着地する。
湯気が噴出しているガバメントを適当に冷ましつつ、左手に持っていた『黒龍』を右手に持ち替える。
そして鞘に切っ先を入れるとそのまま奥まで収めた。


チンッ!!


と言う鍔の音を合図に、


ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!


クレーターの中からブザー音が響いた。


優太
「ふぅ・・・。二度とアンタとは戦いたくないな。個人的に。」

ガバル
「奇遇だな。オレもだ・・・。」

女将
「ふぅーーん。アンタが負けるなんて珍しいじゃないか。」

優太
「女将・・・?」

すみれ
「お父さん!!だ、大丈夫ですか?」

優太
「・・・は?」

かすみ
「酷いよユウタ君、少しは加減してよね!!」

優太
「え、え、えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!!!!!????こ、コイツってお前等の親父だったのーーーーーーーーーーー!!????」

女将
「何だ、知らなかったのかい?読者は既に知ってたよ。」

優太
「知るかよ!!どうせオレの知らない所で出てきた話だろうが!!!て言うかマジなの!!?えーーーーーーーーーーー!!!」

ガバル
「だ、大丈夫だ・・・これくらいは慣れっこだからな。かすみもユウタは別に悪くない。そんな風に言ってはダメだ・・・。」

優太
「えーーーーーーーーーーー・・・何か未だに信じられないんですが・・・。」

すみれ
「私も未だに信じられません。ずっと探していた父がこんなひょっこり見つかって・・・。」

優太
「いや、それもそうなんだけど・・・。えーーーーーーーーーーーー・・・この親からすみれやかすみが・・・?信じられない・・・。」

ガバル
「おい、それはどういう意味だ・・・?」

優太
「いや、失言でしたすんません。。」

女将
「ま、その変の諸々はまた後でもいいだろう。それより、頃合だね。」

優太
「は?何が・・・」



ズズン!!!!!!!!!!


急な縦揺れが来たかと思うと地面が淡く光り輝いているのがわかった。
その光は空中に向けて幾重にも重なり遥か上空へと集まっていく。


優太
「な、何だ!!?何なんだよこの光!」

女将
「蘇るのさ。」

優太
「何が!?」

女将
「『古代遺産』。」

優太
「はぁっ!!?何でそんなのが外界に!!?」

女将
「さあね。でも、コレだけは言える。このサバゲーも全てはこのためだったのさ。」

優太
「女将・・・?」

女将
「さあ、姿を現せ!!『古代遺産』・・・!『超温泉郷狒狒色鐘』!!!!!」







尾崎
「な、何だったんだ今の揺れ・・・。」

川鍋
「・・・。」

駿一
「鍋ちゃんどしたの?外見て固まっちゃって・・・。」

川鍋
「いや・・・疲れてるのかな・・・。幻覚が見えるんだ。」

尾崎
「え・・・何が・・・って!!なんじゃありゃーーーーーーーー!!!!」

駿一
「な、鍋ちゃん!!あ、アレは幻覚じゃないよ!!本物だよ!!!」

川鍋
「あ、やっぱり?できれば幻覚にしときたかったんだけどなーーー。」






「アレは・・・。」


「な、何んだアレ・・・もの凄く大きくないか・・・?」

鳳仙
「へへっ!ど、どうやらアレが千草の言ってた奴か・・・。」


「へ?何の話~?」

鳳仙
「アレが今回のラスボスって話さ・・・!!こうしちゃ居られないな!オレは行く。蓮、治療ありがとう!!何とか動けそうだよ!!」


「あ、はい。でも、無茶はしないでくださいね。まだ完治したわけじゃありませんから・・・。まあ、折れた時はまた繋げて差し上げますから・・・あまり気になさらないでやってきてください。。」

鳳仙
「そ、そうなの!!?じゃ、じゃあ無理しないようにしよう・・・。」


「随分とみんな冷静だな・・・。」


「そうね。何でそんな涼しそうな顔してられるの・・・?」


「えーーーとですね・・・。端的に言うと・・・」

鳳仙愛依
「ダンナ「優太さん「ユウちゃん「おにいちゃんがどうにかしてくれるから。。」」」」

「結局アイツだよりなのかよ!!!」





優太
「ぶえくしょい!!!!!」

由紀
「ん?優太寒いの?湯冷めでもした?」

優太
「いや・・・そういうわけじゃなさそうだけど・・・。」

千草
「しかしまさかこんなデカイのが出てくるとは予想外だったなーーー。」


「何だ、チグサは知ってたのかーー?」

千草
「ううん。女将さんが何かしようとしてるって所までしか知らなかったよーーー。当事者も居ることだし、ココは本人に直接聞いたほうが良いんじゃなイカな?」

優太
「そうだな・・・女将、アレは一体何だ?」

女将
「アレは遥か昔に作られた『超温泉郷狒狒色鐘(ちょうおんせんきょうひひいろかね)』・・・。名前のとおり、『温泉』だ。」

優太
「へぇーーー。じゃあ、別にただデカくて飛んでるだけで無害なのか?」

女将
「そうだよ。私はアレを利用してさらに『華々の冠』のシェアを広げようと思ってね。」

優太
「そのビジネスの片棒を担がされたわけか・・・。」

女将
「ま、いいだろ?楽しかったし。」

優太
「それはお前だけだろ!!!て言うかコッチは完全に命懸けの戦いとかもしちゃってるんだけど!!」

女将
「まあまあ。約束どうりちゃんと報酬も払うし、あの『狒狒色鐘』に搭載された多種多様な温泉を好きなだけ利用させてやるからさ。」

優太
「・・・。ま、いいや。今回はそれで手を打つ。今回だけだぞ・・・。」

女将
「恩に着るよ。」

優太
「で、アレはそのまま飛ばしっぱなしでいいのか?何かあのままにしといたら確実に自衛隊とか来ると思うんだけど・・・。」

女将
「そうだね。国際問題になられてもアレだし、優太。私を連れてアイツのコントロールルームまで一緒に来てくれるかい?」

優太
「コントロールできるのか?どうやって??」

女将
「メダの奴から借りてきたこの『ギガドリル』を使って・・・」

優太
「ここまで引っ張っといて結局は『グ●ン●●ン』ネタかよ!!!!」

女将
「最初の顔面から想像ついてただろう?」

優太
「ああ・・・『天元の間』とかな・・・。」

女将
「そういうことだ。ささ、早いところ行くよ。」

優太
「ああ、はいはい。じゃあ、背中にでも乗って・・・」



ドォウッ!!!!!!!


優太の背後から爆音が轟いた。
振り返ると山の中腹辺りが燃えている。
何が起こったのか分からないでいると千草が叫んだ。


千草
「ユウ君!!避けて!!」

優太
「何っ!!?」



ボウッ!!!!


千草の言うとおりにその場から後ずさる。
すると次の瞬間、優太が立っていた場所目掛けて一筋の閃光が降り注いできた。
閃光が地面に当たるとそこを中心に激しい爆発が起こる。
優太はその爆風に飛ばされ、旅館の壁に背中からぶつかった。


ドガッ!!!


優太
「な、何だ・・・!?どっからの攻撃だ!??」

千草
「あの『狒狒色鐘』からみたいだよ!!」

優太
「なにぃぃいいい!!?アレはただの飛んでる温泉で無害じゃなかったのかよ!!」

女将
「なるほど・・・そういうことか・・・。」

優太
「え、なに一人で勝手に納得してるんだよ・・・ちゃんと説明しやがれ!」

女将
「私が調べた物より大きいと思ったんだ・・・多分、誰かが後から戦闘用の武装を取り付けたんだ。」

優太
「誰が!?何のために!!」

女将
「そんなの知らないよ。でも、アレも『古代遺産』の一つ・・・。過去に何かがあって、封印された忌むべき物だからね・・・。アレを地上に蘇らせたくない奴が細工したんだろうよ。」

優太
「・・・。つまりだ。簡単に言うとアレと戦わないといけないと。」

女将
「そうなるね。頼んだ!!」

優太
「ふざけんな!!!どんだけメンドクサイこと頼んでるか分かってるかお前!!」

女将
「反省はしてる。でも、後悔はしてない!!」

優太
「そういうことが聞きたいわけじゃないんですが・・・。」


「おい、ユータどうするんだよ!?何かさっきからビームみたいの乱射してるぞ・・・!街の方には撃ってないみたいだけど何時ソッチに飛び火するか・・・!!」

優太
「・・・。」

鳳仙
「おーーーーーい!!ダンナーーーーーー!!!」

優太
「鳳仙か・・・。」

鳳仙
「アレとやるんでしょ?オレも手伝うよ!!」

千草
「ユウ君、ココまで来たらやるしかないよ!!早くしないとマジで国際問題になっちゃうと思うし!!」

由紀
「優太・・・。」

優太
「たく・・・しょうがねぇな・・・。分かったよ・・・やるよ。やってやるさ。」

女将
「それでこそ優太だ・・・!!多分、コントロールを奪えれば何とかなるはずさ。こいつを持ってきな。」

優太
「メダの『ドリル』か・・・。オレ、アイツと違って『螺旋力』持ってねぇんだけど・・・。」

女将
「気合でカバーしな。」

優太
「はいはい。じゃ、やるか。お前等、行けるんだろうな?」

由紀鳳仙千草
「「「「バッチこい!!!」」」」
優太
「よし。じゃあ、まずはアイツの武装を剥がす。鳳仙と千草はアイツに張り付いて砲台という砲台をぶっ壊しまくれ。」

鳳仙
「あ、そういうのなら得意だ。任せといてよ!」

千草
「分かったよ。ただ壊すだけってのもツマラナイけど・・・。」

優太
「由紀、お前はありったけの『次元力』を練り上げろ。それをオレが『黒龍』に乗せて奴にぶち込む。」

由紀
「分かった。そうだなーー。あのサイズを壊せるエネルギーは・・・。」

優太
「いや、一瞬でも動きが止まればいい。」

由紀
「あ、それなら五分くらいで貯まるよ。」

優太
「よし、じゃあ五分間だけ由紀を、奏・・・お前が守ってやれ。」


「そんな楽なのでいいのか?」

優太
「楽かな?ビームとか飛んできまくるぞ。」


「ユータが全部止めてくれるんじゃないのか?」

優太
「努力する。」


「じゃ、撃ち漏らしは任されたーー。」

優太
「ああ。」

女将
「コントロールルームは調度中心にある。見れば分かると思うよ。」

優太
「じゃあ、飛びながら確認するか。」



優太は全身に『龍皇氣』を纏う。
そして地面を思い切り蹴り、空を駆け上る。


鳳仙
「ダンナ!!ちょ、ちょっと待って!!」

優太
「鳳仙、お前・・・『獅子皇氣』使ってるのか?」

鳳仙
「あ・・・ゴメン。でも、流石にアイツ相手じゃあ必要かなーーと思って・・・。」

優太
「お前はまだコントロールが甘いからな・・・。暴走だけはするなよ?」

鳳仙
「うん。」

千草
「二人とも早いよーーー!!私は『氣力』使えないんだからもう少し手加減しようよ・・・。」

鳳仙
「それでもちゃっかり付いて来てるじゃん。」

千草
「これでも必死に飛んでるんだよ!!どんだけ『魔力』使ってると思ってるのさ!!この速度維持するだけで私のか細い『魔力』は底をつきそうだよ!!」

優太
「お、そうこう言ってる内にコイツの甲板が見えそうだぜ?」



地上から何メートル上空だろうか。
とりあえず雲に手が届きそうなくらいだ。
上から『狒狒色鐘』を見下ろす。
全長は少なく見積もっても20Kmほどありそうだ・・・。
何かもう先端の方とか見えない。
甲板には所狭しと兵器が敷き詰められている。
正直あんなに隙間無く押し込んで使い物になるのだろうか。


鳳仙
「何か甲板の方は敷き詰めてあるだけで壊しやすそうだな・・・。」

千草
「ああ、うん。こういうのは鳳仙に任せる。」

鳳仙
「マジで!!ひゃっほう!!壊しまくるぞーーーーーーーーーー!!!」

千草
「私は船底部分にあるのを壊して回るよ。このサイズじゃあ、全部ってのは無理そうだけど・・・。」

優太
「できる範囲でいいだろ。五分だけ時間を稼げばいいんだ。五分後にオレがコイツの動きを止める。それまでにコントロールルームって奴を見つけないとな・・・。」

千草
「じゃ、それぞれの仕事をするってことで。」

鳳仙
「ああ。ダンナ、気をつけてね。」

優太
「お前等もな。」






「ユキ、お前は力を抜いてゆっくりと『魔力』を貯めろよ。私が絶対守るから心配しなくても大丈夫だからな。」

由紀
「うん、ありがとう奏ちゃん。・・・。」


「なんだ?」

由紀
「奏ちゃん、変わったよね。」


「な、何だよイキナリ・・・。」

由紀
「少し前までそんな風に『守る』何て言ってくれなかったもん。」


「そ、そうだったかな・・・。」

由紀
「そうだよ。何か、素直になったよね。」


「・・・。」

由紀
「これも優太のお陰かな・・・。」


「あ、アイツは関係ない!!自分で自分を律したんだよ!!」

由紀
「ふーーん。ま、何でもいいけどね。」


「なんなんだよみんなして・・・べ、別に私はユータのこと何か・・・。良い奴だとは思うけどさ。」

由紀
「え、最後の方なんて?聞こえなかった・・・。」


「何でもないよ!!よし!!ちょっくら気合入れようかなーーーーー!!」

由紀
「(そういうところは素直じゃないなーー。)奏ちゃん。」


「何だ?」

由紀
「いくら奏ちゃんでも優太は渡さないからね。」


「だ、だからユータのこと何かこれっぽっちも好きじゃないってーーーの!!!」





鳳仙
「スゥーー・・・ハァーーーー。よし、良い感じだ。これくらいの量なら自我を保てるようになったぞ。」



鳳仙は『獅子皇氣』を全身に纏う。
これでもまだ全力の40%ほどの『獅子皇氣』しか出していない。
ほんの数分なら問題無いが、継続して100%の『獅子皇氣』を鳳仙は使用できない。
コントロールが上手くできないので暴走させてしまうからだ。
鳳仙は再度深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
そして、目の前の兵器群を睨んだ。


鳳仙
「この量を壊すのは楽しそうだな・・・。へへっ!!我慢なんてしないぞ・・・全部、オレが喰らってやる!!!!『獅子皇四式・獄殺炎波』!!!!!!」



ボォォオオオオオオウッッッ!!!!!!!


鳳仙は右手から正面に向けて炎のビームとでも言えばいいのだろうか。
兎に角、エネルギー波を撃ちだす。
その大きさは鳳仙の身長よりも一回りも二回りも大きい。
巨大な炎のエネルギー波は鳳仙の目の前にある兵器という兵器を全て溶かし尽くした。


鳳仙
「さて・・・。『暁の地平線』、暁鳳仙!!立ち塞がる全てを、爆砕する!!!」





千草
「うわぁ・・・・。何だよ、船底からしてごっそりですか・・・。」



千草の担当する船底部分も所狭しと砲台がチラチラと見え隠れしている。
今も狙いも定めずそこら中を撃ちまくっているようだ。
このままでは街に被害が及ぶのも時間の問題だろう。


千草
「ま、できる範囲で・・・って言ったし。私にできる範囲で、張り切ろう。」



千草はポケットから一つの袋を取り出す。
『携帯収納袋(大)』と小さく隅の方に書いてある。
その袋から何故か矢筒と弓が出てきた。
どうやら四次元ポケットみたいな物らしい。
矢筒を背中に背負い込むと、そこから十本くらい纏めて取る。
そしてそれを弓にかけた。


千草
『開眼』!!」



千草の眼がエメラルドのような輝きを放つ。
そして砲台を一つ一つ眼で追った。


千草
「なるほど。全部が全部ビーム砲台じゃないみたいだなーー。ミサイル砲台だったり、あれは何だろう・・・。爆雷か何かかな。ま、何でもいいや。とりあえずは・・・ビーム砲台を集中的に潰す。」



千草は弓を引き、離す。
矢はそれぞれが自立しているかのように目標目掛けて飛んでいく。


ドガッ!!!


矢の一つ一つが砲台の射出口に突き刺さる。
発射口を塞がれ、ビームが内部を逆流する。
そして砲台は爆砕した。


千草
「さて、ボチボチ行こうかな・・・『暁の地平線』、風鈴千草。お相手してやんよ!!!」





優太
「ん・・・。」



目の前に塔のような物が見える。
どうやらアレがコントロールルームのようだ。


優太
「見つけたのはいいが・・・。どうやらただじゃ進ませてくれそうに無いらしいな。」



目の前に立ち塞がるのはロボットの大群だった。
それぞれどこかで見たことがあるような造形ばかり・・・。
しかし、サイズは本物より遥かに抑えめに作ってあった。
もしかしなくてもこの『狒狒色鐘』を作った奴らは相当なロボット好きみたいだ。


ロボ
「ピピピ・・・。ハンランブンシヲカクニン、コレヨリセンメツニウツル!!ブ●スト●●イヤーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

優太
「僕らの●ジン●ーが悪の手先に!!?ちょっとショックだ!!」



お馴染みのポーズから繰り出された●レ●トファ●ヤーを右に避けつつ接近する。
すると横合いから似たようなディティールのロボットが出てくる。


ロボ
「クラエ!!!サ●ダーーー●レェェェェーーーー●!!!!!!」

優太
「スゲェ!!●レートだ!!何かテンション上がるな!!」

ロボ×2
「「超●磁!!●ォォーヨォォォーーー!!!!」ゴ●ァァ!!!」
優太
「コ●バト●ーに●ルテ●まで居るのか!!どんだけスパロボ好きなの!!」



グレー●の攻撃を下に滑空して避け、●ーヨーと●マを『黒龍』で両断する。
そして優太は『黒龍』に『龍皇氣』を込めて刀身を巨大化させ、四体のロボットを巻き込むように横へと薙ぎ払う。


優太
『超銀河龍皇絶界断』!!!!!」



ボボボボボボボンンッッ!!!!!


四体のロボを真ん中から真っ二つに切り裂く。
そしてロボは四体同時に爆発する。


優太
「何だ、自慢の『超●金』もこの程度か・・・完成度低いなオイ。」

ロボ
「ダ●ルハー●ン!!!」

優太
「うっ!!グレ●ダ●ザー!!山ちゃんボイスなら尚よかったな!!」



ハーケンを『黒龍』で弾き、よろけた所に一閃を放つ。
ロボは二つに切れて爆砕した。


優太
「さーーて。次はどいつだ!!」

ロボ
「無●拳!!!」
ロボ
「ター●ス●●シャーパンチ!!!」

優太
「ア●エ●オンに●イザー!!何か凄い組み合わせだ・・・!!」



どういう原理なのか無限に伸びてくるパンチを左に避け、もう一方の回転するパンチは『黒龍』で二つに切断する。
すると視界が暗くなるのを感じた。
反射的に頭上を拝むと、巨大な塊が落ちてきていた。
心無しか黄金色をしているように見える。


優太
「おいおい、これはまさか・・・。」

ロボ
「キサマラゼンインヒカリニナレーーーーーーーーーーー!!!!!ゴル●ィオ●・●ラッ●ャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」

優太
「ジェ●シ●ク・●オ●イ●ー・・・おいおい、その攻撃は流石に不味いだろ・・・ロボのAIクソだな。」

ロボ
「ソコハユウキノチカラデカバーダアアアアアアアアアアア!!!!」

優太
「カバー不能だから・・・。仕方ない、ぶった斬るぜ。」



『黒龍』の刀身に『次元力』を集中させる。
すると刀身が白いエネルギー体に覆われる。
優太は天高く『黒龍』を掲げると、残っている『次元力』を流し込んだ。


優太
「あーあ、こうなるなら最初からもっと計画的に使っとくんだったぜ・・・。これで『大』ってつけて問題無いかな・・・。」



全て流し込んでから大きさを確認する。
どうやら10mくらいにしか膨れ上がらなかったようだ。


優太
「ま、別にいいか。斬れれば問題無い無い・・・『超銀河龍皇大次元斬』!!!!!」



『黒龍』をク●ッシャーにぶつける。
原作どうりなら、触れただけで全てを光に変えるが・・・
どうやら触れることはできたみたいである。
優太は『黒龍』を振りきる。
するとそこに巨大な次元の穴が出現した。
そこへ絶対勝利の力の象徴が吸い込まれていく。


優太
「あーーーーー、危なかった・・・。流石にコレ全部光にされたらオレが女将にドヤされるからな・・・。」

ロボ
「●ッタァァァァァーーーーーーーーーーーーーー!!!ビィィィィイイイイイイイムゥウウウーーーーーー!!!!!」

優太
「ゲッ●ー1!!しかも世界最後の日仕様だと・・・!カッコイイぜ!!」



ビームを『黒龍』で防ぐ。
『黒龍』を中心にビームは二つに切れて甲板に落ちる。
そして優太は背中から『龍皇氣』を噴射させて一気にロボへ近付く。
優太はロボの頭を掴むと、そのまま下へ向けて急降下する。
落下の速度を緩めずそのままの速度で甲板にロボを叩きつける。
その衝撃でロボの頭はひしゃげ、部品がそこかしこに飛び散った。


優太
「進化の力もこの程度か・・・オイオイ、オレ達の憧れてるスーパーロボットはこんなものじゃないはずだが・・・。」

ロボ
「オマエラドイテロ・・・。コイツハ、オレガタオス!!」

優太
「お、お前・・・そのディティールは・・・!!」

ロボ
「オレヲダレダトオモッテヤガル!!!!!」

優太
「なるほど・・・。他が見掛け倒しなのはお前の完成度を上げたからだな・・・。まさかこんな所でお前とやれるなんてな!!●レンラ●ン!!!!」

グ●ンラ●ン
「オレノドリルデオマエヲツラヌイテヤル!!!!!」

優太
「やれるもんならやってみろぉぉおおおお!!!『オレ』を誰だと思ってやがる!!!」






「何かまるで攻撃落ちてこないなーーーー。」

由紀
「それだけ頑張ってるってことだ。。」


「あーー。暇だなーー。」

由紀
「私の方はいいから、行ってもいいよ?」


「んーーー。そうしたいけど・・・ユータと約束したしな・・・。」

由紀
「・・・やっぱり優太のこと気にしてるんだーー。へぇーーー。」


「違ぇよ!!頼まれたことはちゃんとやらないとだめじゃん!!?そういう感じ!!」

由紀
「うんうん。まあ、そういうことにしておくよ。さて・・・そろそろ五分だね。」


「早くね?普通もう少し粘らないとダメなんじゃ・・・。」

由紀
「コレ以上は引き伸ばせないのよ・・・諸般の事情で・・・。」


「あーーー。大人の事情かーー。」

由紀
「そそ。じゃ、優太と連絡を取りたいんだけど・・・生憎携帯忘れてきちゃったみたいなんだよなーー。」


「そうなのか?じゃあ、私がかけよう。」

由紀
「うん、お願い。」





ピリリリリリ!!!


優太
「ん!!こんな時に・・・!」

グ●ンラ●ン
「・・・。」

優太
「あ、あれ?何で止まってるんだ?」

グ●ンラ●ン
「トレヨ。シュウチュウデキナイダロ・・・。」

優太
「あれ、このネタどっかで見たことあるような・・・。ま、いいか・・・。奏?何だろ、もしもし・・・」


『ユータか?』

優太
「まあ、オレの携帯にかけてるんだからそりゃそうだろうよ。」


『いや、敵に倒されて・・・ってのがあるかと思ってさ。』

優太
「お前はオレを何だと思ってるんだよ・・・。」


『ま、冗談はさておき・・・どうやらユキの方は準備ができたみたいだぞ。』

優太
「そうか。分かった。じゃあ、オレが今居る辺りに飛ばすように言ってくれ。」


『ん。』

優太
「じゃ、頼んだぜ。」



ピッ!


優太
「悪いな。もう少しゆっくりやってやりたいところだったけど・・・どうやら大人の事情でもう終いらしい。」

グ●ンラ●ン
「ソレハドウカナ・・・。」

優太
「どういう意味だ?」

グ●ンラ●ン
「オレガココニイルカギリゼッタイニオマエヲアソコニハイカセナイ!!」

優太
「なるほど・・・。じゃあ、最後に決戦と行こう。調度、勝利の鍵も届いたところだしな!」



優太のスグ上に大きな球体が出現する。
凄まじい量の『魔力』がそこら中に干渉する。
球体の周辺は風景が歪んでいるようだ。
下手に触れれば文字どうり『飛ばされる』だろう。
『次元』の彼方へ。


優太
「『黒龍』・・・まずは由紀が練り上げた『次元力』を吸収だ!!」



『黒龍』を球体に向けると、少しづつ球体が『黒龍』に吸われてしぼんでいった。
ものの数秒で球体は完全に無くなった。


優太
「んで、『黒龍』に貯まった『次元力』を一斉開放・・・!『刻』よ止まれ!!!!!!」



優太は『黒龍』を『狒狒色鐘』の甲板に向けて突き立てる。
すると、『狒狒色鐘』全体を『次元力』が駆け巡る。
そして一斉に全ての砲門からの射撃が止まり、『狒狒色鐘』の動きが完全に止まった。


グ●ンラ●ン
「・・・。」

優太
「一時的にだが、これで少しの間コイツは動かない。その間に、お前を突破してコントロールを奪う。」

グ●ンラ●ン
「リクツハイイ!!オトコナラ・・・『ドリル』デカタレ!!!」

優太
「そうかい。じゃあ、見せてもらうぜ。お前の、『天を突くドリル』って奴を!!!」

グ●ンラ●ン
ヒッサツ!!!!!」

優太
「メダ!!!お前のドリル!借りるぜ!!!必殺!!!!!」



二人の手にドリルが握られる。
それを天高く掲げると、原理不明だがドリルが巨大化する。


グ●ンラ●ン
「ギガァァァァァァァァアアアアアアアアア!!!!!!」

優太
「ドリルゥゥーーーーーーーー・・・・・・!!!!!!」

グ●ンラ●ン優太
「「ブゥゥウレェェェエエイクウウゥゥゥゥーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」」


二つのドリルが激突する。
凄まじいエネルギーが大気を伝わって夜空を駆け巡った。
まるで流星のように・・・。


グ●ンラ●ン
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」

優太
「無駄だ・・・・!!そんな空っぽの『ドリル』で・・・オレ達の『魂のドリル』が砕けると思うな!!!!」

グ●ンラ●ン
「ナ、ナンダト!!?」

優太
「理屈じゃねぇんだろ・・・。だったら証明してやる!!!オレをオレ達を!!!誰だと思ってやがる!!!!!!!!!



優太の体中から『龍皇氣』が溢れだす。
すると『ドリル』の回転力が増し、回転速度が格段に上がる。
それと同時に『ドリル』へ『銀河力』が流れる。
次の瞬間、優太の『ドリル』がさらに膨れ上がった。


グ●ンラ●ン
「ナ、ナンダ!!ナンナンダ!コノチカラハ!!!??」

優太
「喰らえ!!!!!必殺!!!『超銀河龍皇ギガドリルブレイク』ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!



グ●ンラ●ンの『ドリル』が粉々に砕け散る。
そしてロボの胸に『ドリル』を突き刺し、そのままコントロールルーム目掛けて突っ込む。
正面の塔に向け優太はただ真っ直ぐに、真っ直ぐに突き進む。


優太
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!」



ドギャァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!


グ●ンラ●ンごとコントロールルームに突っ込むと、正面に穴を見つける。
どうやらアレに突っ込めば良さそうだ。


優太
「あの穴か!!?って、何かあの穴小っさいよ!!これってどうやって小さく・・・えーーーーーーいメンドクサイ!!『漢』はいつでも、正面突破だーーーーー!!!!!!!『ギガドリル・スピン・オン』!!!!」



そのまま正面にある穴目掛けて『ギガドリル』を捻じ込む。
サイズ差がありすぎて完全に許容量オーバーな感じになったがどうにか収まる。
次の瞬間、モニター類が点滅し始めた。


優太
「・・・止まった、のか?」

ロボ
「ピピピ・・・。『コントロールキー』の認証を確認。『狒狒色鐘』は戦闘モードを解除し、温泉郷モードに切り替わります。」

優太
「ふぅ・・・。終わったーーーーーーーー。」



優太は全身から力が抜けるのが分かった。
その場に寝転がり、宙を仰いだ。
そして、眼を瞑りながら一つの言葉が漏れる。


優太
「結局コレ・・・途中から『サバゲー』全く関係無くなってるじゃねぇかよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



優太のもっともなツッコミが夜空に響いた。
何はともあれ・・・。
一件落着である。。




『二日目サバゲーナイトフィーバー篇』 完。。
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[ 1991/05/04 00:00 ] 小説(完全版) | TB(0) | CM(0)

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